人間関係で傷ついたときに、その傷を癒す一番いい方法は無理に忘れようとしないこと
裏切られた、騙された......誰かから与えられた傷は、自分自身が失敗するよりもはるかに深いものになります。
こんなとき、意志の力で「早く忘れよう」とすればするほど、「やっぱり忘れられない」という矛盾に苦しみます。こうした対立では、必ず意志の力が負けるのです。
だから、むしろ向き合ってしまいましょう。
そのひどい出来事自体を変えることはできませんが、それが自分にとってどんな意味があったのかという評価の部分はいくらでも変えることができます。
「最悪」という評価に終始するのか、それとも「確かに傷ついたけれど、おかげで自分の甘い部分がわかった」と思えるのか。
評価を変えることで成長し、その後、同じような目には遭わなくなるかもしれません。
だから、忘れようとするよりも、それを反芻して思い出せるようにしておくことのほうが、実は大事なのです。
もちろん、言うほど簡単なことではありませんから、周囲の力も借りましょう。友だちに話を聞いてもらうなど、言語化することでずいぶん楽になるはずですよ。
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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。
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