子どもが小さいころに親ができることは?
勝間:つまり親ができることは、環境を整えることですね。子どもがまだ小さい間の学校選びとどこに住むか、この2点が友達選びに直接結びつくので重要です。
例えば、アメリカの社会を見るとわかる通り、民族の住む場所の違いが、その後の人生に大きく影響を与えています。勉強をすると「何カッコつけてるの?」とバカにされてしまうような文化の地域で成長すると、勉強することを隠さないといけなくなり、積極的に勉強しなくなってしまいます。逆に「勉強しない子の方が変わっている」という文化で育つ場合と比べると、20年後には生まれつきの能力に関係なく教育レベルそして生活レベルまで大差がつくのではないでしょうか。
川村:そうですね。そして環境は男女についての考え方にも影響を与えると感じます。私は帰国子女で、アメリカの学校にも日本の学校にも通った経験があります。日本の教育は女の子を育てるには何か偏りがあるように感じました。「女の子らしくしよう」「一歩下がって」という考え方の先生がいたり、生徒会長は男子がすると決まっている学校があったり。もしそんな中で育っていくと女子は実力を発揮しようとしなくなるのではないかと思いました。それは将来的に非常に不利なことです。なので、娘がまだ小さいうちに「絶対この子は海外で生きていける人間に育てよう」と考え、インターナショナルスクールに入学を決めたんです。もしかしたら、娘じゃなかったら、そうは思わなかったかもしれませんね。
勝間:学校のカラーってありますよね。それは単純に男女共学かどうかではなく、その学校で女性がリーダーシップを取っているかどうかに注目すると見えてきます。中には、女子を男子の半数しか入れない学校があります。女子の方が成長が早く、パワーがあるので、あえて最初から人数を半分にしてパワーバランスを取ってるんですね。それが良いか悪いかはわかりませんが、女性がパワーを発揮していることがうかがえます。
では女子校なら男性の目を気にしなくてすむため良いのかといえばそうとも限りません。良妻賢母を育てるタイプの女子校もありますしね。学校の特性は事前にできる限り調べてみる方がよいですね。
川村:私が娘の学校選びで考えたことは「2つの文化の中で育てたい」ということでした。日本の文化と海外の文化ということです。私は、日本のほかにシンガポールとアメリカにも住んだ経験によって、1つの国の常識が別の国の常識であるとは限らないと気づくことができました。日本の常識で自分ができないことでも、違う国ではできることがあって、私はすごく救われました。自分が正しいと思っていたことが海外では真逆だったりすることもあったので、何が正しいかは複数の視点で見ないといけないと思っています。2つの文化で育てることは、視野を広げるという意味でも大切です。
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