子どもに習い事をさせるべき?貯金を増やすべき?
今回のご相談者さんは、「子どもに習い事をさせるべき? 貯金を増やすべき?」と悩んでいるご様子です。ご相談内容を見てみましょう。
『小学生低学年の子どもと幼稚園の子どもが2人います。
周囲のお友達は習い事をたくさんしていて、毎日忙しそうなのですが、うちはまだ2人ともひとつも習い事をさせていません。
収入が少なくて習い事ができないわけではないのですが、将来学費がかかることを考えると、今は習い事をさせるよりも貯蓄をしておきたいと考えています。
最近、子どももお友達の影響を受けて、やってみたい習い事が少しずつ増えてきているようですが、習い事をさせると貯蓄できる額が減ってしまいますし、この年齢で習い事を始めるのはまだ早すぎるような気もしています。
子どもの意思を尊重して貯蓄を減らしてでも習い事を始めた方がいいのか、このまま貯蓄を継続させるべきか迷っています。どのように考えたらよいでしょうか』
子どもの習い事と貯蓄の優先順位
お子さんがいるご家庭ですと、「習い事をどこまでさせたらよいか、貯蓄とのバランスを考えるのが難しい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
子どもの習い事は、子どもの時期にしかできない貴重な経験になる一方、習い事に力を入れすぎてしまい貯蓄が全くできない家計になってしまうのは心配です。
とはいえ、貯蓄を重視するあまり、「習い事をしてみたい」というお子さんの意思を無視して貯蓄だけに力をいれるというのもお子さんのために本当に良いことなのか疑問が残ります。
相談者さんも、お子さんからはいくつか習い事の打診があるようですが、貯蓄とのバランスに迷いがあるようです。
このような時は、以下の2点について考えてみることをオススメします。
- 今後の教育プランを考える
- お子さんにしてほしい経験を考える
以下、詳しく解説していきます。
今後の教育プランを考える
まず、お子さんに習い事をさせるか判断する前に検討してほしいのは、今後の教育プランです。相談者さんが危惧するように、お子さんの教育費はこれからますますかかるようになります。
そのため、将来の教育費のための貯蓄をしたいと考えるのは家計管理の面からみると「非常に堅実な考え方」です。
しかし、将来のための教育費は、公立・私立のどちらを希望するのかなどにより、大きく差が出るものです。
相談者さんが「習い事より今は貯蓄」と考える理由が「中学校から私立に入れたい、小学校中学年からは塾にも通わせる予定がある。そのため今のうちから貯蓄をしなければ間に合わない」など、今後の明確なプランがあった上での判断なら適切と考えられます。
ただ、このような今後のプランがない状況で、「なんとなくお金がかかりそうだから貯蓄しておこう」といった漠然とした不安によるものなら、今後のプランをしっかり立てたうえで、再考する余地がありそうです。
お子さんにしてほしい経験を考える
次に考えてほしいのは、お子さんにどのような経験をさせたいかについてです。
習い事は、学校では学べない経験をする良い機会になります。必ずしも「しなくてはいけない」と考える必要はありませんが、やってみたいというお子さんの気持ちをないがしろにする必要があるかは検討しましょう。
スポーツの習い事ではリーダーを務める経験を積むことができるかもしれませんし、チームで物事を成し遂げる経験ができるかもしれません。学校では習わない楽器に触れることができたり、目標を決めて自ら取り組む姿勢が育まれるような習い事もあるでしょう。
経済的な事情で通わせることができない場合は仕方がありませんが、経済的に不可能ではないのであれば、大人の都合ばかりをおしつけるのではなく、お子さんともよく話し合いましょう。
ただ、お子さんの年齢を考えると、「今はまだ早い」と考える気持ちも理解できますので、もう少しお子さんがしっかり判断できるようになった時に、再考してもよいのではないでしょうか。
お金だけの問題ではない習い事
お子さんの年齢から考えると、教育費の負担が大きくなるのはまだこれからですから、貯蓄を優先するのは家計管理の面から考えると賢明な判断です。
しかし、お子さんのやりたいという気持ちを犠牲にしてまで貯蓄だけにこだわる必要があるのかと考えると、教育面では必ずしも賢明な判断とは言えません。
一概に「習い事はお金がかかるからダメ」と判断するのではなく、その習い事をすることでどのような力を伸ばすことができるのかなど、お子さんの教育面でのメリットもあわせて考えて判断しましょう。
また、習い事と言っても、費用が大きくかかる習い事から、少額で済む習い事までさまざまです。
貯蓄額が気になるのであれば、できるだけ少額で済ませられる「市区町村が運営する習い事」などを検討するのも一つの方法ではないでしょうか。
ぜひ、お子さんの興味と今後の貯蓄の計画をじっくりすり合わせて、親子で納得がいく判断をしてください。