「ラブラブ」じゃなくてもいいんじゃない?プロが教える最小努力で最大効果のあるコミュニケーション方法とは

家族・人間関係

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2021.06.20

結婚して十数年も経てば日々の忙しさに揉まれて、いい意味でも悪い意味でもパートナーの存在が当たり前になってしまいがち。まわりのラブラブなカップルや夫婦とつい比べて、「私たちも昔はあんな風だったのに」なんてため息をついてしまう瞬間はありませんか? コロナ渦になり、夫婦がずっと同じ家にいることで関係が悪化したという話も耳にします。夫婦カウンセラーとして活躍する椎名あつ子先生に、夫婦のちょうどいい関係について聞いてみました。

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コロナ禍が夫婦危機を加速!?

夫婦喧嘩出典:www.photo-ac.com

先生によると、コロナ禍で夫婦関係に関する相談件数も激増したのだとか。自粛生活やリモートワークなどで家族が自宅で同じ時間を過ごすシーンが増えた今、何かとパートナーの「粗」が目についてしまうのも当然だといえるかもしれません。

「カウンセリングに来られるご夫婦は実は7:3の割合で、関係修復して婚姻関係を続けておられるんですよ」と椎名先生。
夫婦関係が危機的状況にあるからこそのカウンセリングでは?と、つい思いがちですが、実際カウンセリングに訪れるカップルは離婚が目的ではなくあくまで夫婦関係の改善を望んでいるケースが多いのだそう。そこで、関係修復のポイントはどこにあるのか、教えてもらいました。

挨拶も立派なスキンシップ!「ありがとう」で夫婦仲はもっとよくなる

微笑む男女出典:www.photo-ac.com

先生によると、夫婦喧嘩の最大の原因は男女の思考の違いにあるのだそう。一般的にコミュニケーション能力が高く、人に共感したりいわゆる「空気を読む」ことが得意だといわれている女性。これに対し男性は物事を論理的に考え、目的のための会話や行動を優先します。

このように男女で根本的な違いがあるからこそ、夫婦間には言語のコミュニケーションだけでなくスキンシップも欠かせない、という椎名先生。

もちろんこれは同意のあるセックスレス夫婦にもいえることですが、何もスキンシップ=セックスというわけではないのだそう。
肩をもむ、背中をさする、そばに座る……、そんなことでもお互いの信頼度が増すんだそうですよ。試してみる価値ありですよね。

さらに、もっと簡単な方法があります。それが「挨拶」。「挨拶はもっとも簡単で効果のある大切なスキンシップです」と先生は言います。「最近、夫と全然会話していないな……」、そんな人はまず「ありがとう」「お疲れさま」から始めてみませんか?

夫への「不満」が爆発しそうなときほど実はチャンス!


毎日たくさんの夫婦のカウンセリングをしている椎名先生。
「パートナーへの不満や憤りで意固地になってしまい、自分の「本音」に気付けていない女性が多いと感じる」と言います。夫婦喧嘩の手もと出典:www.photo-ac.com

カウンセリングに来るご夫婦で夫婦仲が停滞した状態の場合、お互いの不満がたまりにたまっています。
「『ごみをそのままにする』『食べた食器すら下げない』『挨拶もしない』『家事も育児も私のワンオペ』と、不満がどんどん出てくるけれど、『あなたはどう解決していきたいですか?』『相手とどんな家庭にしたいと思っていますか?』と聞くと『えっ!?』って皆さん言葉に詰まるんですよ」と、椎名先生。

小さな不満をひとつひとつ聞いてひも解くと「もっと大切にされたい。認められたい。つまり大切にされるとは、しっかり目をみて話を聞いてくれること」など出てくるんだとか。
この「本音」が本人も見えていない状態だと、解決までたどり着くことができません。

たとえ応急処置的にパートナーがお皿を洗ってみたりしても、「今日だけやっても無駄!」なんて切り捨ててしまっている可能性があります。

もし、パートナーに対して「なんであの人は!」と怒りが爆発しそうになったら、その怒りをぶつける前に「この怒りをぶつけた結果、どうなりたいんだっけ」と考えてみるといいかもしれません。

夫婦喧嘩になりそうなときに見直したいチェックリスト

ひび割れたハート出典:www.photo-ac.com

パートナーに限らず人間関係がこじれると、「ああしてほしい」「こうしてくれればいいのに」とつい相手に求めてしまいがちですよね。
ですが実際、人の気持ちや行動を変えるのはかなりハードルが高いもの。なら自分を変えてしまった方が手っ取り早いと思いませんか?
喧嘩のときこそ、まず自分との向き合い方が大切! 下記のチェックリストをぜひ参考にしてみてください。

【CHECK LIST】
・パートナーのために自分が変われたことはある?
・できていないことをできたふりしていない?
・よくない状態を相手のせいだけにしていない?
・よかれと思ってしたこと、実はパートナーの負担になっていない?

いかがですか? これまでの自分の言動を振り返ってみて、もし「思い当たる節あるかも」と、気付くことができれば、夫婦関係改善への第一歩です。

ラブラブな状態ではなくても、最低限の礼儀や思いやりを持って接することで、パートナーシップはうまくいくのですね。まずは「挨拶」を意識的にしてみることから始めてみませんか。

椎名あつ子先生

《椎名あつ子先生》
Profile
2000年「横浜心理ケアセンター」設立。
1対1のカウンセリングのほか、夫婦カウンセリング、また複数でのファミリーカウンセリングにも対応。
モラハラやDV、職場ストレス、子ども・大人の発達障害の相談にも多数の実績がある。
医療や法律の専門家との連携をしている。著書に『ゆがんだ愛 それから』(ギャラクシーブックス)がある。

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