きゅうりとズッキーニの違いは?分類や調理法を比較!
見た目がきゅうりと似ていることから、きゅうりの仲間だと思われがちなズッキーニ。でも、じつは、きゅうりとは違う種類なんです。
同じウリ科ではあるものの、きゅうりはウリ科キュウリ属であるのにたいし、ズッキーニは、ウリ科カボチャ属。つまり、ズッキーニは、かぼちゃの仲間なんです。
きゅうりは、生で食べるのが一般的。ズッキーニも生で食べられますが、加熱調理が主流です。
ちなみに、ズッキーニは完熟していない未熟果を食べるという点が、かぼちゃと異なります。
ズッキーニの栄養素と効能&効果
■カリウム
カリウムには、ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑制し、尿として排泄するのを促す働きがあります。
カリウムを多く含むズッキーニを食べることにより、食べ過ぎた塩分を排出し、体内の塩分濃度を調整することができます。高血圧の予防や、むくみの解消に効果的です。
■βカロテン
βカロテンは、体内に入るとビタミンAに変換されるという性質があります。抗酸化作用が強く、シミやそばかすの原因になる活性酸素も除去してくれます。
また、ビタミンAは肌の角質化を防ぐため、肌の乾燥やシミ、シワの予防や、ニキビ対策にも効果的です。βカロテンは脂溶性なので、油と一緒にとると吸収率が高まります。
■ビタミンC
ビタミンCにはチロシナーゼという酵素の働きを阻害し、シミ、そばかすの原因であるメラニンの沈着を防ぐ作用があります。また、肌のハリを維持するコラーゲンの生成を促す作用があり、シワを改善する効果も期待できます。
さらに、ビタミンCのもう一つの重要な役割は、発生した活性酸素を素早く消去する、強力な抗酸化物質としての働きです。活性酸素は人の「老化」に深く関わり、ガンなどの生活習慣病の主な原因となっているといわれています。
■葉酸
葉酸は細胞の分裂や成熟を大きく左右するため、特に胎児にとっては重要な栄養成分です。妊婦が葉酸を十分に摂取することで、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができるといわれています。
また、ビタミンB12とともに赤血球の生産を助けるので、「造血のビタミン」と呼ばれています。
成人男女の葉酸の1日摂取推奨量は240㎍とされていますが、ズッキーニ1本(200g)で摂取できる葉酸は、72㎍。1本では補えないので、ほかの食材をうまく組み合わせるとよいでしょう。
ズッキーニの美味しい食べ方と調理法
【幅広い調理法で楽しめる】
ズッキーニは、生でも加熱しても、おいしく食べられます。淡泊な味わいなので、さまざまな味付けにマッチします。皮はむかなくてOKです。
定番は、トマトと煮込むラタトゥイユや、カレーなど。輪切りにして焼いたり、ピクルスやサラダにしたりしてもおいしいですし、みそ汁に入れるなど、和食にもよく合います。
生と加熱調理の栄養の違いは?
【栄養価の高まる食べ方は? 生と加熱調理の栄養の違いは?】
ズッキーニに含まれるβカロテンは、加熱して油と一緒にとると吸収率が高まります。一方で、カリウムやビタミンCは加熱により減少します。どちらがいいとはいえませんが、用途にあった調理法を選ぶのがよいでしょう。
食べ過ぎるとどうなるの?
【食べ過ぎるとどうなる?】
通常のズッキーニを食べすぎても、ほとんど影響はないようです。しかし、苦味成分であるククルビタシンが多いものは、食中毒を引き起こす危険性があるといわれています。
美味しいズッキーニの選び方や上手な保存法
【美味しいズッキーニの選び方】
大きすぎず、皮にはりとつやがあるものが◎。へたは、切り口がみずみずしいものが新鮮。
【上手な保存法】
乾燥しやすいので、ラップや新聞紙で包み、冷蔵庫の野菜室で保存します。冷凍保存の場合は、輪切りなど食べやすく切り、かために加熱します。トレイなどに並べて完全に凍らせてから、保存袋に入れて保存します。使うときは、カレーなどにそのまま入れればOK。
【黄色いものや丸いものも】
ズッキーニは緑色の長細いもの以外にも、さまざまな種類が出回っています。黄色いタイプや、丸い形の「丸ズッキーニ」、周囲がボコボコしている「UFOズッキーニ」などがあります。
栄養が豊富で、生でも加熱してもおいしく食べられるズッキーニ。さまざまな調理法にチャレンジしたいですね!
監修/吉沼弓美子(管理栄養士)
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