大事な場面で優柔不断になるのは、心が弱いからではありません
コロンビア大学ビジネススクールの教授シーナ・アイエンガーが、その著書『選択の科学』で面白い指摘をしています。
スーパーの試食コーナーに、24種類のジャムと6種類のジャムを並べると、24種類のほうが人は集まるのだけれど、実際の購買率は3%に過ぎませんでした。ところが、6種類のときには購買率が30%に跳ね上がりました。
このことは、私たち人間がいかに「少ない選択肢を喜ぶか」、逆に「多くの選択肢の中から物事を決定することを嫌うか」を示しています。
人は誰でも「自由に好きなように決めたい」と言いながら、実は決めるのは苦手なのです。いざとなると、意外な人が優柔不断になるのは、こういうところに原因があるのかもしれません。
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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。
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