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「胃がん」早期発見のために。“胃カメラ”と“バリウム検査”の違いを医師に聞いた

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 「胃がん」早期発見のために。“胃カメラ”と“バリウム検査”の違いを医師に聞いた

2024.02.27

「経験者から、苦しい・痛いと聞いた」「胃カメラとバリウムどちらを選択すべきかわからない」など、受けることに対して高いハードルを感じやすい“胃がん検診”。今回は、きくち総合診療クリニックの理事長である菊池大和先生に、胃カメラとバリウム検査の違いや、胃カメラを受けたほうがよい人の特徴について教えていただきました。

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教えてくれたのは……菊池 大和先生

菊池 大和先生出典:kikuchi-geclinic.jp

医療法人ONE きくち総合診療クリニック理事長 菊池 大和先生
平成29年4月11日に「きくち総合診療クリニック」を開院し、令和元年に医療法人ONEを設立。「病気を診て、人を診て、一人でも多くの命をやさしく包み込む医療を提供する」ことを診療基本理念としている。

「胃カメラ」と「バリウム検査」のメリット・デメリット

前回の記事では、胃がんのリスクが高い人の特徴や初期症状について伺いました。

早期発見・早期治療につなげるためには「胃がん検診」を受けることが大切なのだそうです。そこで、胃がん検診の代表的な2つの検査方法「胃カメラ」と「バリウム」の違いを教えていただきました。

胃カメラ(内視鏡検査)

胃カメラ(内視鏡検査)出典:www.photo-ac.com

菊池先生「胃カメラは、医師が行います。内視鏡で直接胃の中を観察できるので、小さな病変でも見つけやすいのがメリットです。カメラが入る際に喉に異物感があり、苦痛や嘔吐反射が起こりやすいことがデメリットではありますが、麻酔薬を使えば苦しさを軽減できます。
口からカメラを入れる経口内視鏡と、鼻からカメラを入れる経鼻内視鏡があります」

バリウム検査

バリウム出典:stock.adobe.com

菊池先生「バリウム検査は、放射線技師が行います。胃カメラよりも費用が安く、検査時間も短いので、手軽に受けられることがメリットです。
デメリットとしては、少量の被ばく、誤嚥性肺炎、腸閉塞などのリスクの可能性があります」

早期発見のために、胃カメラを1回は受けたほうがいい人とは

早期発見のために、自分自身で気をつけるべきポイントはあるのでしょうか。

菊池先生「毎日、便を見る習慣をつけることが大切です。もしも黒い場合には、胃から出血しているかもしれません。

胃カメラを受けたほうがよい場合出典:www.photo-ac.com

40歳を過ぎたら、検便もあわせて、1回は胃カメラを受けることをおすすめします胸やけ、胃痛がある場合には、必ず胃カメラを受けるようにしてください。『食べすぎたから』『ストレスだろうから』と、自分で決めつけてはいけません。
また、下記に一つでも当てはまる方も、1回は胃カメラを受けるようにしましょう。

  • ピロリ菌をもっている。
  • 肥満である。
  • 喫煙習慣がある。
  • しょっぱいものが好き。
  • ストレスを感じている。

違和感を感じたら放置しない出典:www.photo-ac.com

女性は、乳がん、大腸がん、胃がんが多いです。
胸やけ、胃痛、吐き気などは日常の中でもよくあることですが、少しでもおかしいと思ったら放置しないことです。いつもと違う胃痛、食欲がないなどは更年期症状にも似ていますが、勝手に思い込まないようにしましょう。症状が1週間ほど長引いたり、1か月に1回以上痛くなったりする場合には、必ず検査を受けてください」

つらそうなイメージのある検査は「受けたくない」と思ってしまうかもしれませんが、苦痛の少ない方法を選択できる医療機関もあります。未来の健康を守るためだと前向きにとらえ、定期的に胃がん検診を受けられるとよいですね。

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著者

shukana

shukana

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

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