ランドセルの選び方から考える、親子のズレ
平成初期までは「女の子は赤、男の子は黒」と決まっていたランドセル。
年々カラーが増えていき、今はグラデーションのように多彩なバリエーションが揃えられています。
先日見かけたランドセルのCMが印象的でした。
子どもがランドセルを選ぶ様子を親が別室のモニターで見守る。「子どもはなんとなくこれを選ぶだろうな~」「(男の子だし)赤やピンク以外だったらいいなあ」と思いながら見ています。
子どもは「親が選んでほしそうなもの」という指示で選ぶターンと、「自分が本当にほしいもの」で選ぶターンがあります。
前者のターンで、子どもたちはドンピシャで親の予想通りのものを選びます。
そして後者のターンでは、親が予想していなかった思い思いの色をニコニコの笑顔で選ぶんです。
「女の子だから赤」という固定観念は少なくなったものの、「なんとなくこの色にしてほしい」「うちの子はこれが好きだろう」という親の思いは時代を経ても変わらず、子どもはそれをしっかりと察知しているんだなあ、と感じました。
「なんとなくこうなんだろう」と親が思う一方で、子どもが全く違う考えをもっていることは多々あるでしょう。
特に世代間のギャップ、親子のズレが表れやすいテーマを見ていきます。
「令和」と「平成」何が違う?
放課後の過ごし方について
平成でもゲームボーイやDSが人気でしたよね。
子どもがゲームに夢中になるのは今も一世代前も変わりません。
しかし違うのはそのやり方。
今は誰かの家や公園で集まって通信するのではなく、オンラインでチャットしたり、LINEを繋げながら遊ぶのが主流。
コロナの影響が3年以上続き、色んな指示が飛び交い、生活様式に変化があったのも一因となっているでしょう。
外で運動するよりも、家でPCに向き合う時間の方が楽しいと感じる子も増えています。
親としては部屋にこもってゲームするよりも、外で遊んでくれたほうが健康的では?と思いやすいのですが、子どもには子どもの築いてきた時間や空間があるんですね。
ゲームとの付き合い方は家庭それぞれですが、周囲の子と楽しく遊ぶ時間は大切にしていけるといいですよね。
勉強(課題)や作業の取り組み方
スマホやタブレットがここまで普及していなかった時代、勉強はまめにコツコツやる子が実を結ぶイメージがありましたよね。
ですが今は、いかに要領よく要点を抑えるか、効率的に作業できるかが重視されやすくなっているよう。
「そんなに早く終わって大丈夫?もっと丁寧にやれば?」と親が促しても、「どうしてわざわざ時間をかけなければいけないのか」と思う子も多いんです。
手早くちゃちゃっとこなしていると「手を抜いているのでは?」と感じるかもしれませんが、子どもなりに効率よくこなす術を身に着けているようです。
子どもの取り組み方に関心と理解を示しつつ、より効果的な学習方法を伝えていくのもよいでしょう。
恋愛について
この点は親のタイプや性格も影響しますが、思春期は特に過敏になりやすい時期。
一世代前は、彼氏・彼女がいる子や異性からもてる子が憧れの存在でしたよね。
今は必ずしもそうではなく、男友達ともフラットに仲良くできる子や恋愛をしていなくても自分をしっかり持っている子も尊敬の対象になりやすいよう。
たとえば最近聞いた話をひとつ紹介します。
女子高生の子が、「二人で仲良くしている異性がいる」と家族に伝えたとき、おばあちゃんは「相手の子はきっとあなたのことが好きなんだよ」と言ってきて、母親には「いつか付き合えるといいね」と言われ、違和感を感じたと言います。
その子自身は実際、どんな人にも恋愛感情を抱いたことがなく、仲良くしている相手の子は、自分の恋愛対象を男女で区別していないそう。
平成世代が昭和世代に対し「古い考えだなあ」と感じるのと同様に、令和世代も平成世代に「わかってないなあ」と感じるのは避けられないものだと思います。
「男女」と聞くと「恋愛」と結びつけてしまうのも、そのひとつかもしれません。
親子で会話を重ねる中で、新しい価値観を少しずつアップデートしていけるといいですよね。
〈参考資料〉
セイバン公式HP https://www.seiban.co.jp/lp/kimigasuki/