いっしょに洗っちゃダメなの?
そもそも…のハナシで恐縮ですが、ニットのセーターやベストワンピースなどは、下着やシャツ類、デニムものやハンカチ、靴下などのように洗濯機の「標準コース」では洗えません。いや、正確に言うと全部一緒につっこんでボタンを押せば洗うことはできますね。できますが「元の形に戻る保証がない」と思った方がよさそうです。
ウール(羊毛)は縮む、アクリル(化学繊維)は伸びる
羊毛や綿は動物、植物から生まれたものですが、アクリルやポリエステルは石油が原料でできています。それぞれルーツが違うので、お洗濯に対する反応もそれぞれで、例えばウールのセーターは、洗濯機の中でTシャツと一緒にぐるぐると標準コースで洗うと、縮んでしまいます。対してアクリルのセーターだと、伸びてしまうこともあるのだとか…。
また、すすぎのたびに脱水がかけられますが、ドラム式の場合は脱水で摩擦が起こり、素材に関わらず毛玉の原因となります。
お手入れのカギは素材を知ること
このピンクニットの洗濯表示を見てみると…ポリエステル100%。その下に並ぶマークは、2016年12月にそれまでの日本独自のものから国際規格に変更された洗濯表示です。
左上から記していくと「液温は30 ℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い処理が出来る」その右は薬品のフラスコのようなマークに✖がついてて「塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止」、その次は乾燥機で「タンブル乾燥禁止」、斜め線が日陰を表す「日陰の平干しがよい」。下の段の左はアイロンの表示で「底面温度110 ℃を限度としてスチームなしでアイロン仕上げができる」「石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる」その次の表示はウェットクリーニングといって、専門店で専用の洗剤を用いて水で洗う方法を指し、この表示では「非常に弱い操作のウエットクリーニングができる」となります。あ、最後のネット使用、あて布使用も守らなければなりません。(おつかれさまでした!)
保存しておくと便利な洗濯表示
上の表示の中で、洗濯機で洗えないのは左上「家庭洗濯」の欄にある洗濯桶に手が入っているものと、✖が付いているものです。これ以外の表示のものは、ネットに入れておしゃれ着専用洗剤を使い、洗濯機のおしゃれ着コースやドライコースで洗濯することができます。
おしゃれ着コースは標準コースよりドラムの回転が穏やかで、脱水もかなり弱めなので、ニットの型崩れや伸び縮みを最小限に抑えることができます。
しかし一番の敵は「干し忘れ」。最後の脱水が終われば、できるだけ早くに干すようにしてください。濡れたままの状態で放置していると、ウールだけでなくアクリルであっても縮みが起こる原因になるようです。そしてニットの基本の干し方は平干しです。上のように干せなければ、下のイラストのようにハンガーに絡ませてみてもOKです。
ニット、家で洗っていますか?
実際のところ、みんなどうしてるんだろう?と思い、周りの人にたずねてみると「おしゃれ着用洗剤でまとめて洗います。」「ネットに入れて、おしゃれ着洗剤、ドライコースで家で洗う。」「普段着のセーターは、普通の洗濯と一緒に洗う。柔軟剤を入れれば問題なし。」「クリーニングのクーポンがあるときにまとめて出す」と、さまざまでしたが、ほぼ全員に共通していたのは「ニットは外出時のみ。」「帰宅後はすぐに部屋着に着替えて汚れと毛玉の防止。」というもの。やはりお気に入りは大切に着たいものですね。
すすぎのいらないおしゃれ着洗剤?!
先日、ライオンから「すすぎのいらないおしゃれ着洗剤がでる!」と聞いてお話を伺いました。なんでも「スマート家電を利用している若い世代をターゲットにしている」とか。すすぎが無いと、身体に付く部分に洗剤成分が付着しないか?とか、汚れがどれくらい落ちるのか…が気になりましたが、アクロンスマートケア成分*が界面活性剤の働きをサポート。
洗濯中に落とした汚れが再び衣類に付着することを防ぐ機能のほか、界面活性剤の働きをサポートする機能があり、少ない界面活性剤でも効果的に汚れを落としてくれるのだそう。
*再付着防止剤
ニットのお手入れはライフスタイルに合わせて
普段着に比べると、お手入れに手間がかかるニット。カジュアルにもキレイめにも装える大切なアイテムなので、素材を把握して洗濯表示を確認さえすれば、家庭での洗濯も可能です。その場合は洗濯ネットや洗濯機のコース選択、おしゃれ着洗い洗剤を選ぶことも重要。また、ネットに入れる場合は、汚れやすい袖口を外側にして畳み、洗濯機のコースはドライコースやおしゃれ着洗いをチョイス。そしておしゃれ着洗剤や柔軟剤は好みの機能や香りのものを選べば大丈夫。コロナ禍が長く続いたあと、やっとランチ会や休日のお出かけも自由度を増してきました。大好きなニットで冬のおしゃれを楽しみましょう。