今回お話をしてくれたのは馬渕知子先生!
東京医科大学医学部卒業後、マブチメディカルクリニックを開院。内科学・皮膚科学が専門であるが、院長を務めるかたわら大学で栄養学を教えることもあり、多面的に人間の体を総合的にサポートする医療を推進しています。
お肌の曲がり角って結局いつくるの?
よく聞く“お肌の曲がり角”っていったいいつだと思いますか?30代になると「20代の肌は違った(きれいだった)」と、感じる方、多いのでは?馬渕先生に伺うと「20〜25歳頃までは肌の細胞がしっかりと活性化していて、肌の新陳代謝も活発。ただし20~25歳をピークに、細胞の新陳代謝は鈍っていくことが多いのです。
自分自身が元々もっている肌のバリア機能、たとえば天然の保湿クリームのような役割をする皮脂膜の形成や皮膚の各種機能が低下傾向になります。とは言え、実際に『化粧ノリが悪くなった』とか『シミ・シワが増えた』というような老化を感じるのは40歳前後かと思います。できれば20代後半から、遅くとも30歳前後からのケアは重要。
特に徹底すべきなのは、紫外線対策と保湿。もちろん、生活習慣も大きく影響するので、睡眠や食事にも少し気を配るようにしたいですね。多くの方に現れる30代後半~40歳前後からの明らかな“お肌の曲がり角”を最小限にするために、30歳前後からは基本的なケアを怠らないことが大切です」。
出産後の過ごし方が肝心
妊娠・出産で肌質の変化を感じる人も多いと思います。「おなかの中で命を育み、出産後も母乳で育てれば、1年半近くも栄養を赤ちゃんに注ぐことになります。言い方を変えれば、赤ちゃんに栄養を奪われっぱなしです。この時期に、スキンケアを怠っていると、一気に肌のエイジングが加速してしまいます。
肌表面の表皮や皮脂膜がバリアを形成して、外部の刺激から肌を保護していますが、産後はこのバリア機能が低下することがあります。ただでさえ、外部からの刺激に弱い状態。無理なダイエットが肌トラブルを招くように、ここでしっかり内と外から栄養補給をしないと大きな肌トラブルに発展しかねません」と馬渕先生。
タンパク質・ミネラル・鉄分…子どもに吸い取られてしまう妊娠〜授乳期こそ、たっぷり栄養を!
妊娠〜授乳期は特に栄養をたっぷり摂ることが大切です。「体の土台となるタンパク質のほか、鉄分や亜鉛などのミネラル類も意識して積極的に摂る必要があります。肌の新陳代謝をサポートしてくれる、タンパク質やビタミンA類も欠かせません。タンパク質は大豆製品や魚、肉類。ビタミンA類は、人参、かぼちゃ、ほうれん草など緑黄色野菜にも豊富に含まれています。」
● タンパク質・鉄や亜鉛を始めとするミネラル類…子どもの成長・発達にも重要な栄養成分。自分自身の健康や美容にも不可欠なので、妊娠〜授乳期こそ、たっぷり栄養を!
「ナッツ類やアボカドも美肌食材として注目すべきです。アボカドは、脂質が多いですが、オレイン酸が多く悪玉コレステロールを抑えることで生活習慣病の予防に役立つ期待がもてます。また、食物繊維も豊富なため、便秘予防のサポートにも。ビタミンEが多いのも特徴で、血行を促進し、性ホルモンの生成にも関わり、抗酸化作用の高いビタミンEは“若返りのビタミン”とも言われています。髪や肌のターンオーバーを助けるビタミンB2・B6・葉酸も含まれており、かなりの優秀食材です。」と、馬渕先生もアボカドをおすすめしていました。
肌の調子が悪いのを出産や忙しい生活、年齢のせいにするのは簡単。でも毎日の食事やスキンケアをちょっとだけでも見直せば、きれいな肌を取り戻せる可能性はあります。年齢にあったスキンケアと食事で美肌を目指しましょう!
文 / 竹腰奈生
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