「備後府中焼き」はカリカリの食感が魅力
アツアツの鉄板に牛ミンチ肉から出た脂を広げ、生地を薄くのばします。この薄さも「府中焼き」のクリスピーな食感には欠かせない要素です。
キャベツは1枚につきおよそ150~160グラムを使用します。「お客さまの中には、キャベツをダブルでご注文される方もいらっしゃいますよ」と店長。
天かすと生卵、麺を乗せたら、最後にメインの牛ミンチ肉をたっぷりと! 「牛一頭から取れる脂を全部使うのではなく、特に甘みの強い部分を使います」。脂が溶け出すまでしばらくこの状態にしておきます。
いい具合に脂が出たところで一気に返します。パリパリ感を期待させる、絶妙な焼き色がつきました。
ヘラで上から強めに押さえて形を整えます。
「鉄板の熱で肉の余計な脂が流れ出し、揚げ焼きになるとともにヘルシーな仕上がりになります」(店長)
ふたたび生地を返し、ソースと青のりをかけたら、完成です!
生地のパリパリッとした歯ごたえと、香ばしい風味が広がります。
別名“カープ麺”とも呼ばれる、唐辛子を練りこんだ辛麺バージョンの「府中焼き」
焼き上がった「府中焼き」がふるまわれました。
一口食べてみると、生地のパリパリッとした歯ごたえと、香ばしい風味が広がります。キャベツは鉄板の熱で蒸され、みずみずしくやわらか。おたふくソースとカープソースを独自にブレンドしたオリジナルソースとの相性も良く、豊かな甘みを感じます。麺のボリュームも、十分な満足感。
あっさりと軽いテイストで、店長の「女性でもペロッと1枚いけちゃうでしょう」という言葉にも納得です。
「府中焼き」のルーツ
「府中まちなか繁盛隊」高橋会長が、「府中焼き」の歴史について語ってくれました。
「もともとは、働くお母さんが子供のおやつとして作っていたお好み焼きが「府中焼き」のルーツ。その時代は、牛ミンチ肉ではなく安価なちくわを使っていました。
ある日、市内のとある飲食店が牛ミンチ肉を入れて提供したところ、これが大変評判が良く、一気に市内に広まりました。それが現在の「府中焼き」として、脈々と受け継がれているのです」。
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