他人がどう思うかではなく、自分が「心地良い」と感じることをして生きる
幸せに生きるためには、他人の価値観や「ものさし」ではなく、まず自分の価値観による幸せがどういうものかを、自分自身で把握しておくことが大切です。
簡単にいえば、自分が「どんなときに気分が良いのか」、あるいは、「どんなことが心地良いのか」をはっきりと認識し、その状態をつくり出していくことに力をそそぐわけです。
脳には、快感を生み出すことにかかわる部分がいくつかあり、総称して「報酬系」と呼ばれています。自分が「心地良い」「気持ちいい」と感じることをするのは、この報酬系を刺激していることになり、理想の自分と現実の自分が一致する「自己一致」の状態になっていきます。
これは、いわば「あるがままの自分」を受け入れている状態であり、自分で自分のことが好きな状態ともいえます。そして、こうした状態はすべて、他人の「ものさし」ではなく、自分の「ものさし」で生きることからはじまるのです。
「もっと成功したい」
「もっと美しくなりたい」
「もっとお金がほしい」
そんな他人との比較に心がとらわれていると、自分の幸せを見出すことは永遠にできません。それよりも、自分だけの幸せを打ち立てることに全力を尽くすのです。
「自己一致」の状態になると、つねに「心地良い」と感じているので、生きることがどんどん楽になります。そんな人はまわりの人も穏やかな気持ちにさせるので、人にも好かれやすくなっていきます。
そうして、さらに「心地良い」と感じられる環境が、自然と自分のまわりにつくられていくのです。
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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。
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