教えてくれたのは……洗濯ブラザーズの茂木貴史(もぎたかし)さん
毎日の洗濯を楽しくハッピーにするために活動するプロ集団で、茂木貴史、茂木康之、今井良の3人で洗濯ブラザーズを結成。横浜と東京都世田谷区の三宿で、クリーニング店「LIVRER(リブレ)」を経営するかたわら、劇団四季、シルク・ドゥ・ソレイユ、クレイジーケンバンドなどの国内外の有名アーティストの衣装クリーニングを行う。
大丸松坂屋百貨店が運営するサブスク型ファッションレンタルサービス「AnotherADdress(アナザーアドレス)」で貸し出される高級ブランド服のクリーニングを確かな技術で一手に引き受ける。オリジナルのナチュラル洗剤も開発し、好評を博している。
主な著書に、9万部突破のベストセラー『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』がある。
『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』(アスコム刊)
著者:洗濯ブラザーズ
定価:1,540円(税込)
洗濯物×洗剤にも相性があった! 3つのNGな組み合わせ
洗濯物をよりキレイに仕上げるためには、洗濯の仕方だけではなく「洗濯物と洗剤との相性」もポイントのひとつです。下記の3つの組み合わせは相性がよくないので、日ごろの洗濯の参考にしてくださいね!
1.「おしゃれ着」×「デイリー用の洗剤」
ウールやシルク、レーヨンなど、デリケートな素材でできたおしゃれ着に「デイリー用の洗剤(弱アルカリ性)」を使ってしまうと、トラブルや失敗する可能性が高いです。
弱アルカリ性の洗剤は洗浄力が強いので、どうしても生地へのダメージが強くなってしまいます。生地によっては縮みやすくなったり、色が抜けやすくなったりするので、おしゃれ着には使わないようにしましょう。
洗濯の前に必ず洗濯表示を確認して、衣類がおしゃれ着かどうか判断してくださいね。
2.「日常的な洗濯物」×「おしゃれ着用の洗剤」
その逆の組み合わせで、日常的な洗濯物に「おしゃれ着用の洗剤(中性)」を使うと、汚れが落ちにくいというデメリットがあります。
繊維にやさしい中性の洗剤は、弱アルカリ性の洗剤に比べて洗浄力がマイルドです。汚れやニオイなどが十分落とせずに衣類に残りやすくなってしまうので、デリケートな素材のものでなければ、弱アルカリ性の洗剤を使うのがベターです。
3.「タオル・インナーウェア」×「柔軟剤」
皆さんに意外と知られていないのですが、「タオル・インナーウェア」と「柔軟剤」も、相性がよくない組み合わせです。
生地にやわらかい質感を与えることが柔軟剤を使うメリットですが、生地自体を油膜でコーティングすることになるため、吸水性が落ちて汗や水などを吸収しにくくなってしまいます。
柔軟剤を入れて、ほかの日常の洗濯物とタオルを一緒にまとめて洗濯している方も多いかもしれませんが、吸水を目的としたものに関しては柔軟剤を入れずに洗濯するのがおすすめです。
タオルと日常的な洗濯物をまとめて洗うときにやっておきたいこと
じつは、タオルとほかの日常の洗濯物を一緒にまとめて洗濯すると、また別の弊害も生じます。
前回の記事でご紹介したように、汚れをキレイに落とすためには「水量」がポイントになるのですが、タオル自体が水をかなり吸収してしまって全体で使える水量が減ってしまうんです。水量が減るということは汚れを十分に洗い流すことができないので、洗濯機の効果を最大限に使えていないことになります。そのため、私はいつもタオルはタオルだけで洗うようにしていますよ。
とはいえ、タオルだけで別にするのは面倒なので、まとめて一緒に洗いたいという方もきっと多いですよね。
そんなときにおすすめなのが、「タオルは洗濯機に入れる前に濡らしておく」という方法です。
自動設定の場合、洗濯機の水量は洗濯物の体積ではなく重量で決められています。タオルに水分を含ませることによって重さが出るので、水量を自動的に増やしてくれるんです。ほんのひと手間の工夫で、水量をしっかり確保しながら洗濯できますよ! 全部まとめて洗っていて、汚れ落ちが悪いことが気になっている方は、ぜひ試してみてください。
茂木さんに、洗濯物と洗剤の相性についてご紹介いただきました。これからも毎日のようにずっと続く洗濯ライフ。より快適に過ごせるように、ぜひ取り入れてみてくださいね!