「親の老後の生活費は子どもが払うべき?」親の老後資金が心配な人が考えるべき2つのポイント

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 「親の老後の生活費は子どもが払うべき?」親の老後資金が心配な人が考えるべき2つのポイント

2021.12.02

家計簿・家計管理アドバイザーのあきです。気の合うお友達にもなかなか相談しにくい「お金のこと」に悩んでいる人はいませんか? 有料相談に申し込むほどではないけど、ちょっと聞いてみたいお金の疑問に、家計簿・家計管理アドバイザーがお答えいたします。今回は、「親の老後の生活費が心配」というお悩みです。

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親の老後の生活費が心配

今回のご相談者さんは、「親の老後の生活費が心配」と悩んでいるご様子です。ご相談内容を見てみましょう。

私は中2と小6の子を持つ40代前半の主婦です。

最近気がかりなのは両親のお金のことです。両親は60代後半で、まもなく70歳を迎えるような年齢です。

両親はほぼ年金生活で、年金以外にはアルバイト程度の収入しかないはずなのですが、暮らしぶりが小さくなっている様子はなく、あればあるだけのお金を使って生活しているようです。

孫にもプレゼントをくれることがあり、自分たちの老後に貯めてほしいと言っても貯金がなくてもなんとかなると考えているようで、聞き入れてくれません。

今は父が少しでも働いているので、何とか生活できていると思いますが、父も高齢ですし、そろそろ仕事もやめようかと話しているようです。

正直にいって、今の暮らしぶりでは、年金だけの生活になったら生活できないのではないかと思っています。

今は健康ですが、年を重ねるにつれて健康にも不安が出てくると思いますが、医療費や介護などの備えも全くしていないようです。

全く貯金をしないで生活して、本当に困ったときにどうするの? と聞いても、その時は子どもに面倒見てもらうからよろしくねと笑って流されてしまいます。厳しく指摘しようとすると機嫌が悪くなってしまうため、それ以上のお金の話はできません。

両親が困ったら私が助けてあげられるように準備をしておけばいいのかもしれませんが、子どもの学費もこれからますますかかるようになると考えると、両親の生活費まで負担できる自信がありません。

かといって、両親も話を聞いてくれないので、困っています。どのように対処したらよいのでしょうか。

親の老後資金が心配出典:stock.adobe.com

親の老後の生活費は子どもが負担するべき?

親の老後出典:www.photo-ac.com

子どもの教育費だけでも大きな負担になるのに、両親の老後の生活費まで負担することになったら……と考えると、将来が不安になってしまいますよね。

親の老後の生活費を負担できるほど収入にゆとりがあるなら問題ありませんが、多くの家庭ではそこまでの金銭的な余裕はありません。

生計を共にしていない両親とお金の話をするのも難しく、どのように対策を考えればよいのか迷ってしまうこともあるでしょう。

このように「親の老後の生活費が不安」と感じる時には、どのように対処したらよいのか一緒に考えてみましょう。

先延ばしにしていると、あとから大きな問題となることも……

先延ばしにしていると、あとから大きな問題となることも出典:stock.adobe.com

生計をともにしている両親であれば、日頃からお金について話し合う機会がある場合もありますが、生計をともにしていない親とは詳しいお金の話はお互いにしたことがないという人も多いものです。

どれだけの収入があり、どれだけの支出があるのか、また老後の生活に困らないだけの貯蓄はあるのかなど、踏み込んだ話は実の親であってもしにくいと感じる人も多いでしょう。

思い切って話をしようとしても、親の方から拒絶されてしまうことも多く、なかなか具体的な話までは進まないというケースも多々あります。

貯蓄がないようだと薄々感じていながらも、具体的な踏み込んだ話ができないままに年月だけが経過し、親の医療や介護の問題ががいよいよ本格化し、結局大きな負担を背負うことになってしまったという人も多く見られます。

このように親とお金について、踏み込んだ話をするのは難しいものですが、かといって先延ばしにしていると、あとから大きな問題となることがあることも理解しておく必要があります。

親を援助できるお金があるか確認する

親を援助できるお金があるか確認する出典:stock.adobe.com

親とお金について踏み込んだ話ができる状況にない時は、まずできることは自分の家計について振り返ることです。

相談者さんはお子さんの教育費を考えると、ご両親を援助する余裕はないと考えていらっしゃるご様子ですが、お子さんの教育費の負担が終わった場合でも援助が難しいのか念のため確認しておきましょう。

少しでも援助できる可能性があれば、今はまだ踏み込んだ話をしなくても、こちらで準備しておけばいいと少し安心できるかもしれません。

子どもの教育費の負担が終わっても援助が難しいと判断した場合は、ご両親の金銭状況に踏み込まなくても、こちらはこういう理由で援助が難しい、ということをあらかじめご両親に伝えてみてはいかがでしょうか。

相談者さんのご両親は、困ったときは子どもに面倒を見てもらえばいいと考えているとのことですが、それはしてあげたくてもできない状況だときっぱり伝えておくだけでも、ご両親も困ったときは子どもを頼るという考えを改めてくれるかもしれません。

お金の話を抜きにしてできることから準備を

お金の話を抜きにしてできることから準備を出典:stock.adobe.com

ご両親がお金について踏み込んだ話を好まない状況であれば、現状では大きな進展を望むのは難しいかもしれません。

しかし、いざというの時のために、できる範囲であらかじめ準備をしておくことは必要です。

例えば、ご両親が将来利用する可能性のある医療や介護の制度や、近隣の施設について調べておくなどのことは、ご両親と相談しなくてもできることです。
このような施設を使用すれば、比較的安価で年金の範囲内で利用できるのではないかなど、サービスについて調べてあげるだけでも、ご両親も安心していただけると思いますし、具体的なお金の話を抜きにしてできることから準備をしておけば、相談者さんもいざという時にも慌てなくて済みます。

今後、もし健康面や認知などに心配が出てくるようになると、具体的な話をすることも難しくなってしまいますので、できるだけ健康なうちにできる話はしておくと安心です。

金銭的な援助ではないサポートなども検討して

親の生活費まで子どもが面倒を見るというのは、”してあげたくでもできない”ご家庭の方が多いことですから、相談者さんも自分を責める必要はありません。

金銭的な援助が難しくても、買い物や片づけを手伝うなど、できる範囲の援助をするだけでも立派なことですので、まずは金銭的な援助ではない部分でのサポートなども考えてみてはいかがでしょうか。

そのうえで、もしもの場合に備えた情報収集は怠らないようにしておきましょう。

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著者

あき

あき

東京都在住。夫、子供3人の5人家族。家計簿&家計管理アドバイザー。 節約主婦として日本テレビ「ヒルナンデス」、NHK「人生レシピ」フジテレビ「バイキング」などに出演。著書に「あきの新ズボラ家計簿(秀和システム)」他。 もともとは超がつくほどの現金主義だが、最近はほぼ全額キャッシュレス決済。ポイ活や家計簿アプリにも詳しい。

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