ギャンブルやアルコールだけじゃない!人間関係に潜む「依存」の危険性とは?【ココロととのうメソッド】

カルチャー

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2024.07.13

「依存」という言葉から主に連想されるのは、賭け事やお酒、ドラッグ、そして最近ではスマホも挙げられることが多くなった。 しかし、それらよりもずっとココロを蝕み(むしばみ)自信を無くし、ついには自分軸を失うのが、「人間関係への依存」。 自分の人生を自分で歩むために、つい癖になっている「誰かのための気配り」「いい人症候群」から脱出して、ほどよい距離感を保てるワタシになろう。

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夢はなんですか?

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とある30~50代女性グループの座談会で「あなたの夢や願い事は何ですか?」と聞いたことがある。
「息子の志望中学合格」「バレエの発表会で次女がソロを踊ること」「わんこがママになってくれたら」「母の退院」と続き、「ええっと……『あなたの夢』なんだけど。」と、つい水を差してしまった。

自分の時間を過ごせていないから?

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メンバーに主婦の方が多かったから、つい、自分の生活の真ん中になっている子どもたちやペット、家族の幸せを願って、合格やソロ、子犬の誕生や健康の回復を願うのは当然のこと。
だけど、やっぱりもっと「自分」を大切にしてほしいな、という気もした。

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かくいう当時の私も、勉強が苦手な長女の行く末にひたすら気をもんでいて、もっぱらの悩みは彼女のこと、そして1番の望みはその大学進学だったのだから、座談会のみんなと同類だ。娘の進学問題に執着していた、と思う。

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それに加えて、自分のための時間を生活の中で取ることができない期間だったこともあり、「ワタシ」をちゃんと生きてないことも原因だったのでは? と、思い至った。

どこにでも潜む依存

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依存と聞くと、冒頭に書いたようにギャンブルやアルコール、ドラッグを思い浮かべる人が多いはず。しかし、一番恐ろしいのは、実はヒトに対する依存である。

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ドロドロ系のドラマやコミックの女性登場人物(最近ではこのタイプが主役であることはほぼ無い)が「あなた無しでは生きられない! 別れるなら死んじゃう!」と叫ぶシーン。あれが典型的な「彼に依存している女子」の姿だ。

相手が誰でも発生する依存と絶望

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たとえ我が子であっても、その人生に親が執着してはならない、と気づいた経験から、同じ沼にはまっていたり、足を取られそうな人を見るとつい「それあかん! 危険やで。」と声をかけてしまう。文字通りの老婆心からだが、それほどまでにヒト依存の沼は吸引力が強い。

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お互いの望みが叶えられている時はとてもいいけれど、目指す方向にズレができたり、結果が出ないと途端に関係が破綻してしまう。恋人同士なら別れという選択肢があるが、親子の場合はそうもいかない。夢はふたりでひとつ、にしない方がいい。

気配りのし過ぎで……

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もちろん家族は大切だし、恋愛関係のパートナーは愛しい。友人とは気の置けないいい関係を続けていきたいし、職場の人間関係だって円滑に過ごしたい。

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そう思うと、つい自分のことよりも家族や彼氏、友人の都合を優先し、職場では周りの意見や顔色を常に観察する癖がついて、自分の言いたいことも言えず……というような振る舞いが癖になっている人はいないだろうか?

(都合の)いい人にならない。

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気配りが美徳の日本人にとっては、自分を出さずに周囲に行動や言動を合わせる人が「いい人」だとされてしまう。
「いい人」といういい方を敢えてしたけれど、実はこの「いい人」は、良いヒトではなく単に「便利」なだけ。いい人の前に「都合の」が付くことを忘れてはいけない。誰かのためだけではなく、もっとしっかり「自分」を生きよう。

「好き」だからこそできること

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もしも、子どもや家族、パートナーなど……ヒトに執着があるな、と自覚しているのなら、それを1番スムーズに手放せるのが「好き」という感情。相手を「好き」だからこそ、相手の思うように自由に好きにさせてあげることこそが愛情だ、と捉えてみる。可能であれば、相手にそう言葉で伝えてみる。そうして自分のココロの中に相手への思いを注ぎ込めば依存状態から脱出できる。

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例えば、子どもに本当に志望校に進学したいのかを今一度話し合い、その思いに耳をすませてみる。充分に相手の思いを聞いてから応援する、というスタンスなら、例えば受験を辞めても失敗しても絶望なんかしない。「〇〇ちゃんのことが大切だから、これからも応援するよ。」と言えばそれでいい。

もっと「自分」に近づこう

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そして、自分の「好き」なことも大切にする。できれば、ひとりでできることがいい。誰かを誘わなくても、思い立ったときにいつでもできること。読書やカフェ巡り、推し活も楽しいし、ドラマや動画にひたすら没入したり、ネイルやメイクの研究をするのもいい。

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自分の「好き」が充実していると、大切な人たちや仕事ともほどよい距離で向き合うことができ、依存状態からは遠のくことができる。

一心同体ではなく……

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どんなに大切な相手でも、一心同体では幸せになれない。「ふたり」だからこそ相手を思いやり、尊重し合い、愛し愛されていることを実感できて自信が持てるというもの。自分のために、誰かのために、ワタシをもっと幸せにすることをまずは優先してから、目の前の人を大切にしよう。

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著者

みやむらけいこ

みやむらけいこ

ライター歴20年。「あなたに逢いに行きます」取材ではなく出会い、インタビューではなく会話。わかりやすい言葉で丁寧に「ひと」を伝えます。好きなものは、サーフィンと歌舞伎、主食はチョコレート。#人生はチョコレート

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