冬瓜は日本でも古くから食べられ、漢方にも利用されている!
【奈良時代には日本に伝わっていた】
冬瓜はウリ科の植物で、かもうりとも呼ばれています。熱帯アジア原産とされ、日本には、奈良時代には伝わっていたと言われています。
現代では沖縄をはじめ、温暖な地域で栽培されています。
【漢方にも利用されている】
冬瓜は、種子や外皮にも効能があり、漢方にも利用されています。利尿などの効能があると言われています。
冬瓜の栄養、効果効能!
■カリウム
体内の余分な塩分を排出する働きがあります。高血圧の予防や、むくみの解消に効果的です。
■食物繊維
冬瓜には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が2:1と理想的なバランスで含まれています。整腸作用があり、便通をスムーズにしてくれます。
また、コレステロールの吸収を抑制したり、老廃物などを排泄する作用もあり、生活習慣病予防に効果が期待できます。
■ビタミンC
抗酸化作用があり、アンチエイジングや美肌、美白効果が期待されます。また、体の免疫機能を高める働きがあり、風邪予防にも効果的です。
■サポニン
サポニンには、油を溶かす作用があり、コレステロール値や中性脂肪値を下げ、動脈硬化を予防する効果が期待できます。
また、腸で吸収したブドウ糖と脂肪が結合しないように働き、脂肪の蓄積を防いで、肥満を予防する効果も。
95%が水分で低カロリー! 冬瓜をおかずに取り入れて冬瓜ダイエット!
【水分が多く低カロリー】
冬瓜は95%が水分で、100gあたり16Kcalと低カロリー。ダイエット中でも安心して食べることができます。
【冬瓜を積極的に取り入れて冬瓜ダイエット!】
冬瓜はカロリーが低いため、おかずに積極的に取り入れることで、ダイエット効果が期待できます。利尿作用や、食物繊維による便秘解消効果もあるので、体の内側からきれいにしてくれます。
ただし、偏った食事は健康によくないので、さまざまな食材をバランスよく食べることが大切です。
身体の熱を冷ます作用があり、夏バテ解消にも
冬瓜は体の熱を冷ます作用があります。
夏バテは、汗とともに水分やカリウムなどのミネラルが失われ、体内のミネラルバランスが崩れることにより、疲労感が生じることでおこります。
冬瓜には、水分とカリウムも含まれているので、失われたものを補給でき、夏バテ解消に効果的です。
種や皮には高い利尿作用が! 捨てずに活用しよう!
冬瓜の種子を乾燥したものは「冬瓜子」、外皮は「冬瓜皮」といい、漢方に利用されます。それほど薬効が高い部分なので、捨てるのはもったいないですよね。そこで、種や皮の活用法を紹介します。
・わたを種ごとみそ汁に入れる
・種を乾燥させて煎って食べる
・皮を千切りにしてきんぴらに
・皮を薄く切って天ぷらに
冬瓜の食べ方
【冷凍すると】
栄養的には変わりありませんが、茹でてから冷凍する場合は、茹でた時点でカリウムやビタミンCが茹で汁に流れてしまいます。
【加熱すると】
水溶性であるカリウムやビタミンCは茹でると水に溶け出すので、汁ごと食べられる調理法で食べましょう。
【食べ過ぎると】
冬瓜など、夏に旬を迎える野菜は、体を冷やす作用があります。そのため、特に冷え症の人は、食べ過ぎないよう注意したり、体を温める生姜などの食材と一緒に摂るのがおすすめです。
また、腎臓の機能に障害のある人は、冬瓜を食べ過ぎると、高カリウム血症を引き起こす原因になることがあります。
【妊婦が食べると】
カリウム・食物繊維・ビタミンCも含まれているので、妊婦さんは積極的に摂りたい野菜ですが、体を冷やす作用があるので、食べすぎには注意してください。
冬瓜の選び方と保存方
【選び方】
持ったときにずっしりと重たいものを選びましょう。また、表面に白い粉(ブルーム)がついているものは、完熟している証です。ただし、種類によっては完熟しても粉がつかないものや、表面を磨いて粉を除いてある場合もあります。
カットされているものは、カットしてある面がみずみずしく、種がぎっしりつまっているものが新鮮。
【保存法】
・丸ごと
皮もついた状態で丸ごとキッチンペーパーとラップで包み、冷蔵庫の野菜室で保存します。保存期間は、約1か月〜3か月です。
・カットされたもの
スプーンなどで種とわたを除き、皮つきのままキッチンペーパーで包みます。さらにラップで包んで、冷蔵庫の野菜室で保存します。約5日で食べ切りましょう。
冷凍保存の場合は、皮をむいて食べやすい大きさに切り、冷凍用の保存袋に重ならないように入れて冷凍します。1か月程度保存できます。
下ごしらえのコツとおすすめの調理法! スープやデザートにも!
【下ごしらえのコツ】
・皮は少し青みが残る程度に薄くむく。加熱してもやわらかくなりすぎず、歯ごたえよく仕上がる。
・適当な大きさに切り、種とわたを除く。
・皮の側に隠し包丁をすると、味がよくしみる。
・面取りをすると、煮崩れしにくくなる。
・たっぷりの湯で4〜5分下ゆですると、青臭さがやわらぐとともに、味がしみやすくなる。
【おすすめの調理法】
・みそ汁やスープ
果肉を切ってみそ汁やスープに入れるだけ!
・ひき肉あんかけ
①鍋にひき肉を入れ、酒も加えて炒める。
②①に水と下ごしらえした冬瓜を加える。
③②に麺つゆ適量を加える。
④冬瓜に味がしみたら水溶き片栗粉を加え、とろみをつける。
・冬瓜のみそ炒め
①フライパンに油を引き、豚肉、鶏もも肉など、好みの肉を炒める。
②①に下ごしらえした冬瓜を加えてさらに炒める。
③②に塩、こしょう各少々をふる。
④③にみそ、酒、みりん、砂糖を合わせたものを加え、さらに炒める。
・スペアリブやすね肉と合わせても!
冬瓜にはあまり味がなく、他の食材の旨味がしみておいしくなります。ですので、スペアリブやすね肉など、旨味の強い食材と合わせると◎。
・シロップ煮はデザートに!
下ゆでした冬瓜200g、砂糖100g、水200〜300ccを鍋に入れ、5分煮て、冷ませば完成。保存容器などに入れて冷蔵庫に入れ、2〜3日で食べきります。
白玉やフルーツと合わせるのもおすすめです。
冬瓜はダイエットに最適な食材。これまであまり食べたことのないという人も、今回紹介したレシピを参考に、おかずの一品に加えてみてはいかがですか?
監修/吉沼弓美子(管理栄養士)
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