「学び欲」を刺激するゲームを親子で楽しもう!
子どもが自発的に学びに取り組むには、「夢中」になることが大切と前回お話しました。
「夢中」になるには、「〜しなさい!」という命令よりも、「〜はどうかな?」といった質問・提案型のフラットな声かけが効果的です。
ただ、家庭の文化は一朝一夕にできるものではありません。これまで管理・支配する関わりが続いていた場合、頭では理解していても、行動をすぐに変えるのはなかなか難しいものですよね。
そんなときにおすすめなのが、親子でゲームを楽しむことです。日常のひとコマを使ったゲームを親子で楽しむことで、保護者は自然と子どもと「横に並んで立つ」姿勢が身につき、子どもは学びの楽しさを発見できます。
「学ばせよう!」と力まなくても大丈夫。ポイントは、「いっしょに楽しむこと」です。リラックスして、やってみましょう!
算数が楽しくなる!「ナンバープレート10」ゲーム
「ナンバープレート10」ゲームとは?
自動車のナンバープレートにある4つの数字すべてを使って、答えを10にするゲームです。
《ルール》
- 使う数字は、自動車のナンバープレートにある4つの数字のみ!
- 足し算、引き算、掛け算、割り算を組み合わせて、答えが「10」になる計算式を作ろう!
- ()を使うのはOK!
- 4つの数字の順番を入れ替える、数字すべてを使っていない、ナンバープレートにない数字を加えるのは×
家族で車移動しているときにおすすめのゲームです。見かけた車のナンバープレートをチェックして、4桁の数字を使って遊びましょう。子どもが苦戦していたら、数字をひとつだけ使わないなどのオリジナルルールを加えて難易度を下げてもOKです。
「まずは足し算と引き算だけで考えてみたら?」
「次のパーキングまでにみんなで協力して3つ作ろう!」
などと声をかけて、楽しんでできるといいですね。
四則演算の力や、逆算的にものごとを考える力を育めます。答えを導くための逆算的な発想力が、ゲーム感覚で鍛えられますよ!
大人も楽しめる!「名前を使わずに検索せよ!」ゲーム
「名前を使わずに検索せよ!」ゲームとは?
答えとなる「公式のウェブサイト」を事前に決めて、サイト名そのものを直接使わずに、誰がより上位にそのサイトを表示させられるかを競うゲームです。
《ルール》
- はじめに参加者全員で、答えとなる「公式のウェブサイト」を決める
- サイト名そのものや、「公式」の単語を検索欄に入力するのはNG!
- 初めはキーワード1つからスタート。答えのウェブサイトが表示されなければ、徐々にキーワードを2つ、3つと増やしていく
- 先に答えのウェブサイトを検索結果上位に表示させた人が勝ち!
答えに設定するウェブサイトは、お菓子の名前や商品名、企業名や観光名所など、公式HPがあるものを設定しましょう。子どもが興味を持つものをお題にすると、盛り上がります。徐々に、歴史上の建築物や、世界遺産、教科書に載っている固有名詞など、学習的な単語に挑戦するのもいいですね。
遊びながら情報を検索する力を身につけ、語彙力・説明力のアップも期待できるゲームです。
情報検索力は、これからの時代に身につけておくべきとても大切な力です。子どもがパソコンのタイピングができないようなら、入力したい言葉を言ってもらって親が入力しても楽しいですよ!
教えてくれたのは:岩田拓真さん
株式会社エイスクール代表取締役兼クリエイティブ・ディレクター
成績アップや受験合格のためではなく、子どもの興味関心を広げて深める「探究学習」に特化した学習塾「a.school(エイスクール)」を2014年に開校(東京・本郷)。開発した探究学習プログラム「なりきりラボ」「おしごと算数」はグッドデザイン賞を受賞。これらのプログラムを、全国50以上のパートナー校に提供中。企業・行政とのコラボレーションも多数あり、新しい学びを作り出す次世代型教育企業として注目を浴びる。著書に『「勉強しなさい」より「一緒にゲームしない?」』がある。
もっと知りたい方は『「勉強しなさい」より「一緒にゲームしない?」』
『「勉強しなさい」より「一緒にゲームしない?」』(主婦と生活社)
著者:岩田拓真
定価:1650円(税込み)
「学び欲」を育てる親子ゲーム30個や、夏休みの自由研究に取り組むコツなどを収録。