いつも幸せそうにしている人には、注意が必要!?【脳科学者に聞いた!vol.27】

カルチャー

2019.06.12

困難な境遇にあっても、いつも幸せそうにしている人がいます。そういう人は脳の構造上、以外な一面を持っている可能性があると、中野信子さんは指摘します。

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普段から幸せそうにしている人ほど、反社会的な行動に出ることがあります

 売春に手を染めている女性が、みんな不幸そうかといったらそんなことはありません。むしろ、いつも幸せそうにしている、のんきな印象の人も結構います。こういう人は、脳の構造に特徴があるのです。
 私たちの脳内では、ドーパミンやセロトニンという物質が分泌され、それによって幸福感や安心感を得ることができます。
 一方で、これらの物質を分解する酵素もあり、その分解能力が弱い人が3割くらいいることがわかっています。
 分解能力が弱ければ、ドーパミンやセロトニンが長く脳に留まり、ふわふわとした幸福感に包まれやすくなります。
 私たちは、不安感があるからこそ、常に先のことを考え自制した行動をとります。ところが、ふわふわした幸福感に包まれていれば目先の欲求に従って刹那的な行動をとりやすくなります。
 幸せそうな人ほど、深く考えずにおかしなことをしてしまう可能性があるのです。

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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。

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