コロナの影響でフランスの学校が日本化?お弁当や席固定、おじぎまで! #フランス子育てコラム

家族・人間関係

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2020.06.01

新型コロナウイルスの影響で、数多くの感染者、死亡者が出たフランス。幼稚園から大学まで、全国の学校が3月中旬から閉鎖されました。いまは都市封鎖が段階的に解除されている途中です。
ただそんな中でも、学校は着々と準備中。再開後の学校の様子はどんなふうになるのか、フランス在住二児の母がレポートします。

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休校開けはお弁当持参に? 席も固定?

出典:www.photo-ac.com久しぶりのお弁当づくり、燃えます。

2ヶ月の夏休みのほかに、2週間のバカンスが年4回、ただでさえ休暇の多いフランスですが、今回の学校閉鎖がすでに2ヶ月、子どもたちも家にいるのに飽き飽きという状態なのは日本と同じです。
先日、子どもの通う中学校から連絡が来ました。「5月下旬の学校再開にあたり、出席希望の生徒の人数を確認したく…」とのこと。
フランスの全ての中学校が同じ条件ではありませんが、我が子の通う学校の場合は、1クラスの人数を15人までと制限するそうで、事前に希望をとったというわけです。
休校中はネット授業が行われていますが、学校再開後もこれは継続されるそうで、登校しなくてもネット授業を受ければ出席とみなされるということもあり、出席希望者は、33人のクラスで3,4人だったとか。
2万7000人(5月14日時点)を超す死者を出したフランス、まだまだ感染を警戒している保護者が多いということが分かります。

そんな保護者の胸中を察してか、中学校の打ち出した方針は、まず「感染防止のため、生徒の教室と座席は固定する」というもの。
フランスは、中学校や高校も、日本の大学のように、生徒が授業ごとに教室を移動するのがふつうです。座席も、決まっている授業もありますが、たいていは好きなところにすわってよし、という状況でした。
中学生が、教室移動のたびに重いリュックをしょって移動するのは大変だなと思っていたので、この改革は親としても嬉しいもの。
また、昼食は基本的に学食でとるのですが、学食も閉めてお弁当持参にし、自分の席で食べるようになるのだそうです。これも日本風ですね。
そして生徒が帰ったあとは、毎日教室と机、椅子の消毒が行われるようです。
ちなみにフランスでは、教室の掃除はプロがしています。これからは、日本のように、子どもが教室を掃除するというで、やや心配な面がありますね。

中学校以上の学校ではマスク着用が義務に

次は、校内でのマスクの着用です。
ほんの2ヶ月前までは、街中でマスクをしている人なんてほぼゼロでした。コロナが流行り始めたころに、日本から持って帰っていたマスクをつけて外出してみたのですが、周囲の視線が痛くて結局はずしてしまったほど。
3月はじめ頃までは、フランス政府も「マスクは感染を防ぐことはできない」と、一般人のマスク着用を否定していました。それなのに、その後数週間でこの方針転換!
今は、公共交通機関を利用するのにマスク着用が義務付けられたりしています。変われば変わるものですよね。
学校も、中学校以上はマスク登校が義務になりました。幼稚園児はまだマスクをちゃんとつけていられないということで、義務化はされていません。小学校はマスク着用が推奨となりました。
フランス全土でこうしてマスクの需要が高まってしまい、各自治体が布マスクの配布を始めています。ツイッターなどでアップされているものの中には、ただのフキンのようなものや、手作り感あふれる’’おかんアート’’風なものなど自治体によってさまざま。中にはマスクの役割を果たしそうもないものもあり、フランスはまだマスク初心者なんだな〜と感じます。


学校で日本式おじぎがとりいれられるかもという噂

出典:www.photo-ac.com子どものかわいい’ほっぺにチュッ♡’もなくなりそう…

そして、フランス人にとってはいちばん大事かもしれないこと。学校から言われていることのひとつに「握手やビズ(ほっぺを合わせる挨拶)はしない」というのがあります。
長年の習慣は変えづらいと思うのですが、これに関しても日本人として嬉しくなってしまったのが、おじぎをする人が増えたことです。あの、マクロン大統領でさえも、ニュースの中で、ちょっとおどけておじぎをしていました。

他にも、ちょっと微妙な作戦もあるにはあるのですが、学校が、子どもたちを感染から守ろうと真剣に取り組んでくれている様子は十分伝わってきます。
日頃適当だったり自分勝手なフランスの人たちも、いま、コロナ危機を乗り越えるために必死です。思春期の多感な時代にそんな状況を経験しているうちの子たち、ここで何を学ぶのか、勉強以外にもきっと何か、つかんでくれていると思います。というか宿題以外の勉強は全然してませんね…この緩み切った生活を断ち切るべく、学校が再開されたら我が家は登校する予定です。また学校の様子もレポートしますね。

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著者

Chaperon

Chaperon

パリ&近郊在住10数年。中学生二児の母です。インテリア取材などでフランス人のお宅拝見、数えてみれば200軒超。フランスのふつうの暮らしレポ、変なニュース、日本やフランス、世界のおいしいもの情報などお届けできたらと思っています。

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