なすの旬と種類 種類によって栄養は違う?
【なすの旬は夏】
なすは、6月から9月頃までが旬。とはいっても、年間を通してスーパーに並んでいるので、いつでも手に入ります。
【なすはインド原産】
なすはインド原産で、奈良時代に日本に伝わってきたと言われています。歴史が大変古いため、日本各地で多彩な品種が生まれました。
【なすの種類】
・中長なす
日本全国で広く親しまれているなす。「長卵形なす」ともいい、長さは12〜15cmほど。「千両」という品種が有名。
・長なす
長さ20〜25cm。主に西日本や東北で栽培されている。秋田県の「河辺長」、岩手県の「南部長」、大阪府の「大阪長」、宮崎県の「佐土原」など。
・大長なす
長さ40〜45cm。肉質がやわらかく、焼きなすや煮なすに向く。暑さ、乾燥に強い。「久留米長」や「博多長」など。
・丸なす
丸い形をしたなす。肉質がしまっており、田楽や煮ものにむく。 京都府の「賀茂なす」や新潟県の「巾着なす」などがある。
・小丸なす
小形で重さは10~20gほど。辛子づけで知られる、山形県の「民田なす」など。
・米なす
ヨーロッパ、アメリカの品種を、日本で栽培しやすいように改良されて生まれた。へたが緑色。肉質がかたく、田楽やバターいためなどに向く。
・白なす
皮の色が白く、かため。
・緑なす
皮がかためだが、肉質がやわらかく生食できる品種も。
【種類によって栄養は違う?】
なすは、種類による栄養の違いはそれほど大きくないようです。ただし、ナスニンは、白なすや緑なすにはありません。
なすの栄養と効能! 栄養がないって本当?
ほとんどが水分で、栄養がないというイメージのあるナス。確かに、ビタミンやミネラルなどは多く含まれていませんが、ナスニンというポリフェノールの一種や、カリウムが含まれており、これらの成分による健康効果が期待できます。
■ナスニン
ナスニンは、皮に含まれているポリフェノールの一種です。強い抗酸化作用があり、シミやシワ、たるみ、ソバカスなどの肌トラブルを防ぎ、アンチエイジングケアに効果が期待できます。
さらに、コレステロールの吸収を抑制する効果があり、血圧を下げ、高血圧症の予防に効果が期待できます。また活性酸素の働きを抑制してくれるので、生活習慣病の予防などにも効果が期待できます。
また、人は光の脳処理が長時間続くと、脳が疲れて正常に処理できなくなり、目のピントが合いにくくなります。ナスニンはこれを回復し、目の機能改善にも効果があるとされています。
■カリウム
体内の余分な塩分を排出する働きがあります。高血圧の予防や、むくみの解消に効果的です。
なすときゅうりって、どれくらい栄養価が違う? 比較してみよう!
なすと並ぶ定番の夏野菜といえば、きゅうり。なすときゅうりの可食部100gあたりの栄養を比較してみました。
・水分
なす…93.2g
きゅうり…95.4g
カリウム
なす…220mg
きゅうり…200mg
・βカロテン
なす…100μg
きゅうり…330μg
・ビタミンC
なす…4mg
きゅうり…14mg
なすの食べ方、調理法のポイント!
【なすの調理法】
ナスニンは水に溶けやすいので、切ったらなるべくすぐに調理するか、水にさらすときは短時間にするとよいでしょう。また、ナスニンの効果を期待する場合は皮ごと調理します。さらに、油と一緒にとると吸収率がアップします。
【冷凍するときは】
生で冷凍する方法と加熱してから冷凍する方法があります。
冷凍なすは、凍ったまま調理するのがおすすめです。
なすは水分が多いため、自然解凍すると水分が出やすくなるためです。
【加熱すると】
カリウムの作用は弱まります。体を冷やしたいときには漬物やサラダで食べるのがいいです。
【みそ汁にも栄養ってある?】
ナスニンは水に溶けやすいため、汁ごと食べるみそ汁はおすすめです。
【食べ過ぎると】
体が冷え、それに伴い腹痛や下痢が起こる可能性があります。
【妊婦には】
体を冷やすので、食べすぎには注意が必要です。
おいしいなすの選び方、保存法
【選び方】
ヘタの切り口が新しく、ガクのトゲがとがっているものが新鮮。果皮の色が濃く、つやとハリのあるものがよいでしょう。また、持ったときに重みを感じるものを選びましょう。
【保存法】
なすは水分が逃げてしまいやすいので、一つずつラップに包み、冷蔵庫の野菜室で保存します。ただし、冷やしすぎると果肉が縮んでしまうので、注意が必要。温度が5度以下にならないようにしましょう。また、購入後、3〜4日で食べきるほうがよいでしょう。長く保存するさいは、調理してから冷凍保存します。
なすは水分が多いからといって、効能がないわけではないんです。ナスニンを含む皮は、ぜひむかずに食べたいですね。
監修/吉沼弓美子(管理栄養士)
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