ファッションが苦手な人は、「絞り」ルールですべてがラクになる
大学時代の私は、毎朝、服を選ぶのが苦痛でした。セールのたびに、目を惹かれるものから適当に手にとり、いつの間にか100着近い服がパンパンに詰まったクローゼットになっていたのです。
とりあえずトップスを取って、それからスカートを合わせてみたけれどなんだか野暮ったい。ぎゅうぎゅうの服の隙間になんとかスカートを押し込んで、次は別なパンツを合わせてみたけれどやはりいまいち。そんな毎朝のひとりファッションショーで、家を出るのはつねにギリギリでした。
でも今は、ほんの数秒で今日着る服を選べます。クローゼットはいつもすっきりと片づいているし、出し入れもかんたんです。
すっきりしたクローゼットをキープし、毎日の洋服を迷わず選ぶために大切なのは、買うときです。3つの「絞りルール」を活用しています。
1.数の絞りルール
1つ目は、服の総数を決める数の絞りルールです。近年、ものを減らすことがブームになっているので、こちらはすでに実践している方もいらっしゃるかもしれませんね。私は1シーズンあたり30着以内に押さえています。わが家のクローゼットでハンガーを使って収納したときに、取り出しやすく、きれいにしまえるのが30着までだからです。
なお、内訳はトップスとワンピースを合わせて20着、ボトムスが10着です。新しい服を買って、設定した数から増えたときは、似たテイストの服を1着手放します。
2.形の絞りルール
洋服の総数を決めるのは、何年も前からやっていました。ところが、いまいちうまく着回しができません。それは、洋服の形が原因でした。いろいろな形の服を持っていたほうが良いという思い込みがあったからです。
私たちは無意識のうちに、「こんな服を着たい」という願望があります。それは、自分に似合うものと好きなものをかけ合わせた服だと思います。
たとえば私だったら、ふわっとしたブラウスは好きだし体型に合います。とろみのあるシャツは好きだけれど、どうにも服に着られているように見えて結局着ません。ナチュラルなおしゃれさがあるはずのシンプルな形のTシャツは、体操服を着ているようで目も当てられないくらい似合いません。だから、シャツやTシャツは買わず、ブラウスやニットだけを買うようにしています。
こんなふうに、服の形を絞って買うだけで、本当に使えるクローゼットができます。
3.色の絞りルール
最後に、色の絞りルールです。きれいな色の服って、見ているだけでもわくわくしますよね。かつての私のクローゼットはとてもカラフルでした。でも、色の組み合わせにはある程度のセンスが必要です。
そこで考えたのが、ベーシックカラー以外の色は1色だけに絞るというルールです。ベーシックカラーは、白、黒、グレー、ベージュ、ブラウン、ネイビーです。それ以外の色は、たとえば赤やピンク、青などです。
私が買う“色物”の服は、自分が好きなパープル1色です。逆にいうと、パープルなら何でも良いと決めています。たとえば、ちょっとグレーがかった青っぽいパープルのフレアスカートや、ピンクがかったラベンダーカラーのチュールスカート、紫陽花のようなブラウスなどです。どんなベーシックカラーとも合わせやすいので、ファッションに苦手意識があっても上手にコーディネイトできます。
それでも、街を歩く人のミントグリーンのパンツや、ビビッドなピンクのスカートに目がいくこともあります。そんなときは、パープル以外の色を「小物」で取り入れます。全身ベーシックカラーの服にしたときに差し色にすれば、失敗しません。
たくさんの洋服を無駄なく着回すのは、難しい
ここまでのお話をまとめると、たくさん洋服を無駄なく着回すのは難しいということです。だから、まずは数を絞ります。数を絞るために、“どんな服を減らしたらいいのだろう? ”そんな悩みを解消してくれるのが、形と色の絞りルールです。最初に決めるべきは色です。あなたの一番好きな色はなんですか? まず、それを考えることから始めてみてください。そして、その色の服だけを選んで買うようにすれば、ファッションが苦手な人でも管理しやすい、整理されたクローゼットが完成します。
春物の華やかな服が店頭に並ぶようになってきました。手に取る前に、「絞り」ルールを思い出してみてくださいね。
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