「夏休みの宿題やりなさい」はNG!子どものやる気を引き出す“親がすべき4つのポイント”

家族・人間関係

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 夏休みの宿題のやる気を引き出す4つのポイント

2021.08.06

親にとっても負担になる、子どもの夏休みの宿題。子どもの自主性にまかせたいけど、放っておいて夏休み終了間際に進んでいないことが発覚するのも困りもの。子どもにどこまでまかせて、親はどこから、どんなふうにサポートするといいのでしょうか?  『「勉強しなさい」より「一緒にゲームしない?」』の著者であり、「学ぶことへの興味関心を育て、自分の頭で考え、伝える力」を磨く「新時代」を見据えた塾『エイスクール(a.school)』の校長、岩田拓真さんに「子どもが自ら宿題に取り組む」コツを教わりました。

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もくじ

夏休みの宿題は手伝う? 手伝わない?
サポートするときのコツとは?
1:目標は、実力の「2割増し」に設定する
2:「余白」を作る
3:「ここからは口出ししない」と保護者が決める
4:進捗確認のときに「怒らない」
家族みんなで夏休みの目標を立てよう!
教えてくれたのは:岩田拓真さん
もっと知りたい方は『「勉強しなさい」より「一緒にゲームしない?」』をチェック

夏休みの宿題は手伝う? 手伝わない?

宿題出典:www.photo-ac.com

保護者が夏休みの宿題をどうサポートするのか、そもそもサポートするのか、しないのか、悩ましい問題ですよね。
個人的には、夏休みの宿題をやらないという選択肢もアリだと思っています。子どもが宿題をやらず、結果的に先生に怒られたとしても、それを含めて「学び」だからです。とはいえ、そこまで腹を括れない! という保護者のお気持ちもよくわかります。

結論からいうと、夏休みの宿題をすべて子ども(特に低学年)だけで管理・実行することは、なかなかハードルが高いと思います。小学校高学年から中学生へと成長していくなかで、子どもは少しずつ時間の使い方をコントロールできるようになります。まずは1日の過ごし方をマネジメントするようになり、それが1週間になり……と、自己管理できる期間が伸びていきます。

夏休みの宿題は、1ヵ月以上のスパンで取り組むもの。子どもにとってはかなりの長期戦です。その子の力に応じてサポートしましょう。たとえば、小学校1年生であれば1日ごと、ある程度まかせられる学年なら1週間ごとに目標を立てて、定期的に進み具合を確認してみてはいかがでしょうか?

サポートするときのコツとは?

実際に目標を立てるときのコツを4つご紹介します。

1:目標は、実力の「2割増し」に設定する

目標は、その子ができることの「2割増し」を目安にするのがおすすめです。がんばってチャレンジすれば成功できる! というレベル感がポイント。壁にぶつかったとき、うまくいかないときは、目標が高すぎるのかもしれないので、見直してみましょう。

2:「余白」を作る

実力の「2割増し」の目標設定がおすすめですが、毎日続けるのは大変です。目一杯詰まったスケジュールでは、自由な時間がなくなり、ワクワクしたり、夢中になったり、探究する心が生まれにくくなったりします。
「余白」があると、子どもたちは自分から試行錯誤するようになり、それが後々学びにつながります。子どものやる気を引き出すために、「余白」を作りましょう。余白出典:www.photo-ac.com

3:「ここからは口出ししない」と保護者が決める

子どもに「余白」を与えるためには、保護者が管理・干渉しすぎないことが肝心です。ここまでは口を出す、ここからは見守るというラインをあらかじめ決めておきましょう。目標設定はいっしょに考えるけど実行中は口出ししない、週1日は口出ししない日を作るなど、線引きできるといいですね。
丸1日口出ししないのが難しいのなら、数十分でもOK! 達成できたら自分に「ご褒美」をあげるなど、保護者も楽しんで目標に取り組めるといいですね。

4:進捗確認のときに「怒らない」

保護者が「宿題を終わらせないと!」と焦っていると、どうしても強い声かけになってしまいます。「勉強しなさい!」が逆効果なワケ。積極的に勉強する子に変わる“声かけのコツ” でも紹介したように、子どもの自主性を育むには、「〜はどうかな?」といった質問・提案型のフラットな声かけが効果的です。思うように進んでいなくても、フラットな姿勢で接するよう心がけましょう。

子ども出典:stock.adobe.com

ご紹介したポイントのなかでも、「余白」を作ることはとくに大切です。
以前、私たちの学習塾『エイスクール』に通う子どもたちに、「エイスクールってどんなところ?」と尋ねるアンケート調査を行いました。圧倒的に多かった答えが、「自由」。そんなに自由を求めてスクールにきているのかと驚きましたし、裏を返せば、子どもたちは日常生活や学校生活に「自由」を感じられていないということ。だからこそ、意識的に「余白」を作ることが大切だとつくづく感じています。

家族みんなで夏休みの目標を立てよう!

「夏休み目標すごろく」を作って、家族全員で競い合うのもおすすめです。

人生ゲーム   出典:stock.adobe.com

まずは家族それぞれの目標を設定します。子どもなら「夏休みの宿題」、大人なら「ダイエット」など、取り組むテーマを決めます。
次に、子どもはプリントを1枚やったら1コマ進める、お母さんは筋トレを5分やったら1コマ進めるなど、コマが進む仕組みを作ります。そして、すごろくを作って競争するのです。
宿題の進み具合を「見える化」できるうえに、ゲームにすることで「追いつこう」「抜かれたくない」という気持ちが自然と生まれ、子どものやる気が湧いてくるはずです。

外側から子どもを見ているとつい「管理」してしまいたくなりますが、いっしょにゲームをすれば、ゴールをめざして楽しく競い合う「仲間」になります。
「私はこんなに進んでるけど、お母さん全然進んでないじゃない!」
なんてやりとりをしながら、フラットな親子関係につながっていくといいですね!
 

教えてくれたのは:岩田拓真さん

株式会社エイスクール代表取締役兼クリエイティブ・ディレクター

成績アップや受験合格のためではなく、子どもの興味関心を広げて深める「探究学習」に特化した学習塾「a.school(エイスクール)」を2014年に開校(東京・本郷)。開発した探究学習プログラム「なりきりラボ」「おしごと算数」はグッドデザイン賞を受賞。これらのプログラムを、全国50以上のパートナー校に提供中。企業・行政とのコラボレーションも多数あり、新しい学びを作り出す次世代型教育企業として注目を浴びる。著書に『「勉強しなさい」より「一緒にゲームしない?」』がある。

 

もっと知りたい方は『「勉強しなさい」より「一緒にゲームしない?」』をチェック

「勉強しなさい」より「一緒にゲームしない?」出典:www.amazon.co.jp

「勉強しなさい」より「一緒にゲームしない?」』(主婦と生活社)
著者:岩田拓真
定価:1650円(税込み)
「学び欲」を育てる親子ゲーム30個や、夏休みの自由研究に取り組むコツなどを収録。

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