茹で方で風味や食感が驚くほどよくなる!見た目も鮮やかな緑に
ほうれんそうは、ポイントを押さえて調理しないと、色が抜けたり、食感が悪くなったり、栄養が抜けたりします。
ポイント1:茎の長さごとに分けて茹でることで、食感がぐっとよくなる!
茹でる前に、バラバラになったほうれんそうを茎の長さごとに、大、中、小に分けていきます。
なぜ分けるかというと、ほうれんそうは、最初に茎の部分を湯に入れ、次に葉っぱも入れて茹でるので、茎の長さがバラバラだと、均一に茹でられないためです。
茎が折れたり散らばったりしないよう、根元の切り口を揃えて、きれいに洗った輪ゴムでゆるくしばります。
ちなみに、一番大きいサイズと小さいサイズを一度に茹でると、茹で具合に差が出てしまうので、自分のお店では、小さい葉はまかないに使います。
ポイント2:たっぷりの湯で茹でると、見た目も栄養も◎!
鍋にたっぷりの湯を沸かします。この時、氷水も用意しておきます。
ほうれんそうの緑色は、クロロフィルという色素ですが、クロロフィルは熱と酸に弱いという特徴があります。ですので、ほうれんそうを入れた時に湯の温度が一気に下がり、茹で時間が長くなるのを防ぐために、たっぷりの湯で茹でます。また、茹で時間をできるだけ短くすることで、水溶性の栄養素や鉄分などのミネラルが抜けていくのを防止します。
ポイント3:1.5パーセントの塩が、栄養、味わい、見た目に効果を発揮!
沸騰したら、湯に対して1.5%の塩を入れます。この時、突沸を防ぐため、いったん火を止めて塩を入れると安全です。また、水に塩を入れると湯の沸点が少し上がり、湯が沸くスピードが遅くなるため、塩は沸騰してから入れましょう。
茹でるさいに塩を入れると、次のような効果があります。
- えぐみを抑える
- 栄養素を抜けにくくする
- 下味をつける
- 色を安定させる
ポイント4:茎と葉は、時間差で最適な茹で加減に
サイズによって適した茹で時間が異なるので、別々に茹でましょう。大きいサイズのほうれんそうの茹で時間は、全体を通して1分くらいが目安ですが、産地や種類などによって最適な茹で時間は変わるので、触ったり味見をしたりして茹で時間を調整しましょう。
ほうれんそうの葉と茎では、茹で上がる時間が倍くらい違うので、最初に火が通りにくい茎を湯に入れ、次に葉も入れ、全体を茹でていきます。まず、茎を入れて30秒ほど茹でます。
次に、葉っぱも入れて、さらに30秒ほど茹でます。
これでほうれんそう全体の食感が格段によくなります。
ポイント5:ふたをせずに酸を揮発させると、色よく仕上がる
ほうれんそうは茹でると浮いてきますが、ふたはしません。緑色の色素であるクロロフィルは、酸に弱いので、ほうれんそうから溶け出したシュウ酸などの酸を揮発させ、酸性を低くさせるのも、色よく茹でるポイントです。
ポイント6:冷水でさっと冷まして色、栄養をキープ!
クロロフィルは熱にも弱いので、茹で上がったら、すぐに氷水に取ります。また、栄養が水に溶け出したり味が落ちたりするのを防ぐために、冷めたら早めに水から取り出し、繊維が壊れない程度にしっかりめに水気を絞ります。
きちんと調理したものとしていないものでは、ここまで違う!
右は、きちんと調理したもの。左は大きさを分けずに、水からほうれんそうを入れて茹で、ざるに上げてそのまま放置したものです。比較すると、右のきちんと調理したものは色が綺麗に残っているのが分かります。特に茎の色が全く違います。
食べてみると、きちんと調理しなかったものは、青臭さが気になります。
きちんと調理した方は、甘みがとても強く、栄養素が抜けていないことが食べた瞬間に分かります。食感もしっかり残っていて、旨味も濃いです!
教えてくれたのは:岩野上幸生さん
YouTubeチャンネル「飲食店独立学校 /こうせい校長」は登録者数23万人/料理人歴18年目/飲食店経営者
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