パックのままとりあえず冷凍してない?「冷凍焼け」の原因に
スーパーでお肉を買ったあと、とりあえず冷凍庫に入れて保存している方は意外と多いのではないでしょうか。お肉を冷凍する際に、トレーのまま冷凍庫に入れてしまうと、いざ使いたいときに使いづらいうえに、上手に冷凍、解凍をしないと、霜がついて「冷凍焼け」してしまい、お肉の味が落ちてしまいます。
「冷凍焼け」ってなに?
冷凍庫内は通常マイナス18度以下の乾燥した状態。食材に含まれる水分は徐々に気化し、空気中に抜けてしまいます。気化した水分は温度変化により、ふたたび凍結して霜になり、「冷凍焼け」といわれる状態になります。冷凍焼けしてしまうと、食感がパサパサして味が落ちる、色が悪くなる、においが出るなど、せっかくのおいしさが失われてしまうのです。
「冷凍焼け」を防ぐためにコレだけはやってみて!
冷凍焼けでお肉の味が落とさないためにできることをご紹介します。
たれに漬け込む
「冷凍焼け」を防ぐために有効なのが、お肉をたれに漬け込んでから冷凍する方法。焼肉のたれに漬け込むことで、たれがお肉をコーティングし、水分の気化を防いでくれるので、冷凍時の乾燥や冷凍焼けによる味や食感の変化を抑えることができます。冷凍肉はご家庭の冷凍庫(-18°C以下)で保存し、約2、3週間を目安に使いましょう。
冷凍するときは「急速冷凍」を
お肉を冷凍する際は、組織や細胞の破壊を防ぐために、できるだけ短時間で温度を下げましょう。そうすることで、おいしさを損なわずに保存することができます。
解凍するときは「ゆっくり解凍」
解凍のコツは、急激に温度を上げず、凍った状態から徐々に温度を上げる「ゆっくり解凍」です。急激に温度を上げると凍結していた水分がうまみ成分と一緒に流れてしまい、おいしさが損なわれてしまいます。
特に冷凍保存する際に注意が必要な「ひき肉」
特に冷凍保存する際に注意が必要なのは「ひき肉」です。ひき肉は、通常「解凍」したものが売られていることが多いため、家庭で再度冷凍するのは品質劣化のためにも避けたいところです。よくやりがちな冷凍保存方法、あなたはやっていませんか?
パックのまま冷凍→(✕)
手間がかからないのでやってしまいがちなパックのまま冷凍ですが、「肉の水分が蒸発しやすく、冷凍焼けしやすく品質劣化は一番早いです。一気に解凍しないといけないため、全部使いきらないといけない点も不便です。
ラップに小分けにして冷凍→(△)
パックのまま冷凍するよりひと手間加えて、ラップに小分けしてから冷凍する方法は、使う分ずつ使えるメリットはあるものの、挽き肉は表面積が大きいため、解凍する際ドリップ(臭み)が出やすいです。また、そのまま加熱すると、肉同士もくっついて塊になりやすく注意が必要です。
下味をつけて、ラップに小分けにして冷凍→(◯)
焼き肉のたれなどの調味料で下味をつけることにより、肉の水分蒸発は防ぐことができます。使うときには加熱調理が必要です。加熱するとフワッとした食感になります。
味付けし加熱したものを冷凍→(◎)
最もおすすめなのは味付けし、加熱したものを冷凍する方法です。炒めてから冷凍保存するとドリップも出ないですし、すでに加熱してあるため、時短で調理に使えます。生と比較して加熱してある分日持ちがします。
このようにお肉を冷凍する際には、下味をつけてから冷凍する。冷凍する際には急速冷凍、ゆっくり解凍をする。ひき肉は冷凍焼けしやすいので味付け調理してから冷凍することなどをぜひ覚えておきましょう。今まで買ってそのまま冷凍していた方は、ひと手間かけたおいしいお肉で食事を楽しんでくださいね。
教えてくれたのは……エバラ食品工業株式会社 コミュニケーション部 菊岡裕子さん
管理栄養士/フードコーディネーター1級/お肉検定1級。2006年エバラ食品工業株式会社入社。マーケティング部にてメニュー開発を約10年間担当。2016年商品開発部を経て、2018年コミュニケーション部にてメニュー開発を担当。
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