更年期に冷えが生じる原因
40代に入ったころから、女性ホルモンは急激に減っていきます。このホルモンバランスの乱れによって自律神経系の働きが鈍り、血液の循環がわるくなり冷えにつながるのです。
「冷えは万病のもと」といわれるように、冷えをほおっておくと、免疫系が低下し病気にかかりやすくなったり、新陳代謝が悪くなり美容にも影響します。
東洋医学的には冷え症の原因は血が足りない状態(血虚)、血がとどこおっている状態(お血)、水分がたまっている状態(水毒)、気が不足している状態(気虚)などが考えられます。
続いて、更年期の冷えの改善方法をご紹介します。
1.まずは温活しよう
血流を良くするセルフケア、『温活』を取り入れましょう。
①ぬるめのお湯でじっくり温まる
寝る前に38~40度くらいのぬるめの湯にじっくりつかりましょう。リラックス効果もあり、体の芯から温まります。半身浴や足湯もおすすめです。
②ビタミンEで血行を改善
栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。特に朝食は必ず摂り、体のリズムを整えましょう。
またお勧めの栄養素はビタミンEです。ビタミンEは抹消血管をひろげて血行を良くし女性ホルモンのバランスを調整する働きがあります。植物油、ナッツ類、ブロッコリーなどに多く含まれています。
東洋医学の考えでは、体を温める食材(にんにく、ニラ、生姜など)を取り入れることも良いとされています。
③スクワットやピラティスを習慣に
ジョギング、散歩などの軽く汗ばむ程度の運動や、スクワット、ピラティスなどの筋肉トレーニングを習慣にしましょう。
運動することで血流が良くなり、体が温まります。また筋肉量が増えることで、基礎代謝が上がり体が温まりやすくなります。
もしまとまった時間に運動できないようであれば、日常生活のなかで活動量を増やしましょう。例えばエレベーターを使わず階段を利用する、食器を洗いながらつま先の上げ下げ運動をするなどできることから挑戦しましょう。
④締め付けない服を選び羽織れるものを常備
締めつけない洋服や下着を選びましょう。気温が高い季節でも、薄手のストールやひざ掛けなどを常備すると良いでしょう。また、カイロや腹巻などで腹や背中などを温めることもお勧めです。
漢方薬で体質から冷えを改善!
冷えは不定愁訴の一つであり、西洋医学では特に有効な治療法がありません。治療は漢方薬がメインとなります。
漢方薬は、西洋薬よりも副作用が少ないとされておりますし、対症療法ではなく、体質自体の改善に働きかけるため、根本的な解決につながります。同じ症状を繰り返したくない方に最適です。
また、健康的な食事や運動を毎日続けるのは苦手という場合も、医薬品として効果が認められた漢方なら、毎日飲むだけで効果を実感できるので、手間なく気軽に継続できますね。
冷え改善のために使用されることの多い漢方薬をご紹介します。
<温経湯(うんけいとう)>
主に唇がかわき、手足がほてり、足腰の冷えある方につかいます。
<当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)>
主に手足の冷えを感じ、下肢の冷えが強く、下肢や下腹部が痛くなりやすい方につかいます。
<当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)>
主に貧血傾向で疲れやすく、足腰の冷え症がある方につかいます。
漢方薬を選ぶ際には自分の体質に合ったものを選ぶ事が大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないことや、副作用が出ることもあります。購入時にはできる限り漢方に精通した医師、薬剤師等にご相談ください。
自分に合った漢方薬が知りたいけど、近くに漢方専門薬局がない…という方には、オンラインで漢方相談ができるサービス「あんしん漢方」もおすすめですよ。
更年期の冷えは漢方とセルフケアで解決!
更年期の冷えは温活と漢方薬でぐっと良くなります。日常生活が忙しい方は漢方薬から試しても良いでしょう。万病の原因となりうる冷えを早めに改善して、いつまでも元気に、美しく年を重ねていきましょう。
この記事を書いた人
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 木村 英子
臨床検査技師、Vedic Healer Ayurved basic course 修了
検疫所、病院にて公衆衛生・感染症現場を経験した後、インドでアーユルヴェーダに出会いました。Dr Meenakshi Ahuja に 1 年間師事する中で東洋医学の奥深さを知り、現在はオンラインで相談が出来る薬剤師として働いています。
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