本当に支出を減らすことができないのか考える
まず、お金が足りないと感じる時に考えてほしいのは「本当に支出を減らすことができないのか考える」ことです。
実際の家計相談でも、多くの人が「あれもこれも必要だからこれ以上削ることができない」と答えます。
しかし、本当にこれ以上支出を削ることができないのか、今一度見直してみましょう。
「子どものためだから」などと、聖域を作らず、丁寧に支出を見直しましょう。
相談者さんも「塾はやめられない」と考えていらっしゃるご様子ですが、塾の費用などは塾によって大きく差がでるものです。塾の費用で生活にも困るようなら、転塾することを視野に入れるという方法もひとつ考えられます。どうしても生活に困るようなら、比較的安価な通信制を選択するという方法もあります。
お子さんの将来を考えると、できるだけお子さんの費用は削りたくないものですが、生活が苦しいようでしたらやむを得ません。
お子さんの年齢から考えると、下のお子さんが大学を卒業するまでに8年ほどかかると見込まれますので、借金をして教育費を工面する時期としては早すぎます。
できるだけ、今の収入で賄える教育費の範囲内で、選択できる方法を考えておいた方が良いでしょう。
また、教育費だけでなく、その他にも削れる支出がないか積極的に見直しましょう。
なお、上のお子さんは私立高校に進学しているということですが、高等学校等就学支援金制度の対象にはなっているのでしょうか。所得要件を満たしておらず、対象外ということでしたら、収入が少ないわけではないとも考えられますから、より厳しく支出を見直してみましょう。
本当に収入を増やすことができないのか考える
次に、考えてほしいのは「本当に収入を増やすことができないのか考える」ことです。
相談者さんもパートで仕事をしているということですが、扶養の範囲でお仕事を選択されているご様子です。
お子さんの年齢を考えると、学費のピークはまだ数年先です。
今後も学費の負担が増加し続けると考えると、今後はさらに収入を増やすことを検討してもよいでしょう。
旦那さんのお給料が上がらない状況なら、夫の扶養から外れて正社員で働くことなどを検討するというのも一つの方法です。
下のお子さんも中学生ですから、夫婦で正社員で働くことに育児面での支障はそれほど大きくないのではないでしょうか。
特に、下のお子さんが大学を卒業するまでの8年間は、収入を増やして家計を助けるということを視野に入れると選択肢が広がります。
お子さんの進学時にも、お金の面で進学をあきらめさせるような選択をする可能性を減らすことができます。
どうしても収入を増やすという選択肢を選ぶことができない場合は、さらに厳しく支出を見直す必要があります。
収入を増やすだけでなく、必ず支出の見直しを
節約が苦手な人ほど、お金が足りないと「収入を増やすことでカバーする」ことを安易に選択しやすいものです。
お金が足りないのですから、収入を増やすことができれば、当然お金の不足はカバーできるはずです。
しかし、実際に家計相談をお引き受けしていると、「収入を増やすとその分支出も増えてしまう」という人が多く見られます。
収入を増やしても、支出の見直しを行わなければ、家計の改善までに結びつかないことが多いのです。
相談者さんも、収入を増やすことを考えるだけでなく、ぜひ定期的な支出の見直しも怠らないようにしてください。