教育費で後悔する2つの失敗ポイント
Aさんのような家計になってしまう原因は、主に2つあります。
1つ目は、子どもが小さいうちに将来の備えをしてこなかったこと
2つ目は、安易な選択を繰り返してきたこと
以下、具体的に解説します。
1子どもが小さいうちに将来の備えをしてこなかったこと
Aさんご夫婦は、子どもの教育に大変熱心でした。お子さんが小さいうちから習い事を始め、塾にも通わせました。二人の子どもが小学校高学年になる頃には、習い事の支払いでいっぱいになり、貯蓄ができなくなりました。それでも、「子どもの将来のため」「将来のことは何とかなる」とお子さんの教育を第一優先にしてきました。時には借り入れをして生活費を賄うようなこともあったといいます。
Aさんご夫婦のように、お子さんの教育に熱心になるのは素晴らしいことです。しかし、子どもが小さいうちから身の丈以上の背伸びを繰り返してしまうと、当然貯蓄はできなくなります。お子さんが小さいうちの貯め期に貯蓄ができないと、老後にまで大きな影響がでる可能性もあります。
将来のリスクも考え、ある程度の貯蓄を残しながら、できる範囲でお子さんの教育に力をいれることで、Aさんのような家計になることは防止できます。
2安易な選択を繰り返してきたこと
Aさん夫婦の行動の基準は「思いつき」でした。住宅ローンの金額も返済期間も「なんとなく」で決め、将来の計画は立てていませんでした。車のローンも、お子さんの学費がかかる時期は外すなどの工夫は思いつきもせず、買い替えたいときに買い替え、ローンの返済額にも無頓着でした。
お友達が私立を受験をすると聞けば私立の学校を選択するなど、支払い能力を無視した選択が続きました。
Aさん夫婦は、「お金が足りなくなったら借りればいい」と考えていたところもあり、「なんとかなるだろう」が通用しないほどに負債が積みあがり、初めて「なんともならない」ことに気づいたのです。
お子さんの教育費をしっかりかけたいのであれば、お子さんが小さいときから、本格的に教育費がかかる時期を見据えた選択を積み重ねることが、重い教育費負担に耐えうる強固な家計を作ります。
お子さんが小さいときに、まずはライフプランを考えて、いつ頃に教育費が最も重くなるのかを把握することは大切です。またその時期には車ローンの返済などが重ならないように工夫したり、ご家庭に合った子どもの学校選びをしたりするなど、支払い能力を考慮した選択をしていきましょう。