なすには栄養がない!?水分ばかりでスッカスカと思いきや皮にも健康成分がたっぷり!【栄養士監修】

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 なすには栄養がない!?水分ばかりでスッカスカと思いきや皮にも健康成分がたっぷり!【栄養士監修】

2019.08.01

夏野菜の代表とも言える、なす。漬物にしたり、焼いたり油で揚げたりと、調理法も豊富でおいしいですよね。しかし、なすといえば、水分ばかりで栄養が少ないと思われがち。でもじつは、驚きの健康パワーを秘めているんです。そこで、なすの栄養や健康効果、さらに、おすすめの食べ方も紹介します。せっかく食べるなら、栄養を逃さず、おいしくいただきましょう!

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なすの旬と種類 種類によって栄養は違う?

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【なすの旬は夏】
なすは、6月から9月頃までが旬。とはいっても、年間を通してスーパーに並んでいるので、いつでも手に入ります。

【なすはインド原産】
なすはインド原産で、奈良時代に日本に伝わってきたと言われています。歴史が大変古いため、日本各地で多彩な品種が生まれました。

【なすの種類】

・中長なす
日本全国で広く親しまれているなす。「長卵形なす」ともいい、長さは12〜15cmほど。「千両」という品種が有名。

・長なす
長さ20〜25cm。主に西日本や東北で栽培されている。秋田県の「河辺長」、岩手県の「南部長」、大阪府の「大阪長」、宮崎県の「佐土原」など。

・大長なす
長さ40〜45cm。肉質がやわらかく、焼きなすや煮なすに向く。暑さ、乾燥に強い。「久留米長」や「博多長」など。

・丸なす
丸い形をしたなす。肉質がしまっており、田楽や煮ものにむく。 京都府の「賀茂なす」や新潟県の「巾着なす」などがある。

・小丸なす
小形で重さは10~20gほど。辛子づけで知られる、山形県の「民田なす」など。

・米なす
ヨーロッパ、アメリカの品種を、日本で栽培しやすいように改良されて生まれた。へたが緑色。肉質がかたく、田楽やバターいためなどに向く。

・白なす
皮の色が白く、かため。

・緑なす
皮がかためだが、肉質がやわらかく生食できる品種も。

【種類によって栄養は違う?】
なすは、種類による栄養の違いはそれほど大きくないようです。ただし、ナスニンは、白なすや緑なすにはありません。

なすの栄養と効能! 栄養がないって本当? 

「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より、なす、果実、生の可食部100gあたりの栄養。「Tr」は微量、「(Tr)」は微量に含まれていると推定されるもの。「(0)」は含まれていないと推定されるもの。「()」のついた数値は、諸外国の食品成分表の収載値や原材料配合割合レシピ等を基に推計したもの。

ほとんどが水分で、栄養がないというイメージのあるナス。確かに、ビタミンやミネラルなどは多く含まれていませんが、ナスニンというポリフェノールの一種や、カリウムが含まれており、これらの成分による健康効果が期待できます。

■ナスニン
 ナスニンは、皮に含まれているポリフェノールの一種です。強い抗酸化作用があり、シミやシワ、たるみ、ソバカスなどの肌トラブルを防ぎ、アンチエイジングケアに効果が期待できます。
 さらに、コレステロールの吸収を抑制する効果があり、血圧を下げ、高血圧症の予防に効果が期待できます。また活性酸素の働きを抑制してくれるので、生活習慣病の予防などにも効果が期待できます。
 また、人は光の脳処理が長時間続くと、脳が疲れて正常に処理できなくなり、目のピントが合いにくくなります。ナスニンはこれを回復し、目の機能改善にも効果があるとされています。

■カリウム
体内の余分な塩分を排出する働きがあります。高血圧の予防や、むくみの解消に効果的です。

なすときゅうりって、どれくらい栄養価が違う? 比較してみよう!

なすと並ぶ定番の夏野菜といえば、きゅうり。なすときゅうりの可食部100gあたりの栄養を比較してみました。

・水分
なす…93.2g
きゅうり…95.4g

カリウム
なす…220mg
きゅうり…200mg

・βカロテン
なす…100μg
きゅうり…330μg

・ビタミンC
なす…4mg
きゅうり…14mg

なすの食べ方、調理法のポイント!

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【なすの調理法】
ナスニンは水に溶けやすいので、切ったらなるべくすぐに調理するか、水にさらすときは短時間にするとよいでしょう。また、ナスニンの効果を期待する場合は皮ごと調理します。さらに、油と一緒にとると吸収率がアップします。

【冷凍するときは】
生で冷凍する方法と加熱してから冷凍する方法があります。
冷凍なすは、凍ったまま調理するのがおすすめです。
なすは水分が多いため、自然解凍すると水分が出やすくなるためです。

【加熱すると】
カリウムの作用は弱まります。体を冷やしたいときには漬物やサラダで食べるのがいいです。

【みそ汁にも栄養ってある?】
ナスニンは水に溶けやすいため、汁ごと食べるみそ汁はおすすめです。

【食べ過ぎると】
体が冷え、それに伴い腹痛や下痢が起こる可能性があります。

【妊婦には】
体を冷やすので、食べすぎには注意が必要です。

おいしいなすの選び方、保存法

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【選び方】
ヘタの切り口が新しく、ガクのトゲがとがっているものが新鮮。果皮の色が濃く、つやとハリのあるものがよいでしょう。また、持ったときに重みを感じるものを選びましょう。

【保存法】
なすは水分が逃げてしまいやすいので、一つずつラップに包み、冷蔵庫の野菜室で保存します。ただし、冷やしすぎると果肉が縮んでしまうので、注意が必要。温度が5度以下にならないようにしましょう。また、購入後、3〜4日で食べきるほうがよいでしょう。長く保存するさいは、調理してから冷凍保存します。

なすは水分が多いからといって、効能がないわけではないんです。ナスニンを含む皮は、ぜひむかずに食べたいですね。

監修/吉沼弓美子(管理栄養士)

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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