SNS上の娘、学校の娘、どちらが本当?
学校ではあんなに大人しいのに、SNSではずいぶん明るいキャラクターの小6娘。特に推しに関する投稿やリプライはまるで別人のよう。「SNSのほうが本当の娘なのかな」「私には見せない顔があるんだ」と少し寂しくもなる。
小学校高学年ごろから、子どもは少しずつ「人から見た自分」を意識するようになります。
- 「これを載せたらどう思われるかな」
- 「この投稿、ダサくないかな」
- 「この写真載せたら反応してもらえるかな」
そんなふうに、自分を外側から見る感覚が育っていきます。
SNSでも、相手や場面に応じて自分の見せ方を変えることがあります。
つまり、オンラインとリアルで違うこと自体は、必ずしも問題ではありません。
心理学ではむしろ、こうした複数の自分を持つことは、自己理解が深まっていく過程とも考えられます。
「何を投稿したか」より「何を感じているか」
では、家庭ではどう関わればいいのでしょうか。
ポイントは、親が子どものSNSを細かく確認することではありません。
子どもが自分から話してきたときや、SNSでの出来事に困っている様子があるときに、投稿の内容をすぐ評価するのではなく、その子がどんな経験をしているのかに耳を傾けることです。
1.SNS上のやりとりではなく、「どう感じたか」を聞く
子どもがSNSでのやりとりについて話してきたとき、「誰が何て言ったの?」と詳しい内容を聞き出すよりも、「それを見たとき、どんな気持ちになったの?」と聞いてみるのがおすすめです。
「そのやりとりをしていて、楽しかった? それとも少し疲れた?」と尋ねてみるのも一つの方法です。
大切なのは、投稿や返信の良し悪しを評価することではなく、その経験が子どもの心にどう残っているかに目を向けること。
- 「分かってもらえてうれしかった」
- 「返事が来なくて不安だった」
- 「みんなとつながっている感じがした」
- 「本当は少し無理をしていた」
同じSNS上の出来事でも、感じ方は一人ひとり違います。気持ちの言語化を手伝うことは、子どもがSNSと上手な距離感で付き合っていく支えになります。
2.「その場所で無理をしていないか」を確かめる
反応の数やフォロワー数など、数字に反応しやすい子もいます。
フォロワーやいいねの数が「自分の価値」のように感じられることもあります。
もし子どもが、「全然反応がなかった」「なんでいいねが増えないんだろう」と気にしていたら、数字を増やす方法を考えるのではなく、「反応を増やすために、無理して合わせていない?」と聞いてみるのがおすすめです。
「SNSを見たあと、気持ちは楽になる? それとも疲れる?」と尋ねてみるのもよいでしょう。
数字ではなく、その場所で自分らしくいられているかを確かめる質問をすることにより、SNSがどんな場所になっているかを考えやすくなります。
3.「SNSの自分」と「普段の自分」を比べない
親からすると、「SNSではあんなに明るいのに」 「もっと普段も自信を持てばいいのに」と思うことがあるかもしれません。
しかしSNS上の姿と学校での姿を比較せず、「SNSだと好きなことを表現しやすいんだね」と受け止めることも大切です。
SNSでできていることを、そのままリアルの場でもできるようにする必要はありません。
SNSの自分、リアルの自分。
それぞれのよさや苦手なことを理解し、付き合っていけるとよいでしょう。
SNS時代の子どもに必要なのは、「どう見られるか」だけではなく、「自分はどう感じているか」にも目を向けられることです。
そんな感覚を少しずつ育てていくことが、SNSとリアルの間を行き来する子どもの心を支える土台になるのかもしれません。




