「インタビューは初心者だけど、しげる、聞きたいことは聞いちゃうから」by.しげる
もとから知り合いだったというおふたり。けど、インタビューというかたちでお話しするのは初めて!
しげる:さっそくだけど、いいかなぁ~?
香川選手:しげるちゃん、普段インタビューとかされるんですか?
しげる:う~ん。。全然しない。
香川選手:大丈夫ですか?(笑)。
しげる:どうだろうね~~(笑)。
…こんなゆる~い感じで始まった香川真司選手へのインタビュー。今や世界トップクラスのチームで活躍する香川選手に、プロを目指していた幼少時の頃のお話、さらになった今だからこそ話せる、夢を持った子供たちやママへのメッセージを聞きました。
中学進学で仙台に。おばあちゃんとの生活がスタート
しげる:真司が生まれたのは神戸だよね。いつまでいたの?
香川選手:小学校6年生までです。中学ではFCみやぎバルセロナに通うために仙台に行ったので。
しげる:(FCみやぎバルセロナに行く)きっかけは何だったの?
香川選手:小学校の時に通っていたチームの監督がFCみやぎの監督が知り合いで、紹介してもらったんです。小学校5年生の冬休みに2週間だけ合宿に参加したんですけど、本当にサッカー三昧で、むちゃくちゃ楽しかったのが印象的でしたね。
しげる:あれ、FCみやぎは中学校じゃないよね?サッカースクール(クラブチーム)に入るために仙台に1人で引っ越したって事?
香川選手:そうですね。中学校はまた別(仙台市立八乙女中学校)だったので、学校に通いながらクラブに行っていました。
しげる:ってことは中学校から親元を離れての生活だったんだね。。偉い。
香川選手:最初の半年間はクラブ関係者の人の家にホームステイしたんですけど、半年後に神戸からおばあちゃんが来てくれて、そこからの2年半はおばあちゃんと二人暮らしでした。
しげる:そうなんだね~~!じゃあその頃の真司はご両親というよりは、おばあちゃん子だったんだね。その頃の真司は、一緒にいたおばあちゃんや、神戸で暮らしているご両親からは『こういう人でいなさい』みたいな事を言われたりしてたの?
香川選手:家族、特におばあちゃんから毎日のように言われていたのは“感謝の気持ちを持ちなさい”ですね。本当にいろんな人に支えてもらってサッカーができている。それは絶対に忘れちゃいけないって。
しげる:わかる~、しげるも言われてた(笑)。感謝の気持ち忘れちゃいけないって、大人になってから特によくわかる。
香川選手:そうですね。その気持ちは今も変わらないですし、当たり前のことだと思うんですけど、子供の時は分からないから、しょっちゅう言われてました。ただ思春期だったので、よくおばあちゃんともケンカもしてましたけど(笑)。
恋愛よりサッカー一筋! 目標に対してストイックだった子供時代
しげる:中学時代にサッカー留学なんて、小学校の頃からプロのサッカー選手になりたいって夢を持っていたの?
香川選手:はい。だけどまだ小学生だったので、漠然と“Jリーガーになりたい! 日本代表になりたい!”って、ただそれだけでした。だから、プロになるにはどうしたらいいのかな? 仙台に行ったらなれるんじゃないかなって? って自分なりに考えて、仙台に。
しげる:逆に、いつくらいから『絶対にプロになれる!』って考えるようになった?
香川選手:具体的に想像できるようになったのは高校生くらいかな。全国大会とかに出だして、少し活躍できるようになると“自分にもプロになれるチャンスがあるのかもしれない”って思うようになりました。
しげる:昔もそういう話しを聞いた事あったけど、真司って、小中高と真面目にサッカーしかしてないよね! お友達のサッカー選手から『すげ~真面目な奴だよ』って昔は紹介されたもん。
香川選手:昔ね(笑)。今はどういう評価か、聞いてみたいな…。
しげる:あ。。今の?それは、この場では言えない(爆笑)
香川選手:あっはっはっはっはっ!(笑)
しげる:お友達と遊びに行ったりとかも、ほとんどしてないでしょ?
