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「糖尿病の合併症」の初期症状。進行すると下肢切断になる可能性も…。

心と体

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2024.08.17

健康診断で“糖尿病予備軍”と診断されたけれど、「あくまでも予備軍だから大丈夫だろう」とそのままにしている方はいませんか? 治療が遅れたり不十分であったりする場合、知らないうちに全身にさまざまな合併症が起こる可能性もあるのだそうです。今回は、糖尿病専門医の田中祐希院長に、糖尿病の三大合併症の症状の経過について教えていただきました。

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教えてくれたのは……糖尿病専門医・田中 祐希院長

田中 祐希院長

三鷹駅前たなか糖尿病・内科クリニック院長
「一人ひとりの幸せを応援」しながら、糖尿病専門医による治療を行う。クリニックホームページ内の院内紙にて、体験記、旬野菜の糖質オフレシピなど、お役立ち情報を公開中。

糖尿病の三大合併症

糖尿病の合併症としてよく知られているものには「神経障害」「眼の障害」「腎障害」があり、“糖尿病の三大合併症”と呼ばれています。それぞれ特有の症状があるため、早期発見・早期治療につながるように知っておきましょう。

1.神経障害

神経障害出典:stock.adobe.com

初期

両足の先にしびれたような痛みがあります。

進行し始めると

疼痛を強く感じるようになります。

さらに進行すると

感覚が鈍くなることがあります。そのため、足にできた傷が膿んでいても気づけないことがあります。症状が進行すると血流が悪くなり、傷の治癒が遅れ、最悪の場合は下肢切断に至ることもあります。

日常生活において、特に入浴時などの靴下を履いていないときに、足に傷がないかどうかを確認する習慣をつけることが大切です。

2.眼の障害

眼の障害出典:stock.adobe.com

初期

自覚症状はありません。
眼球の中で光を感知する網膜には、視野の中心部を担う黄斑部があります。眼の障害は多くの場合、網膜での小さな出血から始まります。しかし、黄斑部から離れた辺縁部の小出血では、視覚の異常を感じ取ることが難しいのです。

進行すると

初期の段階で、レーザー治療によって出血源の処置ができれば良いのですが、放置して黄斑部にまで出血が及ぶようになると急に見えづらくなります。

そのため、自覚症状がまったくない場合でも、少なくとも年に1回は眼科で網膜を評価してもらう必要があります。

3.腎障害

腎障害出典:stock.adobe.com

初期

腎障害から腎不全に至る最も多い原因は、糖尿病です。しかし、初期には自覚症状はありません。

進行すると

進行して腎機能の低下が高度になると、腎臓の尿を作る能力、造血ホルモンを作る能力、ミネラルを調整する能力が低下します。尿が十分に作られない場合、体内の余分な水分が適切に排出されず、むくみが生じます。また、造血ホルモンが不足すると貧血を引き起こし、息切れや疲労感が現れることがあります。

腎臓は進行したダメージを回復できない臓器であり、可能な限り早期にダメージを抑えることが重要です。腎臓の初期のダメージを示す指標として、尿中アルブミン(ACR)の測定が有用です。通常、この数値は30mg/gCre未満ですが、進行するにつれて値が大きくなります。

糖尿病の合併症は初期には自覚症状がないことも多いため、注意が必要です。気づかないうちに進行してしまわないよう、健康診断などで数値に異常が見られた場合は放置しないことが大切です。

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著者

shukana

shukana

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

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