子どもが落ち込む前に、励まさないと。
5年生の娘。今日はクラスでスピーチがあったらしいが、言葉に詰まってしまったよう。帰宅後、イライラした様子で「もう最悪」と一言。私は反射的に「大丈夫だよ、誰でもあるよ」と励ました。でも娘は黙ったまま部屋へ。あとから気づく。私は“失敗した事実”を小さくしようとしたけれど、あの子が抱えていたのは「恥ずかしさ」だったのかもしれない。失敗した事実を小さくしてあげたい気持ちがあったけど、それでよかったのかな?
子どもが失敗してイライラしたり、落ち込んだりしているとき、どんな風に関わっていますか?
小学校高学年から中学生くらいの年代では、「失敗」が自分にとって大きな意味になりやすく、心を揺さぶるものとなります。
「失敗」=「能力がない」「だめな自分」という評価に直結しやすい時期ともいえます。
そのため、この時期の周囲の関わり方が、次に繋がる肯定的な失敗となるか、自信を失う経験になるかを分けます。
子どもが失敗したとき、親ができることを考えてみましょう。
「気にしなくていい」「たいしたことない」は万能ではない
- テストの点が下がる
- 友達とのトラブルで孤立する
- 委員会や係でうまくいかない
- 習い事で評価が落ちる
親から見たら将来に関わるような大きな失敗でなくても、本人にとっては心のダメージともなる重大な失敗と捉えていることも。
そんなとき、親が「気にしなくていい」「たいしたことない」と励ますと、逆に傷が深くなるケースもあります。
親の言葉を素直にそのまま受け取れないのが、思春期の難しさ。
- 「気にしなくていい」=気にしている私は弱い?
- 「たいしたことない」=こんなことで落ち込む私は大げさ?
- 「次があるよ」=早く切り替えないといけないの?
などと無意識に変換してしまうんですね。
自分の気持ちを受け止めてもらえていないと感じると、気持ちを無理に抑え込んだり、イライラや強がりとして表出したりすることがあります。ですので、「悔しかったね」「うまくいかなくてイライラするくらい頑張ったんだね」など、「その気持ちはあっていい」と伝えるのが大切です。
失敗を肯定するのではなく、子どもが抱えている自然な感情を肯定してあげられると、回復しやすくなります。
失敗を「出来事」と「意味づけ」に分ける
これはカウンセリングの場でも実践している有効な関わりです。
たとえば、
- テストが70点だった。私は算数ができない。
- グループの子から仲間外れにされた。嫌われたんだ。
- 発表で言葉に詰まった。自分は本番に弱いタイプなんだ。
大人でも、思考が自動的にネガティブな方向に進んでいくことがありますよね。
子どもも、ひとつの出来事から派生して、「自分は〇〇なタイプなんだ」と消極的に捉えて自信を失っていくときがあります。
そんなとき、
- テストが70点だったのは事実だけど、”算数ができない”は今あなたが考えたことだよね。
- 友達が冷たくて仲間外れにされたのは事実かな。でも嫌われたかどうかはまだわからないよね。
- 言葉に詰まったのは1回だよね。本番に弱いタイプと括ってしまうのはまだ早いんじゃない?
このように言語化することで、「できなかった」=「自分がだめ」という短絡的な考えをストップします。
自己肯定感は「失敗しないこと」「失敗をなかったことにすること」で育つのではなく、「失敗を人格と切り離すこと」で守られます。
失敗と本人を切り離してあげる作業を手伝ってあげると、のちに自分自身でも切り離して考える思考の癖が身についてきます。
「大丈夫」「気にしなくていいよ」だけではなく、一歩踏み込んだ声かけで、子どもの気持ちを支えてあげられるといいですよね。
「失敗しても、それは自分がだめだからではない。今回うまくいかなかったんだ。次どうしよう?」
こんな風に自力で立ち上がる力を育てていけるといいですね。



