みんなが気になる“ミミックオクトパス俳優”
「あ、フォロワー50万人超えてる…」。中村倫也さんがTwitterでそうつぶやいたのは1月22日のこと。そのツイートには約69000件のいいねがつき、フォロワーの数はさらに増えて52万人を超えている(1月28日現在)。「Yahoo!検索大賞2018」では俳優部門賞に輝き、先日「第43回エランドール賞」で新人賞を受賞したばかり。間違いなく今、世間が気になって仕方ない俳優の1人だ。
中村さんは昨年出演したNHK連続テレビ小説『半分、青い。』での朝井正人、通称“マァくん”役で広く世間に知られ、ブレイクしたと言われている。演じる役柄の幅広さからカメレオン俳優と紹介されることが多くなったころ、自らを“ミミックオクトパス(擬態が得意なタコ)俳優”と形容したことでも話題になった。
過去を探れば探るほど驚かされる
私の場合、中村さんが気になり始めたのは、映画『伊藤くんA to E』の番宣でバラエティ番組『火曜サプライズ』(日本テレビ)に出演しているのを見たことがきっかけだった。中村さんは、岡田将生さん、田中圭さんとともにアポなし旅をしていた(神回だった…)。3人ともそれぞれに魅力的だったが、自分の中に一番情報のない中村さんがとにかく気になって、すぐにインターネットで検索した。「うわっ、『ファーストクラス(第2期)』の冴木じゃん!」「なんと『下町ロケット』の浅木さんではないですか」「映画『3月のライオン』のスミス〜(三角)! タイプのお顔だと思ってたんだよな…」「えっ⁉︎ ダイワハウスのCMの? あのへなちょこな旦那さん? えっ??」。今まで何度も目にしてきていたことに、そして記憶の中の彼らは一瞬では同一人物と認識できないことに、困惑したものだ。それからというもの、中村さんが出演するドラマはほぼ欠かさずチェックしている。
彼に完全に”落ちた”ときのこと
中村さんは変幻自在にいろんなキャラクターを演じ分けるので、たしかにマァくんの影響は大きかったかもしれないけれど、彼に落ちた瞬間はきっとみんなそれぞれなのではないかと思う。私は、『ホリデイラブ』(テレビ朝日)でいわゆるモラハラDV夫・井筒渡を演じていたときだったと自覚している。正確にいうと、ゾクゾクさせるほど冷たい視線は魅力的ながらも、罵声を浴びせる様子や粘着質な性格はやっぱり怖かった。でも、妻が家を出て行ったあと、不器用ながらも子どもの世話をする渡の姿に「かわいい…」とキュン(特にエプロン姿の破壊力はスゴかった)。そして最終回で、子どもたちが母よりも父を選んだときにはもう完全にやられていたのだった。ちなみに、その後出演した『崖っぷちホテル!』(日本テレビ)のツンデレシェフ・江口にも、『ドロ刑–警視庁捜査三課–』(日本テレビ)の変態エリート刑事・皇子山にも結局恋をしたけれど。
新たに演じるキャラクターは元ヤン高校教師!
そんな中村さん、今クールでは『初めて恋をした日に読む話』(TBS)に出演中。楽しみすぎて放送開始前に原作漫画を最新刊までチェックした。私はてっきり主人公の春見順子(演:深田恭子)に長年想いを寄せるいとこ・八雲雅志役だとばかり思い込み、雅志を中村さんで脳内再生しながら読み耽った(最高だった)。ところが、実際に中村さんが演じるのは、順子の高校の同級生で元ヤンの高校教師・山下一真。一瞬「いやいや雅志だろ!」と心の中で異議を唱えたけれど、元ヤンの中村さんを想像したら…あれ? 悪くない。高校教師なんて…大アリだ。恋敵となる男子高生の由利匡平(演:横浜流星)とは違う大人の雰囲気をまとい、元ヤンならではのキケンな香りをほんのりと漂わせている(気がする)のはさすが。実際、本格的に山下が登場した2話を見た視聴者たちが、あまりの色気にSNSで求婚するなどの事態にも発展したようだ。どんな役にもハマって女子たちを落としにかかるミミックオクトパス俳優、おそるべし!
文/二ッ屋絢子
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