「宝石ショコラ」で贅沢なひとときを。広島の名店『ショコラトリーエス』が生んだ至福のひと粒 #あなたの街のショコラティエ

料理・グルメ

2023.04.30

「あなたの街」で大人気のショコラティエを訪ねる旅。今回は広島で上品な美しさとダイレクトに響くフレーバーが印象的なチョコレートを見つけました。その名は「ショコラトリーエス」。開店からすぐに人気となったボンボンショコラの名店です。

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オープンから1年半で人気店に!

エントランス広島駅から徒歩10分ほどの好立地にあるショコラトリーエス。

東京や大阪ではなく、ローカルな地で個性豊かなチョコレートを生み出しているショコラティエを探しだす旅「あなたの街のショコラティエ」の6回目にお届けするのは、広島駅から徒歩10分ほどの「ショコラトリーエス」。この連載の中でも1番のアクセスの良さを誇ります。

シェフほっこりとやわらかな表情の白根シェフ。
ところがチョコレートの配合の話になると、一転!職人の表情に変わります。

オープンしたのは、2021年10月16日。気温が下がり始める、チョコレートにとって最適な季節に産声を上げました。「準備を始めたのはコロナ禍の2021年4月頃からですね。」そう柔らかな表情で話すのはシェフの白根誠二さん。

パティシエたち日本を代表する…いえ、世界にも名を響かせるパティシエ界の大スター辻口シェフのもとで
14年間腕を磨いたあとで、満を持して出身地である広島で独立

独立までの14年間、日本パティシエ界の第一人者である辻口博啓シェフのお店「フォルティシモ アッシュ」にて勤務されていたとのこと。
「ケーキや焼き菓子などさまざまな部門がある中、チョコレート部門に所属する4、5名で辻口グループの全てのチョコレートを生産していて、そこで僕は主に辻口シェフとともに新作のレシピ開発を担当していました。」

チョコレートの魅力は「無限」そして…

ラインナップ自慢のボンボンショコラがずらりと並ぶショーケース。
1粒ずつ好きなものを選んで買うことができるのがウレシイ!

「レシピを考えていると、チョコレートの可能性は無限だと実感することが多くて、そのうち『自分のアイデアを全て反映させた1粒を作りたい!』と考えるようになりました。しかし、文字通りビッグネームブランドを担っているので、生産する数や作業にかかる人の数も多く、大規模な生産ラインの中で制限がある事柄もあり…より作品の自由度を高めるために出身地の広島で独立しました。」

オリジナル「なんとなく」ではなく、しっかりと梅と桃を感じることができる、ひと粒に感動!
この美しいマーブル模様とツヤ、独創的なフレーバーのコラボレーションは唯一無二!

そんな白根シェフに「チョコレートの魅力とは?」という質問を投げかけてみると…「もちろん食べておいしい、というのが1番ですが、作り手としては配合を考えることに楽しさを感じます。ボンボンショコラを得意としていますが、おいしさ、日持ち、作りやすさ、全てがイコールではないんですね(笑)。」と苦笑い。

ボンボン美しく個性的なボンボンショコラがずらりと並ぶ。

「それはチョコレートの扱いにくいところでは?」とお聞きすると…
「いやところが(笑)『おいしいけど賞味期限が短いなぁ』『作りやすいけどおいしさがもうひと息』とか、とにかく悩みや苦労が絶えないのは事実なんだけど、でもその時に次の手を考えるのが楽しいんですよ。職人気質っていうんですかね。」

シュー賞味期間内の味の変化を確認するために完成したボンボンショコラから
1粒が保管用に取り分けられていました。
1週間後、2週間後、1か月後と時を経て「よりおいしくなるものもありますよ」とのこと。

その試行錯誤の道のりは誰もが辿れるものではない、険しさと厳しさ…シェフの粘り強い性格の賜物に違いありません。この1粒に、手にするお客さまに対して真摯に向き合う姿勢と、チョコレートへの静かな情熱が力強く込められています。

