#コーヒーのある暮らし第4回目は「睡眠とコーヒーの関係性」について。
今回も医学博士の豊田さんにお話を伺った元バリスタライターが、寝る前にコーヒーを飲むとき気をつけたいポイントや適切な摂取量についてご紹介します!
仮眠前はコーヒーがおすすめ!
コーヒーに含まれる成分のうち、カフェインには覚醒作用があるといわれています。
朝起きてコーヒーを飲むのが習慣になっている方は、体内で分泌されるストレスホルモン“コルチゾール”と“カフェイン”が同じ作用を持っていることで相殺し合ってしまうため、摂取するタイミングには気をつけないといけません。コルチゾールの分泌が最も高くなる朝8~9時頃にコーヒーを飲むと、逆に眠気やだるさを引き起こす可能性もあります。
そもそも人間が眠気や疲労感を感じてしまうのは、脳内の“アデノシン”という物質が受容体にくっついて脳の働きを妨げてしまうから。カフェインが脳に届けばアデノシンの働きをブロックして覚醒作用を発揮し、眠気やだるさを効率よく軽減してくれます。
コーヒーを飲んでからカフェインが吸収され、血液によって脳に運ばれるまでには約30分かかるため、お昼に軽く仮眠をとるときは寝る前にコーヒーを飲むことで逆にスッキリ起きれる効果が期待できます。
「コーヒーを飲むと眠れない」には個人差がある
カフェインに覚醒作用があることで「寝つきが悪くなる」「睡眠が浅くなる」といった情報をよく目にします。確かにそういった効果があることは事実ですが、実際にからだに現れる程度は個人差が大きいのです。
なかには、カフェインを摂取しても覚醒作用が弱い人もいます。そのようなタイプの人は、リラックスや血流促進効果による疲労緩和といった点が効果として感じやすくなるため、就寝前にコーヒーを飲んでも睡眠自体には影響がないこともあります。
コーヒーの効果が体内で半減するまでにかかる時間は、5~6時間ほど。
「眠れなくなるかも」と心配な方は、就寝前5~6時間はコーヒーを摂取しないよう心がけましょう。カフェインの成分はコーヒーだけでなく、緑茶や紅茶にも含まれています。そういったお茶類(ノンカフェインは除く)も、就寝前に飲むことは避けた方がベターです。
どのくらいの量を意識すればいい?
カフェインには、覚醒作用のほかに血管の拡張と血液量の増加による「利尿作用」があります。夜中トイレに起きてしまうのが心配な方や、睡眠のお悩みを抱えている方は、量に関係なく寝る前のコーヒー摂取を避けるようにしましょう。
どうしても飲みたい場合、量は100ml程度にとどめておくこと。
コーヒー100mlにはカフェインが約60mg含まれており、この程度の量であれば夜中に何度もトイレに起きてしまうといったことが少なくなります。また、就寝前に身体を冷やさないようにするため、アイスコーヒーではなくホットコーヒーを選ぶようにしましょう。
ミルクが苦手でなければ、コーヒーに加えてカフェオレにして飲むのもオススメ。ミルクには睡眠を促すセロトニンの原料となる“トリプトファン”が含まれており、深い睡眠が期待できます。
ブラックで飲む場合は、量や時間帯はもちろん、就寝前の空腹状態でブラックコーヒーを摂取し胃を刺激してしまわないよう注意しましょう。
……次回のテーマは「コーヒーと脂肪燃焼の関係」。コーヒーはダイエットに効果があるの?など、女性が気になる体型の悩みとコーヒーの気になる関係についてご紹介します。お楽しみに!