かぼちゃの種類
【かぼちゃはアメリカ大陸原産。名前の由来は「カンボジア」】
かぼちゃは、アメリカ大陸が原産。世界にはさまざまな種類のかぼちゃがあり、形や色、大きさもさまざまです。
日本には、16世紀半ばにカンボジアから渡ってきました。そのため「カンボジア」が訛って「かぼちゃ」と呼ばれるようになったと言われています。
【かぼちゃの種類】
かぼちゃは、「日本かぼちゃ」、「西洋かぼちゃ」、「ぺぽかぼちゃ」の3種類に分けられます。現在多く流通しているのは「西洋かぼちゃ」です。
●日本かぼちゃ
水分が多く、ねっとりした食感。現在はあまり出回らなくなりましたが、各地の伝統野菜として食べられています。
●西洋かぼちゃ
ホクホクして甘みの強いかぼちゃ。現在では一般的なかぼちゃとして多く出回っています。別名、栗かぼちゃ。
●ぺぽかぼちゃ
色や形のバリエーションが豊富で、日本では主にハロウィンの観賞用などとして用いられることが多いです。そうめんかぼちゃは、ぺぽかぼちゃの一種です。
かぼちゃの栄養と効能 種には抗酸化作用も!
■βカロテン
βカロテンは体内でビタミンAに変換して、皮膚や粘膜を丈夫にするほか、視力の維持、がんの予防、免疫力の強化、アンチエイジングなど、健康を保つために重要な働きをする栄養素です。
βカロテンは、実よりも皮に多く含まれています。
■食物繊維
整腸作用があり、便通をスムーズにしてくれます。
また、コレステロールの吸収を抑制したり、老廃物などを排泄する作用もあり、生活習慣病予防に効果が期待できます。
食物繊維も皮に多く含まれています。
■ビタミンC
抗酸化作用があり、アンチエイジングや美肌、美白効果が期待されます。また、体の免疫機能を高める働きがあり、風邪予防にも期待。
かぼちゃのビタミンCは熱にも強いため摂取しやすいなどの利点もあります。
■ビタミンE
抗酸化作用があり、体内の細胞膜の酸化を防ぎます。これにより、生活習慣病や老化から、体を守ってくれる効果が期待されます。美肌効果もあるとされています。
■カリウム
体内の余分な塩分を排出する働きがあります。高血圧の予防や、むくみの解消に効果的です。
■リグナン
かぼちゃの種には、ポリフェノールの一種である、リグナン類が含まれており、抗酸化作用や炎症を抑える働きを持ちます。
さらに、リグナン類には女性ホルモンのバランスを整える作用もあるため、リグナン類を豊富に含むかぼちゃの種を摂取することで、過敏性膀胱や頻尿などの排尿障害を軽減する効果が期待できます。
かぼちゃの旬
国産のかぼちゃは夏から秋に収穫されますが、長期間の貯蔵ができるため、11月くらいまで多く出回ります。収穫したばかりのものより、追熟させた方が、味わいがよくなるうえ、栄養も増します。
冬から春の間は、日本と季節が逆のメキシコやニュージーランド産のかぼちゃが出回ります。
かぼちゃの選び方
ヘタが枯れて、コルクのように乾燥しているものが完熟しています。また、皮がかたく、持ったときにずっしり重いものを選びましょう。
カットされているものは、種がぎっしりすき間なく詰まっていて、果肉の色が鮮やかなものがよいでしょう。
かぼちゃの保存法
丸ごとなら冷暗所で保存すれば1〜2か月は食べられます。
切ったら、傷みやすい種とワタをきれいに除き、ラップで包んで冷蔵庫の野菜室で保存します。1週間くらいで食べ切りましょう。
冷凍の場合は、適当な大きさに切ってゆで、冷ましてからくっつかないように保存容器に入れて冷凍します。または、ゆでた後粗くつぶして冷凍すれば、サラダなどに使えて便利。
かぼちゃの調理法
かぼちゃは、さまざまな料理に重宝します。βカロテンは、油と一緒にとると吸収率が高まります。そのため、油で揚げたり炒めたりするほか、ゆでてマヨネーズを加えて食べるのがおすすめです。
また、栄養の豊富な皮はむかずに食べるほか、種も炒っておつまみにするなど、余すところなく利用しましょう。
【調理例】
・煮物
・ゆでたかぼちゃのサラダ
・ポタージュスープなどのスープ
・炒めもの
・天ぷらやコロッケなどの揚げ物
・グラタンなどのオーブン料理
・パイ、クッキー、ケーキなどのスイーツ
・種を乾燥させ、炒っておつまみに
・加熱したワタをジュースに
かぼちゃの食べ方
【冷凍すると】
食物繊維や脂溶性ビタミンEなどは冷凍による変化はないですが、茹でてから冷凍すると、ビタミンCは熱に弱く、カリウムは水溶性なので減少します。
【加熱すると】
かぼちゃに含まれるβーカロテンやVEは熱に強く、油に溶けやすい脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂取すると効率よく吸収できます。
【食べ過ぎると】
肌が黄色くなったり、太ることもあります。
かぼちゃは炭水化物が多く、カロリーも高めなので、たくさん食べると肥満に繋がることもあります。
1日100〜200gを目安にすると良いでしょう。
【妊婦が食べると】
食物繊維も多く含まれているので、妊婦さんの悩みでもある便秘改善には効果的です。
ただ、糖質も多いので、食べすぎには注意が必要です。
ビタミンAを過剰摂取すると、細胞の発生や分化に関わるので、妊婦は取りすぎてはいけないと言われますが、かぼちゃに含まれるβーカロテンは必要な分だけ体内でビタミンAに代わり、余りは体外に排出されるので、過剰摂取にはなりません。
よって、妊婦でも量に注意すれば、安心して食べられます。
栄養価が高いうえ、さまざまな料理に活用できるかぼちゃ。果肉はもちろん、種やワタも無駄なく活用していきたいですね。
監修/吉沼弓美子(管理栄養士)
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。