一瞬のクオリティを高めるために

作業工程ひと口で味わうボンボンショコラ。
その一瞬のために、時間と手間とアイデアを尽くす。

独立をきっかけに、シェフ自身の感性がよりストレートに作品に反映されています。
「例えば組織の中で『普通そんなことやらない』みたいなアイデアを出すと、生産性のことなどを考えて、誰かを説得しなければならない場面も出てきますよね…でも、今は自分だけでトライできるので、存分に試せます。ボンボンショコラが口の中にあるのは一瞬ですけど、今はそのクォリティをより高める環境ができたと思います。」

旅するチョコレート

オリビア2023年ヴァレンタイン&ホワイトデーの限定商品。香川県小豆島で巡り合った有機醤油、レモン、完熟みかん、
エクストラバージンオリーブオイル、ホーリーバジル、蜂蜜を使った個性あふれるボンボンショコラ。

最近ではシェフが旅行先で出会った素材でレシピを考案するのが恒例となり、今年のバレンタインは昨年訪れた小豆島のオリーブオイルや有機醤油のチョコレートがお目見えしました。
オリーブオイルや醤油を使ったチョコレートは他にも色々ありますが、私が味わった中では一番素材が真っすぐ伝わるおいしさ!おそらくガナッシュとの相性や香りの立たせ方に秘策があるはず…。

キッチンこの日はベリーとお花の下準備をされていたようです。

今年の夏には北海道へ旅行される予定とのこと。次のバレンタインには白根シェフの手によって北の大地の恵みがどんなにおいしく美しいボンボンショコラに生まれ変わって登場するのか…今からとても楽しみです。

はじまりはクリスマスケーキのアルバイト

サンプルイメージシェフ曰く「生き方に悩んだ」高校生の頃、楽しく過ごせた場所はクリスマスケーキの工場だった…とのこと。

ところでお菓子の世界にシェフが進んだきっかけは?
「今、思い出しました(笑)。高3の時にクリスマスケーキを作るアルバイトをしていたんですけど、もしかすると最初にお菓子に興味を持ったのは、その時かもしれないです。イチゴのヘタを取るとかケーキをプレスするとか、本当に雑用しかやっていないんですけど(笑)。」

横顔「高校時代は大人しめの生徒でしたよ。」と話す白根シェフ。

「ちょうど学校が好きでなかったり、高校生なりに『生き方に悩む』みたいなこともあって…ひたすら受験に向かっていく教室の中のよりも、バイト先で作業を教えてくれるおじさんが優しかったりとか(笑)そういうのが居心地よくて、ケーキ作りにいいイメージがあったんだと思います。」

季節の花店内のディスプレイには、美しく咲く季節の生花が飾られて…

その後、調理師専門学校に進学し、お菓子の道へ進むことに!結果的に学校や勉強が好きでなかったことが、世界に名をはせる辻口シェフのお店で働くきっかけになったということです。

大切なのは「自分らしく働く」こと

自分らしく

「好きを仕事に!」という言葉は聞きますが、逆の言い方をすれば「嫌いなことには無理をしない」というのも、また真理だなぁ…と、シェフの話をお聞きして思いました。特に好きなことが無くても「これは嫌だな、苦手だな」と思うことはセーブして、心地よく過ごせる環境を探し出すのも「自分らしく働く」ためのコツかもしれません。

yourself

扱う素材ひとつひとつの「らしさ」をとても大切に表現されている、ショコラトリーエス。独立を機に、白根シェフ自身が「自分らしさ」という、とっておきのフレーバーを加えて、ひと粒ひと粒それぞれが「主役」として際立つように、優しい心を込めて作られています。

ショコラトリーエス

サンプルイメージ出典:www.instagram.com

【広島の#宝石ショコラ】 
一粒の幸せを..広島ブランドを発信していますhttps://www.instagram.com/chocolaterie__s/
■営業時間 / 11:00-19:00
■定休日はSNSでご確認ください。
■TEL:082-576-4331
❇︎ 前日までのご予約をお電話にて承ります
■広島市東区尾長西1-6-37 広島駅か徒歩10分ほど
◆斜め向かいにコインパーキング有り
◆通販はこちら chocolateries.stores.jp

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著者

みやむらけいこ

みやむらけいこ

ライター歴20年。「あなたに逢いに行きます」取材ではなく出会い、インタビューではなく会話。わかりやすい言葉で丁寧に「ひと」を伝えます。好きなものは、サーフィンと歌舞伎、主食はチョコレート。#人生はチョコレート

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