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高血圧になりがちな人“9つの共通点”。今すぐ取り入れたい「4つの減塩対策」とは

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 高血圧になりがちな人“9つの共通点”。今すぐ取り入れたい「4つの減塩対策」とは

2023.07.06

健康診断で血圧の高さを指摘されたことはありますか? 上の血圧が140mmHg、または下の血圧が90mmHgを超えた状態が「高血圧」。アラフォー女性が注意したい健康状態のひとつだといわれています。高血圧になりやすい人に、共通点はあるのでしょうか? 内科医の田中祐希院長に、高血圧になりやすい人の特徴と、予防のポイントを教えていただきます。

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連載:40代女性に役立つ健康知識

【連載】40代女性に役立つ健康知識

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もくじ

教えてくれたのは……糖尿病専門医・田中祐希院長
アラフォー女性は高血圧に気をつけて!
高血圧になりやすい9つの生活習慣
CHECK!こんな人は高血圧に要注意!
高血圧は食事で改善できる。医師が教える「減塩アイデア」
みそ汁・スープなどの汁物を1日1回に減らす
「漬け物」はなるべく食べない
市販の惣菜には、しょうゆやソースをかけない
ドレッシングは「お酢」を多めにする

教えてくれたのは……糖尿病専門医・田中祐希院長

田中祐希先生

「一人ひとりの幸せを応援」しながら、糖尿病専門医による治療行う。ホームページ内の院内紙にて毎月体験記、旬野菜の糖質オフレシピ、お役立ち情報を公開中。

アラフォー女性は高血圧に気をつけて!

アラフォー女性が注意したい生活習慣病のひとつが、「高血圧症」です。
厚生労働省が発表した令和元年「国民健康・栄養調査」によると、女性における高血圧症の有病者の割合は、30代は3.4%、40代は11.8%、50代は26.3%と、40代以降に急に増加することがわかっています。

血圧出典:stock.adobe.com

そもそも高血圧だと、からだにどのような悪影響が及ぶのでしょうか? 「三鷹駅前たなか糖尿病・内科クリニック」の田中院長は、高血圧のリスクについて「血圧が高いと、血管に大きな負荷がかかる」と解説しています。

田中院長 「高血圧のリスクのひとつに、動脈の血管が弾力性を失って動脈硬化を起こし、血管が狭くなってしまうことがあります。血管が狭くなると臓器への栄養が十分に行き渡らなくなり、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞を起こしたり、腎臓へダメージを与えたりすることがあるのです。

いったん動脈硬化を起こすと、血管のダメージを元に戻すことは困難です。そのため、高血圧を予防することが非常に重要です。

軽度の高血圧は自覚症状がないことも多く、“サイレントキラー(静かな殺し屋)”という異名が付けられています。毎年一度は健診などで血圧を測定し、異常があれば血圧計を購入して自宅でチェックしましょう。

自宅での計測は、リラックスしていて血圧の数値が低く出やすいので、上が135mmHg以上、もしくは下が85mmHg以上の場合を高血圧と考えるといいでしょう。」

高血圧になりやすい9つの生活習慣

田中院長によれば、次の項目に多く当てはまる人は、高血圧になりやすいので、ふだんの生活で注意が必要なのだそうです。

CHECK!こんな人は高血圧に要注意!

  • しょっぱい食べ物が好き
  • 運動習慣がない
  • BMIが25以上ある ※BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
  • ストレス過多な生活を送っている
  • お酒が好きで、1日に日本酒1合以上またはビール中瓶1本以上飲んでいる
  • 睡眠時間が1日6時間未満のことが多い
  • 高血圧の血縁者が多い
  • 野菜をほとんど食べていない
  • タバコを吸っている

血圧出典:stock.adobe.com

田中院長 「高血圧の原因には本態性高血圧と二次性高血圧とがあります。二次性高血圧は、甲状腺や副腎などの病気があり、それが原因で高血圧を起こすものをいいます。
それに対し、日本人の大部分の高血圧は本態性高血圧です。本態性高血圧は、食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスや遺伝的体質などが組み合わさって起こると考えられています。家系に高血圧の方が多い際は、自身の血圧にも注意を払っておいた方が良いでしょう。

なかでも注意したいのが、“塩分のとりすぎ”です。血圧を改善するためには、1日の塩分摂取量を6g未満に抑えることが推奨されています。多くの人が、知らず知らずのうちに1日約10g前後の塩分を摂取しているので、1日あたり4〜5gの塩分を減らすことを目標にするといいでしょう」

高血圧は食事で改善できる。医師が教える「減塩アイデア」

和食といえばローカロリーでヘルシーというイメージがありますが、一方で塩分量が高い傾向も。先のチェックポイントに複数当てはまる人は、食べるときにひと工夫するといいそうです。
では、日々の食事のなかで、どのように「減塩」を心がけたらよいのでしょうか? 田中院長に教えていただいた簡単にできる減塩アイデアを紹介します。

みそ汁・スープなどの汁物を1日1回に減らす

味噌汁出典:stock.adobe.com

田中院長 「みそ汁やスープなどの汁物は、1日1回以下にしましょう。また、ラーメンやうどんなどの麺類の汁を飲まないようにするだけでも、約2gほどの減塩につながります。」

「漬け物」はなるべく食べない

漬物出典:stock.adobe.com

田中院長 「テイクアウト弁当や定食につく漬け物は、なるべく食べないようにしましょう。漬け物を食べないことで、1食あたり0.5gほどの塩分を減らせます。」

市販の惣菜には、しょうゆやソースをかけない

ソース出典:stock.adobe.com

田中院長 「市販のお惣菜にしょうゆやソースをかけていませんか? これらの調味料を減塩のものに変更すると約0.5〜1g、使わないようにすると約1g減塩できます」

ドレッシングは「お酢」を多めにする

ドレッシング出典:stock.adobe.com

田中院長 「野菜をしっかり食べようとサラダの量を増やすと、ドレッシングの量も多くなりがちです。そんなときは、ドレッシングは大さじ1杯程度に留め、お酢やレモン汁、バルサミコ酢などの酸味を加えるのがおすすめです。酢やクエン酸などの有機酸には、血圧を下げる効果が期待できるので、ぜひ活用しましょう。」

これらの4つの減塩アイデアに加えて、「有酸素運動は血圧を下げる効果が期待できる」と田中院長。買い物や通勤などで積極的に歩いたり、ストレッチしたりするほか、「スキマ時間にかかとを上げ下げして、“第二の心臓”とも呼ばれるふくらはぎを動かすこともおすすめ」とおっしゃいます。血圧が気になる方は、減塩と手軽な運動から、始めてみましょう!

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