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“生活習慣”を見ればわかる。「糖尿病になりやすい人」の8つの特徴とは

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 “生活習慣”を見ればわかる。「糖尿病になりやすい人」の“8つの特徴”とは

2023.07.02

糖尿病は、決してめずらしい病気ではありません。2019年「国民健康・栄養調査」によると、「糖尿病が強く疑われる」人の割合は、男性では約5人に1人、女性では約10人に1人。男女とも年齢が上がるにつれて割合が高くなることがわかっています。ふだんどのような生活をしていると、糖尿病になりやすいのでしょうか? 要注意の生活習慣と予防のポイントについて、糖尿病専門医の田中祐希院長に解説していただきます。

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連載:40代女性に役立つ健康知識

【連載】40代女性に役立つ健康知識

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もくじ

教えてくれたのは……糖尿病専門医・田中祐希院長
糖尿病ってどんな病気?
糖尿病になりやすい生活習慣とは
CHECK! こんな生活習慣の人は要注意!
今日から簡単に始められる「糖尿病予防のポイント」
ジュースなどの「加糖飲料」を控える
炭水化物はおかわりしない
炭水化物+炭水化物の食事は避ける
食後はなるべくからだを動かす
無理なくできる運動をする

教えてくれたのは……糖尿病専門医・田中祐希院長

田中祐希先生

「一人ひとりの幸せを応援」しながら、糖尿病専門医による治療を行う。ホームページ内の院内紙にて毎月体験記、旬野菜の糖質オフレシピ、お役立ち情報を公開中。

糖尿病ってどんな病気?

おいしいものを食べて、おなかが満たされたと思ったら、なんだか眠たくなってきた……こんな経験はありませんか?
「そういうときは、“高血糖状態”になっている可能性があります」と指摘するのは、糖尿病専門医の田中祐希院長。“高血糖状態”とは、血中のブドウ糖が多い状態のこと。直ちに健康に害が及ぶわけではありませんが、長期間続くと「糖尿病」のリスクが高まると田中院長はおっしゃいます。

血糖出典:stock.adobe.com

田中院長 「糖尿病というと、尿から糖が出ることを心配されがちですが、実際に問題になるのは、血中の糖(血糖値)が高すぎることです。
糖は、人が生命活動を維持するために必要不可欠なものですが、血糖値が高すぎると、血管が狭くなる動脈硬化を起こします。すると、臓器に十分に酸素や栄養が行き渡らなくなり、臓器障害などの合併症が起こります。

 細い血管から障害されやすいため、腎臓・目・神経に、とくに合併症が起こりやすいことが知られています。腎臓の障害は進行すると腎不全に陥り、透析治療が欠かせなくなります。また目の障害が進行すると失明、神経障害が進行すると最悪の場合、足の切断を余儀なくされるケースもあります。」

糖尿病になりやすい生活習慣とは

現在は、糖尿病の治療法は確立されています。とはいえ、初期症状がない人も少なくないそうなので、ふだんから何に気をつけるべきか、知っておきたいものですよね。

そもそも一般的に知られている糖尿病は、1型糖尿病と2型糖尿病の2種類があり、国内で最も多い糖尿病は、遺伝の影響を強く受ける「2型糖尿病」なのだと田中院長はおっしゃいます。

田中院長 「2型糖尿病は遺伝の影響がとても強く、遺伝的な要素に、糖質のとりすぎ・肥満・運動不足が重なると、糖尿病を発症しやすいと考えられています。遺伝的な要素が極めて強い場合は、肥満がなく節制した生活を送っていても、糖尿病になることもあります。」

田中院長によれば、次のチェック項目に複数当てはまる場合は、糖尿病になりやすいと考えられるそうです。

CHECK! こんな生活習慣の人は要注意!

  • 血縁者に糖尿病の人がいる
  • 白米・パン・麺類・いも類をよく食べている
  • ジュースや清涼飲料水など甘い飲み物が好き
  • お酒をよく飲んでいる
  • 外食することが多い
  • 運動や睡眠量が不足している
  • 生活リズムが不規則
  • ストレスフルな生活を送っている

糖質出典:stock.adobe.com

田中院長 「糖質の摂取量は血糖値の上昇に直結するので、糖質が多いせんべいやケーキなどを間食している人も要注意です。」

今日から簡単に始められる「糖尿病予防のポイント」

では、糖尿病を予防するためには、ふだんの生活でどんなことに気をつけたらいいのでしょうか? 田中院長から教えていただいた糖尿病予防のポイントを紹介します。

ジュースなどの「加糖飲料」を控える

飲み物出典:stock.adobe.com

田中院長 「血糖値が上がりやすい飲食物として最も気をつけなければいけないのが、加糖飲料です。液体は吸収がよく、砂糖を加えた飲み物を常飲していると、血糖が上昇しやすく、肥満になりやすくなります。砂糖入りコーヒー飲料をはじめ、スポーツドリンク、野菜ジュース、スムージー、乳酸菌飲料、エナジードリンク、黒酢ドリンクなど、糖質を含む飲み物は、ぜひとも最初にカットしましょう。」

炭水化物はおかわりしない

おかわり出典:stock.adobe.com

田中院長 「次に、主食となる白米や麺は、大盛り・おかわりしないようにしましょう。1人前でも十分すぎるほどの糖質量が含まれています。炭水化物は、とりすぎると食後の血糖値が上昇し、眠気やだるさにつながることがあります。大盛り・おかわりはせず、1人前までにとどめておきましょう。」

炭水化物+炭水化物の食事は避ける

炭水化物出典:stock.adobe.com

田中院長 「『白米+麺』『白米+お好み焼き』などの組み合わせにも要注意です。大盛り・おかわり同様、食後の高血糖につながるため、できるだけ避けましょう。炭水化物は1つまでに絞り、肉・魚・大豆製品などのタンパク質と野菜を組み合わせた食事を心がけましょう。」

食後はなるべくからだを動かす

食後出典:stock.adobe.com

田中院長 「食後は誰しも一時的に血糖値が高くなるものですが、食後2時間以上経っても血糖値が高い状態が続く『食後高血糖』には注意が必要です。食後にのんびりしていると、食後高血糖のリスクが高まるので、食後は早めに片付けを始めたり、筋トレやストレッチ、散歩をしたりして、からだをキビキビと動かしましょう。」

無理なくできる運動をする

運動出典:stock.adobe.com

田中院長 「『運動』というと、始めるには腰が重く億劫になってしまいがちです。まずは今の生活を変えずに無理なくできる運動から始めましょう。通勤や買い物などで歩くとき、歩幅を大きくして早歩きするだけでもOK。有酸素運動の強度が増して脂肪燃焼や血糖値の改善につながるため、とてもおすすめです。」

日々の積み重ねが、明日のからだをつくります。無理なくできることから始めてみましょう!

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