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遺伝だけじゃない。「乳がん」になるリスクが高い人“11個の特徴”【医師から学ぶ】

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 遺伝だけじゃない。「乳がん」になるリスクが高い人“11個の特徴”【医師から学ぶ】

2023.11.18

女性にとって最も身近ながんと言われている“乳がん”。血縁者に罹患した人がいないから自分は大丈夫だと思っている方も少なくないかもしれません。しかし、「遺伝のほかにも、乳がんの発症リスクが高い人にはさまざまな特徴がある」と、産婦人科医の森久仁子先生はおっしゃいます。今回は、「乳がんになりやすい人の11個の特徴」と「注意すべき初期症状」について教えていただきました。

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連載:40代女性に役立つ健康知識

教えてくれたのは……森 久仁子先生

森  久仁子先生出典:www.mori-ladies.com

産婦人科専門医、医学博士。大阪医科大学を卒業後、同大学産婦人科学講座に入局、同大学産婦人科学講座助教、和歌山労災病院をへて、平成25年和歌山市に森女性クリニックを開院。産婦人科としての枠組みだけではなく、女性医療の充実を目指すべく診療を行っている。

女性のがんの中で最も多い「乳がん」

40代以降の女性が罹患するがんの中で、最も多いとされている「乳がん」(※)。年齢を重ねるにつれ、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。乳がんがどのような病気であるのか、年齢によっての罹患率の変化について教えていただきました。

女性のがんの中で最も頻度が高い「乳がん」
出典:www.photo-ac.com

森先生「乳がんとは、乳房にある乳腺にできるがんです。乳房はほとんどが乳腺でできており、乳腺は母乳をつくる小葉と、小葉でつくられた母乳を乳頭に運ぶ乳管にわけられます。乳がんの約90%が乳管から発生する乳管がんで、約5~10%が小葉から発生する小葉がんです。

乳がん罹患率は20歳代後半から上昇し始め、30歳代後半から45歳までは急増し、45歳から69歳までピークが続き、その後は減少します。女性のがん罹患の約22%を占めており、女性のがんの中では最も頻度が高いです。2021年の統計では、女性の部位別のがん死亡数は4位ですが、年代別に見ると30歳~64歳まででは1位になります」

※参考:2019年 日本対がん協会「がんの部位別統計」

乳がんになるリスクが高い人の「11個の特徴」

森先生によると、乳がんにかかりやすい人には特徴があるとのこと。当てはまる人は、乳がんリスクが高いといわれているそうです。

以下、11個の特徴をチェックしてみましょう。

乳がんになるリスクが高い人の特徴出典:www.photo-ac.com

1.初経年齢が早い
2.閉経年齢が遅い
3.出産経験がない
4.初産年齢が遅い
5.授乳経験がない
6.喫煙習慣がある
7.アルコール飲料を摂取する習慣がある
8.肥満
9.良性乳腺疾患を抱えている
10.遺伝
11.ホルモン補充療法(エストロゲン+黄体ホルモン併用療法)を長期的に使用している

森先生「乳がんの5~10%は『遺伝』が関係しています。乳がんにかかった人が自分の親や子や姉妹など遺伝的に近いほど、血縁者のうち乳がんにかかった人が多いほど、乳がんの発症リスクが高くなる傾向にあります。

更年期障害の治療で用いられる『ホルモン補充療法(エストロゲン+黄体ホルモン併用療法)』では、長期的に使用することで、乳がんリスクが増加するといわれています」

年齢をはじめ、月経や出産、生活習慣、遺伝、ホルモン治療など、乳がんのリスクになりうる要因は多岐にわたるのですね。

注意すべき「乳がん」の初期症状とは

「もしかして……」と思ったときに気になるのが、乳がんの初期症状や進行している場合の自覚症状。どのような症状があるのでしょうか?

注意すべき乳がんの初期症状とは
出典:www.photo-ac.com

森先生「主な症状は乳房のしこりや違和感です。乳頭から血性の分泌物がでることや、乳房にえくぼのようなへこみを生じることもあります。乳房皮膚の赤みや腫れ・ただれ・熱っぽさ・痛み、脇の下の腫れやしこりから発見されることもあります」

早いタイミングで胸の異変に気づくために大切になってくるのが、セルフチェックです。具体的にどのようにチェックするとよいのか、次回の記事では「乳がんの早期発見に必要な4つのこと」についてご紹介します。

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