教えてくれたのは……日本眼科学会専門医 黒木明子先生
長崎大学眼科入局後、同大学付属病院および関連病院勤務、ペンシルベニア大学留学を経て、2008年に医療法人くろき眼科を開業。患者の不安を少しでもやわらげられるように、最新の医療機器を用い、確実で誠実な診療とわかりやすい説明を心がけている。医学博士。
目の疲れを癒す5つの習慣とは
加齢によって、ピントを合わせる目の機能が低下することを「老眼」といいます。代表的な症状が、「小さい文字が見えにくくなる」ことや、「薄暗いところで見えにくくなる」こと。見えにくいまま我慢していると、目が疲れや肩こり、頭痛の原因になることもあります。
「目の疲れがたまると、老眼の症状はひどくなります」と解説するのは、医療法人くろき眼科の黒木明子先生。老眼は、症状を改善することはできませんが、症状を進めないようにするためにできることはあります。目の疲れを癒して、老眼を進めないようにするためには、どうしたらいいのでしょうか。黒木先生に教えていただいた「目の疲れを癒す5つの習慣」をご紹介します。
【目の疲れを癒すテク1】遠くをみる、目を閉じてぼんやりする
至近距離でものを見続けていると、ピントを合わせる役割を担っている毛様体筋が緊張状態となり、こわばってしまいます。スマホを続けて見ているときや、デスクワークが続いているときは、1時間おきに10分ほど、遠くをみたり、目を閉じてぼんやりしたりして、目を休める時間をつくりましょう。
【目の疲れを癒すテク2】目のまわりや肩まわりを温める
アイマスクや蒸しタオルなどで目のまわりや肩まわりを温めて、血流をよくしましょう。
【目の疲れを癒すテク3】まばたきをしっかりする
まばたきをすることで、涙がいきわたって目の渇きが改善します。
【目の疲れを癒すテク4】目によい栄養素を食事にとり入れる
緑黄色野菜に多く含まれているルテインや、鮭やエビ・カニなどの甲殻類に多く含まれているアスタキサンチン、野菜や果物に多く含まれているビタミン類など、目によい栄養素を食事にとり入れるのも◎。バランスのとれた食事を心がけましょう。
【目の疲れを癒すテク5】リラックスする時間をもつ
観葉植物を眺めたり、好みのアロマオイルの香りを漂わせたりして、気持ちがリラックスする時間を意識的にもちましょう。睡眠時間を確保して、しっかり休息することも大切です。
眼科医おすすめ「目のストレッチ&マッサージ」
目が疲れているときは、ピント調節の役割を担っている毛様体筋をほぐす「目のストレッチ」も効果的だと黒木先生はおっしゃいます。
毛様体筋をほぐす「目のストレッチ」
- 目の前15センチぐらいのところに指を立てて、そこを見つめてピントを合わせる
- 遠くにピントを合わせる
このストレッチを1秒間隔で5回ほど繰り返すと、こわばっていた毛様体筋がやわらかくなり、ピントが合いやすくなるそうです。
また、目が疲れたときは、首や肩をマッサージするのも◎。黒木先生がおすすめするこちらのマッサージ法もぜひ試してみてください。
黒木先生おすすめ「首と肩のマッサージ」
- 指の腹で、首や肩をほぐしていく。
- 指先で耳をもんだり、指で耳全体をはさんでやさしくまわしたり、耳まわりを引っ張ったりする
- 指全体で、こめかみと頭皮を引き上げるようにマッサージする
- 眉頭の下の骨のくぼみに親指の腹をあて、くぼみに押し付けるように、軽く圧迫する
黒木先生 「目元をマッサージするときは、強く押さえすぎて、眼球を圧迫しないように気をつけましょう。自分が気持ちいいと感じる程度の強さがおすすめです。
マッサージをすると、血流がよくなって目のまわりの筋肉がやわらかくなり、疲れがとれて、目を開きやすくなります。好みの香りのマッサージオイルを使用すると、よりリラックスできますよ」
40代の女性は、心身ともに不安定になりやすい時期。「家庭や仕事で自分のことは後回しにしがちだけど、自分をいたわり、疲れたときは自分を少し甘やかしてみてもいいのでは」と黒木先生。目が疲れたと感じたときは、黒木先生が教えてくれた5つの習慣とストレッチ&マッサージ法をぜひ試してみましょう!