不安の中で見つけた、つながりと豊かさ|料理研究家・田内しょうこさんの#やめたこと #始めたこと

ライフスタイル

2020.07.02

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「自分にとって必要なものや自分が望むもの」を考える時間が増えた

コロナ禍によってもたらされたライフスタイルの変化。
今までのように外出できない不自由さはあったものの、決してネガティブなものばかりではなかったと思います。

私の場合は、人目を気にする機会が一気に減り、自分にとって必要なものとは、自分が望むものとは、を考える時間が増えました。直感的、本能的になったとでもいうのでしょうか。

SNSなども当初は「いまこそ発信しなくては!」という気負いも感じたりしましたが、徐々に気負いも消えて、いまは気楽にやっています。この状況の中で生まれてくる自分の感情に従いたいな、と思っています。自分の感覚に耳をすます時間を落ち着いてじっくり持てるのは、子どもが生まれて17年近くたって初めてと言っていいくらいのことで、不安な生活の中ですが貴重な体験ができたと思っています

不安の中で見つけた、優しさとつながりと豊かさ

出典:tauchishoko.comSNS上で盛り上がった「料理リレー」。友人からバトンを渡されて私が紹介したのは「チキントマトピラフ」

アフターコロナの世界では、優先順位の付け方がそれぞれ変わっていくのでは、と思います。友人たちを見回しただけでも、いろいろな変化が起きてきています。この状況の中、経済もどうなっていくか不安要素だらけなのに「自分らしい働き方をしたいから」と自主退職した人が数人います。また政治の動向を注視したり世界の報道に耳を傾けたりする余裕が生まれ、自分たちの暮らす社会への関心も今までになく高まっていると感じます。仕事の様子を見ても、新しい工夫がどんどん登場してきて驚くばかりです。例えばカメラマンの友人は、被写体となる方に必要機材を送って自分で設置してもらい、Zoom越しに相談をしながら撮影をする、というリモート撮影までをこなすようになっていたり。発想がどんどんクリエイティブになっている様子に、人間の順応力や知恵ってすごいなと感動しています。

不安も多いけれど、たまに話ができる友人の存在がこれまでになくありがたく感じられたり、自分自身の感情もとても敏感になっているなと感じます。流通業や店舗、生産者、医療関係などのエッセンシャルワーカーの方々のお仕事の様子や、実際に病気で苦しむ方の様子を知る機会も増えました。もう25年以上前の話ですが、わたし自身、阪神淡路大震災で被災した際には、実家から東京に戻ったとき多くの方に本当に親切にしていただきました。大変なことが起きたときには、人はお互いに優しくなるということを身を以て知っています。もしもまた忙しい毎日に戻ったとしても、人の働き方や暮らし方に想像を傾けること、ありがたいと思うことは忘れないようにしたいと思っています。

プロフィール:田内しょうこさん

出典:tauchishoko.com

「働くママの時短おさんどん料理」「育休復帰のためのキッチンづくり」「忙しいワーキングマザーのための料理」「子育て料理」をテーマに、書籍や雑誌、ウェブサイトで発信。出張教室やセミナーのほか、食と子育て関連の情報発信を行う。著書に『時短料理のきほん』(草思社)、『働くおうちの親子ごはん』(英治出版)、『「今日も、ごはん作らなきゃ」のため息がふっとぶ本』(主婦の友)などがある。

ブログ:働くおうちの親子ごはん!

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