確認しておきたい「春」の支出
学校や会社など4月から新年度を迎えることの多い日本では、春は何かと支出の変化が大きくなりやすい時期です。新しく増える支出もあれば、支払いの終わる支出もあるでしょう。
お金周りの動きが大きくなるため、支払いに慌てたり、準備ができていないことで不安になったりすることも多くなります。
このような時期に特に注意したい3大支出について、確認していきましょう。
1 お付き合いに関する支出
新年度は新しい生活が始まるにあたり、新しい出会いと別れにともなう支出が多くなる時期です。
大人も子どもも、お世話になった方にプレゼントを用意したり、ご挨拶を兼ねて手土産を用意したりする機会が増えるものです。最近は感染症対策もあり少なくなったとはいえ、対策を十分にしたうえで歓送迎会などに参加する機会がある人もいるでしょう。
このようなお付き合いに関する支出は、一つ一つの支出は少なくても、合わせればそれなりの金額にもなりやすいものですから、あらかじめ用意しておいた方がいいでしょう。友人とお金のやりとりをしているうちに何にいくら使ったか分からなくなってしまうこともあるので、メモなどを残しておくと参考になりますよ。
2 教育に関わる支出
お子さんがいらっしゃるご家庭では、進学にともなう支出も変わりやすくなります。
特に、小学校から中学校へ、中学校から高校へと進学にともない学校が変わる場合は、学費だけでなく制服などその年限りですが新たな支出が多くなります。学校によっては部活動などのユニフォームなども別途用意する必要が出てきます。
学校が変わらない場合でも、上履きなどを新調したり、不足する用品の準備などが必要になります。
また、進学にともない塾や習い事などが増えることも多くなる時期です。月に数万円支出が増えるといった人も多く、こちらも意外とまとまった金額になりやすいので、注意しましょう。
なお、春先の支出だけでなく、学年によっては「卒業対策費」「修学旅行費」なども別途用意しておいた方がよい場合もあります。その学年ならではの支出がないか確認しておきましょう。
お子さんが大学を卒業したご家庭では、学費の支払いがなくなり、家計の負担が大きく減る時期になりますので、貯蓄の計画をしっかり立てると良いでしょう。
3 季節にともなう支出
春だけでなく、GW、税金関係の支払いが多くなる6月と、春から夏にかけて大きな支払いが続くことも多くなります。夏のボーナスまで収入が増えないというご家庭もありますので、春から夏にかけては特に赤字が累積しやすくなります。
春先の支出だけに惑わされず、あわせて6月ごろまでの支払いのめどをつけておくと安心です。特に税金関連の支出は支払額が大きくなりやすいので、GWに遊びすぎるなど、気を緩めすぎないように注意しましょう。
なお、このような季節にともなう支出を「急な支払いで支出が増えてしまって……」と言う人が多いのですが、このような支出は急な支出ではありません。あらかじめわかっている支出であることがほとんどですので、どれだけ前から準備しておくかがカギになります。
あとから準備をしていなかったことに言い訳をしないですむよう、工夫しておきましょう。
収入と相談して全体調節を
新たに支出が増えることが多くなる時期ですが、増えるに任せてしまうと知らないうちに大きな赤字となることがあります。
「この支出が増えた分、この支出を減らす」など、家計の中でも全体調節を行えるようにしておくとよいでしょう。お子さんがいらっしゃるご家庭では、お子さんが大きくなるにつれて全体調節を行ったとしてもカバーしきれないくらい支出が増えることの方が多いので、収入ともよく相談しましょう。
わが家でも新年度から子ども達の学年が一つ上がります。新年度に合わせて、習い事などを調節し、優先順位のつけなおしをしました。わが家では長女が大学を卒業するまで支出は増える一方です。それでも毎年春に全体調節を行うことを欠かさないことで、無理のない資金計画を立てることができています。あらかじめこれとこれの支出が増えると分かっているだけでも安心感があります。ちなみにわが家の家計簿は、4月はじまりにしていますよ。
新年度は、生活スタイルが変化することによりお金周りの変化も大きくなりやすいもの。ぜひ、支払いで慌てないようにしておきましょう。