娘に伝え続けている「人生の楽しみ方」
勝間:真木子さんは、お嬢さんに生き方について話をされますか?
川村:結構よく話しています。私は高校を20歳で卒業しました。ヤサぐれていた時期があったりして(笑)。紆余曲折ある人生を送ってきましたが、自分の人生に誇りを持っています。なので娘には、何歳で高校を卒業しないといけないとか、20代30代はこうしないといけないとか、そんな決まりは全然ないよと、よく言っています。みんなと同じような生き方をしなくてもいいし、大学に行かないといけないわけでもない。自分がその時々で幸せを感じ、自分がやりたいと思っていることをできているのか、自分が得意なことで生きていけているか、そういうことの方が大事なんだよって。
自分が幸せかどうかを中心に考えるようにと何度も言っていますが、実際は学校の友達に影響されやすいですね。「私はこの学年だからこれをしないといけない」とか。そんなこと人生という広い視野でみれば大したことじゃないよって伝えています。
勝間:うちの娘たちは、私が自由に生きている姿を見て、自然に学んでくれているようです。
前に「会社辞めたいんだけど」って打ち明けられたときは「辞めたいんだったら辞めれば?」って返しました。「次は外資系がいいよ」とは言いましたけどね(笑)。
それがもし、「転職活動をするから半年間生活の援助をしてほしい」と言われたら断るでしょうね。その場合は、半年暮らせるだけの貯金をしてから転職活動をしなさいと助言します。
川村:お金に関しては私もはっきりと伝えています。インターナショナルスクールに通わせたり、海外の全寮制学校に入れたり、娘にはお金をかけてきましたが、「大学を卒業したら一切お金を出さない。すべて自分でやりなさい」と言っています。なぜなら、自分で稼いだお金で生きて、初めて自分の人生だから。そうやってこそ人生が楽しくなるんですよ。
勝間:わかります!たとえ貧乏暮らしであっても、自分のお金で生きるのが楽しいですよね。
私も援助はしません。
川村:そうです。私がお金をあげてしまうと、それは彼女の人生ではなくなってしまうと考えています。
勝間:自分の稼いでいる範囲で生きるって大事なことですね。親を頼って、親の援助ありきでやっていると人生の設計バランスが崩れてしまうのでよくありません。私と同世代で、子どもの学費を実家に頼ってしまったことによって、実家に何かあったらたちまち困窮してしまったというパターンを見ることがあります。親がそもそも援助を良しとしていたことが問題だったと思います。
逆に学生の間は親が援助すべきだと考えます。学費しか払ってもらえなくて生活費のためにバイトばかりして勉強する時間がない大学生はかわいそうですよね。
川村:援助する時期を間違えてはいけませんね。
社会に出たら、自分の稼ぎで生きていくことが、自分らしい人生を生きることにつながる。
もともと日本の社会って、結構「この時期はこれ」って決められてしまっていて、自分の頭で自分の人生を本気で考えていく姿勢が身につかない気がしています。
勝間:日本人って、答えだけを知りたがるのが特徴だなと感じることがあります。それは日本の教育の結果かもしれませんよね。
私は子どもに対して、ただ答えを教えるのはよくないことだと思っています。答えの出し方に必要な材料は提示するけれど、試行錯誤は自分でやるように導くのが良いですね。テレビやマスメディアでも「こうすれば健康に」「こうすれば痩せれる」という感じで、ひたすら答えだけを教えています。それよりも自分で考えることが大事だと思います。
娘たちには、自分の生き方を自分自身で考えて生きてほしいですね。
勝間和代さん、川村真木子さんのプロフィール
勝間 和代さん
東京生まれ。3女の母。
経済評論家、中央大学ビジネススクール客員教授。23歳で公認会計士試験に合格。監査法人、外資系銀行、大手コンサルティング会社での勤務を経て独立。著書に『勝間式 超ロジカル家事』『ラクして おいしく、太らない! 勝間式超ロジカル料理』など。最近は家事にも「ロジカルシンキング」を取り入れ簡単でコスパのいい方法を実践している。
川村 真木子さん
奈良県生まれ。一児の母。高校時代に渡米、UCバークレーを卒業する。卒業後、米投資銀行ゴールドマンサックスを経て米大手投資会社に転籍。4万人のフォロワーを抱える社会派インスタグラム@makikokawamura_が人気。
【勝間和代x川村真木子】対談
第1回目:母親になってから窮屈だと感じたことがある人へ
第2回目:あなたが働くことがパートナーのうつ病予防に!?女性の仕事選び
第3回目:ブランクがあっても諦めないで!女性の社会復帰で必要なものは1つ
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