「便秘」の放置NG!日常生活のなかですぐ始められる便秘の予防・改善策

心と体

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2024.07.14

便秘を日常生活のよくある不調だと思って放置していませんか? じつは長引く便秘は動脈硬化が関係する病気や、心血管疾患などの大きな病気の発症リスクを高める可能性があるんだそう。そこで今回は医師である松生恒夫先生に、”毎日の生活の中ですぐに始められる便秘の予防・改善策”について教えていただきます。

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教えてくれたのは……松生恒夫(まついけつねお)先生

松生クリニック院長。医学博士。東京慈恵会医科大学卒業後、同大学第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診察部長などを経て、2004年より現職。日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本消化器病学会認定専門医。『老いない腸をつくる』『老いない人は何を食べているか』など著書多数。

「便秘症」を改善するために見直すべきこと

機能性便秘は、さまざまな要因によって引き起こされます。糖尿病や甲状腺機能低下症といった病気や、服用している薬などが原因で便秘症になることもあるため、持病がある人はまずかかりつけ医に相談することが大切です。しかし、病気や薬などの要因が考えにくい場合には、生活習慣が便秘症の発症に大きく関係している可能性があります。

便秘症を改善するには、食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直すことが基本になります。
毎日の生活のなかで便秘を予防・改善する方法や、便秘対策におすすめの食べものについて、医師の松生恒夫先生に詳しく教えていただきます。

【便秘改善策1】排便習慣を整える

トイレ画像出典:www.photo-ac.com

食事は1日3食、できるだけ同じ時間帯に摂り、生活リズムを整えることが大切。
特に朝食は胃や腸を刺激し便を送り出す排便反射を促しやすくするため、しっかり摂りましょう。
便意を感じやすい朝食後にトイレに座る習慣をつけると、排便習慣を整えやすくなります。便意を我慢すると便が硬くなったり、便意を感じにくくなったりするので、朝はゆとりをもってトイレに行く時間を確保するのがおすすめです。

【便秘改善策2】食物繊維をしっかり摂る

サラダ女性画像出典:www.photo-ac.com

便秘の原因が食物繊維の接種不足にある場合は、食物繊維をしっかり摂ることで症状が改善することも。
1日当たりの食物繊維の接種目標量(18~64歳の場合)は、男性で21g以上、女性で18g以上とされています[出典4]。
若い世代では、食物繊維摂取量が不足しがちなので[出典5]、果物や野菜、海藻類、豆類など食物繊維を含む食品を積極的に摂ることが大切です。

キウイフルーツによる便通改善効果とは?

果物の中でもグリーンキウイは食物繊維が豊富で、可食部100g当たり2.6gの食物繊維を含んでいます。
キウイフルーツの食物繊維は水分を吸収して大きく膨れる性質があり、りんごやオレンジなどの食物繊維と比べて保水力が高いとされています[出典6]。

キウイ画像出典:www.photo-ac.com

実際に、健康な人に2個のグリーンキウイを摂取してもらい、MRI検査で食後の腸の様子を観察した研究によると、キウイフルーツを摂取したあとでは小腸や上行結腸(小腸に近い側の大腸)の水分量が多く、大腸内の便のカサが増えることが明らかに[出典7]。

また、中国で行われた研究によると、慢性便秘症の人に1日当たり2個のグリーンキウイを4週間にわたって摂取してもらったところ、自発的な排便の頻度が上昇し、便秘のつらさや排便習慣の満足度が改善したと報告されています[出典8]。

さらに、米国で行われた同様の研究でも、グリーンキウイを毎日摂ることで自発的な排便の頻度や便の硬さ、排便時のいきみ、おなかのはりが改善されることが確認されています[出典9]。
このような性質から、キウイフルーツには便通改善効果が期待できると考えられています。

便秘改善は今日からできる健康対策

便秘対策としてキウイフルーツを摂るなら、腸の動きが活発になる朝食時が特におすすめなんだそう。
生のまま手軽に食べられるので、忙しい朝にもぴったりですね。
便秘はよくある不調と思われがちですが、放置していると後々大きな病気を発症するリスクを高めてしまいます。この機会に食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直すことで、便秘しらずの健康的な毎日をお過ごしくださいね。

【参考文献・出典】
[4]厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版),2019.
[5]厚生労働省:令和元年国民健康・栄養調査報告,2020.
[6]Sims IM,et al.: Adv Food Nutr Res 2013;68:81-99.
[7]Wilkinson-Smith V, et al.:Aliment Pharmacol Ther 2019; 49: 759-768.
[8]Chan AOO, et al.: World J Gastroenterol 2007; 13; 4771-4775.
[9]Chey SW, et al.: Am J Gastroenterol 2021 ; 116: 1304-1312.

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著者

鈴木杏

鈴木杏

研究機関の秘書を経て、現在は子育てしながらライターをしています。夫の影響でアウトドア好きになり、今ではキャンプ歴も20年に!キャンプに関する情報や生活に役立つ情報をお届けしていきます。

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