周りと馴染めないのは口癖が原因かも!? 気をつけたい会話の語尾 #失礼な日本語

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2020.06.03

言葉は日々変化しているもの。だから、何気なく使っている日本語も、いつの間にか相手に不快感を与えてしまうワードになっていた、なんてことも。そこで、『失礼な日本語』の著者である岩佐義樹さんに、saitaPULSの読者がつい使ってしまいがちな「不快な日本語」を教えてきただきました。

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ついつい使ってしまう「~だそう」

テレビや雑誌でも、たびたび使われる「~だそう」と言う語尾。ライターとしてコスメ記事を書く際にも「この美容液は、ハリとキメを求める人に、ぴったりなのだそう」と言う使う方をよくします。でもまさか、これが人に不快感を与えているなんて! 「なぜ皆さん『~だそうです』と言わないのでしょうか?」と言うのは、『失礼な日本語』の著者である岩佐義樹さん。早速その理由についてお伺いしました。

文法的に不完全な使い方

「『そうだ』というのは伝聞の助動詞で、終止形はもちろん『そうだ』。丁寧に言うと『そうです』となります。だから『そう』で止めてしまうと、語幹だけで文法的に不安定なんです。でもなぜ『だ』という、たった一文字を略すのでしょう?  多分、同じ『そうだ』でも意味の違う、態様の助動詞が『負けそう』など『だ』を略すことが多いので、その用法が広がっているのかもしれません」(岩佐さん)。

無意識に感じる、違和感

とは言え「~だそう」と言う使い方は徐々に広がり、新しい用法や意味を積極的に採用する「三省堂国語辞典」(第7版 2014年)では、ついに認知されました。「実際に読者の意識を探るため、毎日新聞社校閲センター運営のサイト『毎日ことば』でアンケートを取ったところ、約半数が『違和感あり』と言う答えが。またツイッターの反応では、『~だそう』は意味を取り違えやすいと言う意見が複数ありました」(岩佐さん)。

<アンケート>
Q「人気だそう。」など伝聞の意味で止める表現。
違和感ありますか?

 違和感あり。「だそうだ」とすべきだ 48.0%
 自分は使わないが変とは思わない 30.9%
 違和感はないし、自分でも使う 21.1%

自分は何気なく使っていた「~だそう」の言葉。でも半数の人に違和感を与えてしまうのも事実です。もし文脈や言葉で、相手に誤解を与えてしまったことがあるなら「~だそう」を使うのは、少し控えてみるのがいいかもしれません。

教えてくれたのは 毎日新聞社校閲センター前部長 岩佐義樹さん

毎日新聞社校閲センター前部長 岩佐義樹さん

1963年、広島県呉市生まれ。早稲田大学第1文学部卒業後、毎日新聞社に校閲記者として入社。用語委員会用語幹事などを務める、日本語のスペシャリスト。毎日新聞校閲センター運営のウェブサイト「毎日ことば」や「サンデー毎日」の連載コラム「校閲至極」などにて執筆中。

『失礼な日本語』
著/岩佐 義樹
ポプラ社
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