香川選手:そうですね。サッカーのためだったら、それこそ“恋愛禁止、サッカー一筋”みたいな気持ちでいました。じゃないとプロにはなれないって思っていたので。
しげる:そうだね~。。そこまでやらないとプロの世界にはいけないと思うのね。遊びの誘惑ばかりだとダメになっていっちゃう。
香川選手:適度な遊びは必要だと思いますよ。割合でいったら9:1とか8:2で頑張れればいいと思います。夢を持って頑張っている子も思春期を迎えますから、好きな子ができたりするのは当然だと思いますし。実際、僕も中学校の頃には好きな子ができて、付き合ったこともありました。ただ自分の場合、サッカーの調子が悪くなると。それ(恋愛)がいけなかったと思って、手も繋がないうちに別れましたけど…。
しげる:そういう真司の過去を思いながら、これからは応援しますね(笑)
子供の「やりたい!」という気持ちを、親御さんには見守っていてほしい
香川選手:子供っていろんなことに興味を持って、チャレンジできるじゃないですか。だから、その中でいつか自分の夢を見つければいいと思うんです。サッカーでも野球でも、まずは自分でやってみたり、テレビのアイドルに憧れたりって色々ありますけど。そうやっていろんなことを見たり経験したりして、“自分もこうゆう風になりたいな”って思うことが大事じゃないかなって思います。それで夢が見つかった時には“夢を持ち続けて、それに対して努力とチャレンジを続けること”を大事にしてほしいですね。自分も小・中と変わらずサッカー選手になりたいって夢を持ち続けて努力を続けた結果、今があるので。
しげる:香川真司も、小さいお子さんから『自分もこういう風になりたいな』って思われている1人でしょ!! 今、子育てをしているママたちも、きっとお子さんに夢を実現させてあげたいって思ってると思うけど。。そんなママたちへ夢を叶えた真司からアドバイスはあるかな?
香川選手:中学校から仙台に送り出してくれたように、僕の両親は僕が真剣にやりたいことに対して何一つ文句も言わずにサポートしてくれました。今の自分があるのはそんな家族の応援があったからことなので、本当にありがたいと思っています。そういった環境で育った僕から言えるのは、子供のやりたい事を応援して、サポートしてあげることが大事ということ。今は親が“出すぎる”って聞くことも多いので、より一層そう思いますね。
しげる:そうだね~、心配だからこそ「出すぎちゃう」っていうのわかる。。
香川選手:子供を大事にしてるからこそ“うちの子が、うちの子が”みたいになると思うんですが、そこは一歩下がって、子供が夢中になっていることや、やりたいことに対して頑張っていることを素直に応援してあげることが一番大事だと思います。もちろん、道を外せば教育してあげることも親の役目だと思います。僕はそうやって育ってきたので、自分が親になった時は、子供も自分と同じように育てていきたいなって思っています。
しげるのまとめ
少年の頃に憧れを抱いた夢
「プロサッカー選手になりたい」
という想いを持ち続けて
友達と遊びたい・恋愛もしたい。。
いろんな「したい」を封印し、
ずっとサッカーと向き合い続けた香川選手。
そして、そんな彼の気持ちを信じて、出すぎずに、
やりたい事をやらせてくれたご両親の心の強さ。
大人になった今でも思う事ですが
「ぶれずに自分を信じて夢をカタチにしていく事は簡単ではないです」
それでも
「将来、サッカー選手になりたい」
と夢を話してくれた時に、頭から反対するのではなく
その夢を一緒に応援してあげられる、
そんな大人でいたいと心から感じた取材になりました。
香川さん:ダンガリーシャツ、セーター しげるさん:ボーダーパーカー、NAVYカットソー/すべてstandard california
Profile
香川真司(かがわ・しんじ)
1989年兵庫県生まれ。4歳からサッカーを始め、中学入学と同時に仙台へサッカー留学。17歳でセレッソ大阪に入団し、プロサッカー選手へ。2010年にドイツのチーム「ボルシア・ドルトムント」に移籍。'12年にイギリスのチーム「マンチェスター・ユナイテッド」への移籍を経て、'14年「ボルシア・ドルトムント」に復活。
撮影/吉岡サンペイ 取材/しげる 文/山下敬三
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