不登校の中学生の息子が赤ちゃんのように甘えてくる…。思春期の「幼児がえり」との向き合い方

家族・人間関係

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2022.05.20

こんにちは!心理カウンセラーのrikaです。 思春期の幼児がえり(幼児退行)。不登校初期のつらく落ちていてた子どもの心の回復期に見られますが、そんな時の対応について、ママさんからの相談をベースにまとめてみました。

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ご相談:中学3年生の息子が赤ちゃん返りに。

不登校 男の子出典:stock.adobe.com

息子は中3、完全不登校です。

今回、相談したいのは、赤ちゃん返りのような甘えについてです。

不登校になり、しばらくして元気になるにつれ、どんどん酷くなり困っています。

愛情が欲しい。
甘えたい。
愛を確認したい。

それを素直に出しているのであればいいことなのかもしれませんし、なるべく応えたいと思って関わってきました。でも、ますますエスカレートするばかり。

いくら応えても満足することはないのか?正直スキンシップが気持ち悪い…と、嫌になってきています。心が満たされ、また羽ばたくための大事な戯れなのかもしれません…。

ですが、頭を撫でてと膝に頭を乗せてきたり、手を握ってきて唇を当ててスリスリしてきたり、家事をしている時に自室に来るよう呼び、行くと好きと言ってと言われたり……ゾゾゾっと震えてしまうくらい嫌で、でもそれに答えないとキレてしまうので、耐える日々で…。

うまく交わす方法はないのでしょうか?
せっかく元気なったので、拒否する勇気がありません。

落ち込んでしまうと、また元気になるのに何倍も時間がかかりそうです。

(不登校ママ B子さん)

思春期の幼児がえり(幼児退行)

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不登校の子の幼児がえり(幼児退行)は、相談に来てくださるクライアントさんからもよくお聞きします。

例えば、何かした時に「ママ見て!」と言ってきたり、高いところからジャンプして「スゴイでしょ?」と得意げにアピールしたり、モリモリご飯を食べて「褒めて〜!」と求めてきたりという、小さい子どものような行動などです。

最初は不登校になり打ちひしがれてた子ども。

でも、少しずつ元気になってくると、活発に動き出したりたくさん食べるという当たり前のことでさえ、親として安心します。

さらに、思春期で不登校の子どもが親である自分に甘えてくれている!ということがとにかくうれしくて、「スゴイね」などと応えますが、その頻度が増してくると、かまうことがだんだん面倒臭くなってきます。

そうなると、「ママ、見て!」と言ってきても、見ずに「はいはい、すごいね」になってくるし、さらに、思春期なのに何を幼児のようなことを言ってるんだ?と思うようになります。

なぜ幼児がえり?

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幼児がえりは、不登校初期のつらく落ちていてた子の心の回復期に見られるようです。

子どもの幼児のようなこの行動は、「すごいね!」と褒めてもらいたいわけではなく、

自分を見てほしい!
注目されたい!
愛されているのを確かめたい!
受け入れられてるというのを実感したい!

という思いからくるものなねだと私は捉えています。

特に、ママが厳しかった場合、頑張れ!もっとやれ!と言われることがあっても、褒められたり認められる経験があまりないことがあります。

そんな時、たくさん食べるとか高いところからジャンプするなど、小さいころにママに褒められた経験があるわかりやすい行動をして注目を浴びようとしがちです。

それは、不登校になってしまった今の取り柄のない自分が、どんなことをしたらママの気持ちを惹くことができるのか、それがわからないからなのかもしれません。

幼児がえりから得られるもの

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B子さんの息子さんの場合、かなり度を越したスキンシップの要望なので、ママとして心身ともに疲弊していらっしゃるのはよくわかります。

思春期の男子、自分の背丈より大きい子からのスキンシップの要求は、度を越すと嫌悪なのもわかります。(もっと赤ちゃんみたいなスキンシップを求める子の話を聞いたこともあります。)

でも、息子さんが欲しがってるのは、スキンシップすることではありません。

そこから得られる
「ママの自分への注目・関心」
「自分への愛情」

なので、それは別の形で与えればいいのだと私は考えます。

幼児がえりへの対応

関わり方としては、今からは年相応の息子として接する!と決めて、息子さんが欲しい、注目、関心、愛情は別の形で示せばいいのです。

例えば、お手伝いをしてくれて助かった時や、わからないことを教えてくれた時などは本当に助かります。
そんな時こそ、感謝の気持ち、頼もしい子どもへの注目を表しましょう。

今の感じだと、B子さんの息子への嫌悪感はますます高まるし、そうなると嫌悪感に気づいた息子は、「好きになってほしい!」「受け入れてほしい!」という気持ちがますます強くなり、さらにスキンシップの要求はエスカレートしてくると思います。

なので、まずBさんの注目ポイントを変え、息子さんが求める、
「ママの自分への注目」
「自分への関心」
「自分への愛情」
これを、もっと自然な別の形で示してみてはいかがでしょうか。

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著者

rika

rika

子育て・夫婦関係など、自分自身の毎日をハッピーにするための処方箋をさまざまなテーマで発信 ●Amebaオフィシャルブロガー ●NHKカルチャー講師 ●著書「子どもが不登校になったら読む本ーすべて解決できる"笑顔の処方箋"」第6刷増刷 ●ハッピーママサロン「rika's cafe」主宰。ママのためのオンラインサロン運営・講座・セッションなどを開催し、5年で3,000名が受講 ●心理カウンセラー

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