「どうだった?」と聞かれましても……
学校での新生活にも慣れてきたこの時期。「学校どうだった?」と聞かれても、よほどのエピソードがなければ何を言えば良いのか迷うものです。
たとえば、妻や夫から「今日仕事どうだった?」「今日は一日どうだった?」とだけ聞かれても「う〜ん、まあいつも通りかな」と答えてしまうのと同じです。
「どうだった?」というような、漠然とした質問に答えるのって、じつはすごく労力がかかる。質問の意図を理解して、ふわっとした一日の全体像を振り返り、面白そうなエピソードを思い出して、話としてまとめて、話す。これは大変です。
でも、学校でのできごとを色々と聞きたいと思うのが親心。
「べつに…」「普通…」しか返事が返ってこないと、勝手に聞いたくせに勝手に心配するなんてことにもなりかねません。
ただ何となく「どうだった?」と聞くのではなく、子どもにとっても答えやすく、会話が盛り上がる質問のコツを考えてみましょう。
相手のことを知らないと、いい質問はできない
僕は普段、いろんなインタビュー(取材)を受けます。
ところが、インタビューをしてくれる人によって、答える僕も面白く盛り上がったり、まったく盛り上がらないでお決まりの定型文のような解答で終わってしまうケースとがあります。
面白く盛り上がるインタビュアーとは、どんなインタビューをするのでしょうか。
それは「話し手の状況をよく把握している」ということ。
僕であれば、普段色んなメディアやブログなどで何度も話していることはすでに調べ済みで、その上で「いつも〇〇と言ってますが、〇〇という人もいると思うんですが、それについてはどう思いますか?」など、一段深い質問をされると、こっちも頭フル回転で一生懸命答えます。
子どもであれば「昨日、国語の宿題で困ってたけど、今日の授業はバッチリだった?」「今日のプールは息継ぎの練習だって言ってたよね。息継ぎ上手にできた?」など。
きっと、普段でも何気なくこうした質問をしていると思うのですが、このように前提を知ったうえで質問することを「意識的」にすると、子どもも答えやすく、普段の会話が盛り上がりやすくなります。
普段からこうした質問がさらりとできるようになるには、子どもの状況を色々と把握しておく必要があります。
普段子どもとコミュニケーションを取るヒマがないというパパさんは、事前にママから情報を仕入れておくなど気をつけないと「パパと話してもつまらない」「パパと話すと怒られたような気持ちになる」なんてことにもなりかねません。
漠然とした質問には漠然とした答えが返ってくるように、具体的な質問ほど、面白い解答を引き出すことができます。
詰問や尋問にならないように気をつける
質問は、何度も繰り返すことで会話が膨らんでいきます。
「今日は体育の授業で野球やったんでしょ。ピッチャーやりたいって言ってたけどできたの?」
「いや、外野だった」
「そうだったんだ」←と、ここで終わってはいけません。「外野はボール飛んできた?」「バッターはどうだった?」「ピッチャーは誰がやったの?」など、次の質問へと会話を膨らませていきます。
そうするうちに、話しは色んな方向へと行き、子どもから話したいエピソードが出てきたりするのです。
ところが、この質問を繰り返すことが詰問や尋問になってしまうと、困ります。
「ピッチャーやりたかったのにちゃんと言わなかったの? なんで言わなかったの? 言わなきゃできないのは当然じゃない」
なんて具合に、質問のつもりがいつの間にか子どもを責めていたり、聞いてもないアドバイスを等々と述べていたり(…やりがちだなぁ)、望む答えが返ってくるまでしつこく聞いてしまったり。そうすると、会話はとたんにつまらなく、面倒なものになってしまいます。
と、いうことで。
今回は子どもとの会話の質問力についてでした。子ども相手はもちろん、夫婦の会話でも大切なことだと思うので、会話がすぐ終わっちゃうという方は少し意識してみるのをおすすめします。
ではまた。