「洗濯槽の黒カビ」や「強い香りによる香害」に…。知っておきたい“柔軟剤の正しい使い方”

家のこと

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2023.09.12

4児の母で洗濯研究家の平島 利恵です。お気に入りの香りをまとった衣類は、着ている人の気分を心地よくし、日常を豊かに彩ってくれますよね。最近は、衣類の香りづけとして利用されることの多い柔軟剤。しかし、使い方を誤ると、他人にとっては「香害」となることも。衣類の質感や肌触りを損ねることなく、柔軟剤の効果を最大限に活かすためには、正しい使い方が欠かせません。柔軟剤の適切な使い方と香害を防ぐためのポイントをご紹介します。

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「香害」を知っていますか?

香害が新たな社会問題となっています出典:www.photo-ac.com

「香害」とは、合成洗剤や柔軟剤、化粧品類などに含まれる合成香料(化学物質)によって、頭痛や吐き気など、さまざまな健康被害が誘発されることをいいます。

兵庫県宝塚市教育委員会が市内小中学校の児童・生徒の全保護者にアンケートを実施した結果、8%もの児童・生徒人工香料により体調不良を起こしたことがあると回答しており、新たな社会問題となっています。

香りの感じ方には個人差があるため、ご自身にとっては心地よい香りであっても、他の方にとっては不快感を与えることがあるだけなく、体調不良を引き起こす原因になってしまうこともあります。

「香害」になりうるもののひとつに、私たちの生活に身近な柔軟剤があります。
周りの方に配慮をしながら、柔軟剤を正しく使うにはどうしたらよいのでしょうか。

柔軟剤は衣服を柔らかくする仕上げ剤

柔軟剤の本来の役割は、衣類を柔らかく仕上げるもの

洗濯の際、衣類に付着した汚れ・ニオイを落とすのは洗剤の役割です。
柔軟剤は、衣服を柔らかくして着心地をよりよくするための仕上げ剤。

最近は個性的で魅力的なフレグランス効果の高い製品が増え、「香付け」のために使用する人も多いのではないでしょうか。ですが、香りの強さには注意が必要です。

最近は無香料の柔軟剤も発売されているので、香りに疲れた方は、試してみるのもおすすめです。

柔軟剤を使うメリット

  • 衣類の肌触りが良くなる
  • 摩擦を抑え、静電気防止
  • 花粉・埃の付着を軽減
  • 衣類の絡まり・毛玉などを防ぎ、風合いを保つ
  • シワがつきにくくなる

このように柔軟剤には衣類と繊維を整える役割があります。

洗濯機の中で衣類には摩擦や負荷がかかるため、洗濯をするたび衣類本来の質感は少しずつ失われてしまいます。
柔軟剤を使うことで、衣類の繊維がコーティングされ、柔らかに着心地よく仕上がります。

どんな衣類に使えばいいの?

おしゃれ着など、風合いを損ないたくない衣類をお洗濯する際は、柔軟剤を適切に使用し、衣類の繊維をケアしましょう。
柔軟剤には静電気や花粉などの付着を抑える効果もあるので、アウターに使用するのもおすすめです。

  • おしゃれ着
  • ニット
  • ジャケット
  • ブラウス

Rinennaの柔軟剤は無香料で、衣類ダメージを背にから改善しますRinennaの柔軟剤は無香料で、衣類ダメージを繊維から改善します

柔軟剤を使わないほうがいいもの

  • タオル
  • 撥水・耐火加工されているもの
  • マイクロファイバー

吸水性が落ちたり、撥水・耐火性を損ねる恐れがあります。
タオルをふわふわに仕上げたい場合は、規定量より少なめの使用がおすすめです。

柔軟剤でニオイの元は落とせない!

ニオイを落とすのは柔軟剤の役割ではなく、洗剤の役割です出典:www.photo-ac.comニオイを落とすのは柔軟剤の役割ではなく、洗剤の役割です

いい香りの柔軟剤を使ったはずなのに衣類が臭う…それは、洗濯の際に落とし切れなかった雑菌が原因です。

消臭成分が配合された柔軟剤もありますが、衣類そのもののニオイを落とすのは、洗剤の役割です。

洗濯時に、衣類を詰め込みすぎたり、すすぎが足りなかったりすると、衣類に汚れや雑菌が残ってしまいます。
服のニオイが気になる方はまず「洗濯物の量」と「すすぎ回数」を見直してみましょう。

  • 洗濯物の量:洗濯槽の8割程まで(ニオイが気になるときは5割程)
  • すすぎ回数:2回以上(1回すすぎOKの洗剤をお使いの場合も、2回以上推奨)

衣類の嫌なニオイを消すために、柔軟剤を多めに入れるのは絶対にNGです。

柔軟剤が多すぎると洗濯の際にすすぎきることができず、それが汚れとして蓄積され、雑菌を繁殖させる原因となります。雑菌により、衣類がさらに臭くなり、また柔軟剤を増やし…と洗濯の負のスパイラルに嵌ってしまいます。

洗濯槽にも柔軟剤の成分が残ってしまうため、黒カビが繁殖しやすくなります。

ニオイが気になる衣類を洗うときには、柔軟剤の香りでごまかすのではなく、衣類のニオイそのものを洗濯でしっかり落としましょう。

 

「香り」についてもう一度考えてみませんか?

誰かを苦しめない、香りのまとい方を考えよう

香りは古くから、心や身体を癒すためにも使われてきました。
今、化粧品や洗濯洗剤、柔軟剤など様々な日用品に広く香料が使われるようになりましたが、もう一度香りについて考えるときが来ているかもしれません。
誰かを苦しめない、香りのまとい方を考えてみませんか?

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著者

平島利恵プロフィール

平島利恵

大学卒業後、株式会社リクルートに入社。じゃらんのEC事業に携わり、株式会社マクロミルへ転職。東日本大震災をきっかけに布おむつ専門店を立ち上げ、EC 事業を展開。2013~2015 年NY 在住中に揉み洗い不要のつけ置き洗剤の着想を得て帰国。株式会社 Heulie 設立。洗濯洗剤と布ナプキンブランド”Rinenna”を展開。洗濯研究家として、「洗濯の正攻法を伝授する」ことを自身のミッションに掲げる。TV、雑誌等のメディアへの出演多数。四児の母。

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