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食後の“眠気”や“だるさ”は要注意。見逃してはいけない「糖尿病予備群のサイン」

心と体

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2023.09.14

『平成28年国民健康・栄養調査』によると、糖尿病が強く疑われる人は1000万人、糖尿病の可能性を否定できない人が1000万人いるといわれています。糖尿病は初期の自覚症状が少なく、健康診断で「糖尿病の可能性を否定できない人」に当てはまって驚いたという方も少なくないようです。糖尿病予備軍とはどんな状態で、何に気をつけたらいいのでしょうか。糖尿病専門医の田中祐希院長に教えていただきます。

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教えてくれたのは……糖尿病専門医・田中祐希院長

田中祐希先生

「一人ひとりの幸せを応援」しながら、糖尿病専門医による治療を行う。ホームページ内の院内紙にて毎月体験記、旬野菜の糖質オフレシピ、お役立ち情報を公開中。

「糖尿病予備軍」ってどんな状態?

「糖尿病予備軍」ってどんな状態?出典:stock.adobe.com

「糖尿病予備軍は、医学的には境界型糖尿病といい、糖尿病には至っていないけれども、正常ではない状態をさします」と解説するのは、糖尿病専門医の田中祐希院長。

田中院長 「糖尿病予備軍になると、食後の血糖値が高くなりやすく、食後に眠気を感じることがあります。そのまま横になったり、ウトウトしたりしていると、糖がエネルギーとして利用されることが少ないため、食後に急激に血糖値が上昇しやすいというデメリットがあります。場合によっては、食後に急上昇した血糖値が数時間後に急降下して、手の震え、冷や汗、吐き気、倦怠感などを感じることもあります」

女性特有の病気につながるリスクも

糖尿病予備軍かどうかは、75gの糖を含んだジュースを飲む「ブドウ糖負荷試験」という検査で調べることができると田中院長。ジュースを飲む前の血糖値(または空腹時の血糖値)が110mg/dl以上126mg/dl未満のとき、ジュースを飲んで2時間後の値が140mg/dl以上200mg/dl未満のときのいずれかに当てはまる場合は、糖尿病予備軍だと考えられるのだそうです。
糖尿病予備軍(表)参考:日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療ガイド2018-2019, 文光堂, 25, 2018

「“予備軍”なら、まだ大丈夫」と感じる方もいるかもしれません。しかし、田中院長によれば、糖尿病予備軍は十分に注意が必要な状態なのだそうです。

田中院長 「血糖値の急上昇・急下降から心筋梗塞などの心血管病の発症リスクや、認知症のリスクが高まることが懸念されています。なにより、そのまま糖尿病に移行していくリスクが高く、注意が必要です」

そして、糖尿病に進行すると、女性特有の病気に困る場合もあるのだそうです。

女性特有の病気につながるリスクも出典:stock.adobe.com

田中院長 「“糖尿病”という名の通り、高血糖状態では尿にも糖があふれます。尿に含まれた糖は、細菌や真菌(カビ)の栄養源となり、細菌や真菌(カビ)が増殖することによって、膀胱炎や腟カンジダになるリスクがあります。予防としては、毎日入浴・シャワーにより陰部を洗浄することが重要です」

食後の眠気も撃退!糖尿病予防のポイントは?

前述のように、糖尿病予備軍の自覚症状のひとつは、食後高血糖による眠気です。では、食後に血糖値が急上昇しないためには、どうしたらいいのでしょうか?

田中院長のおすすめは、「食後にからだを動かすこと」。ハードな運動である必要はなく、家事をするだけでもOKなのだそうです。

糖尿病予防のポイント出典:stock.adobe.com

田中院長 「食後にのんびりすると、食後高血糖のリスクが高まります。食べ終わったら早めに片付けを始めたり、散歩や買い出しに行ったり、筋トレやストレッチをしたりして、なるべくからだを休めず動かすことがとても大切です」

そのほか、

  • ジュースなどの加糖飲料を控える
  • 炭水化物はおかわりしない
  • 炭水化物+炭水化物の食事は避ける

ことも糖尿病予防に有効だと田中院長はおっしゃいます。

「糖尿病は、いかに早期に治療を始めるかが重要」と田中院長。神経障害、眼の障害、腎障害などの怖い合併症に至らないように、日々の生活でできることから始めていきたいですね。

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