教えてくれたのは……総合家電エンジニア 本多宏行さん
テックマークジャパン株式会社業務部クレームチームエキスパート
家電全般、住宅設備、パソコン、車などの延長保証の修理精査業務に携わっている。
多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要となる「総合家電エンジニア(正式資格名称:家電製品総合エンジニア)」資格を保持。
究極の方法は、電源を切って充電すること
「充電中はスマートフォンを使用しないことでバッテリーを守れるだけでなく、充電速度も向上します。究極の方法は、スマートフォンの電源を切って充電することでしょう」と話すのは、総合家電エンジニアの本多宏行さん。
ただ、誰かと連絡を取り合わなければならないなど、スマホの電源を切りにくいときもありますよね。そこで、本多さんに、スマホの電源を入れた状態で、できる限り充電速度を上げる方法を教わりました。
機内モードを活用
スマートフォンの動作を低減させることで、充電速度は向上するので、機内モードを活用するのも手だと思います。通信機能を制限されますが、効果的です。また、スマートフォンの発熱量を抑えることも重要ですので一役買ってくれるでしょう。
USBを使った充電もできるけど…
USBのバージョンにより、電力供給量は異なりますが、最新バージョンUSB4は、最低の電力供給量が7.5Wであっても、接続先のデバイスがUSB PD(Power Delivery)をサポートしていれば、100Wで電力供給が可能です。また、USB PDEPR(Extended Power Range)までサポートされていれば240Wの電力供給となります。
しかし、USB PDのサポートは、接続するケーブルの両端子部がUSB-Cであることが原則です。ケーブルをThunderbolt4で活用すれば解決という声も聞こえますが、コスト面や使い勝手などを考えると、実際には難しいと思います。
また、すべてのスマートフォンの接続端子部がUSB-Cに統一され、電力供給量240Wを実現できれば、ノートパソコンとの接続であっても、USB PDが駆動可能になるでしょう。
ただし、注意点として、最高水準に於けるUSB PD駆動にはUSB PDEPR対応ケーブルが必要です。従いまして、現時点では、すべてのスマートフォンをUSB PD駆動させることはできません。
ワイヤレス充電器は…
ケーブルなしで充電できる非接触型充電器(ワイヤレス充電器)は、AC給電と電力供給量が同等とされていても、電力損失が大きいため、充電速度はAC給電に及びません。
従いまして、コンセントに接続する充電器を活用したAC給電に分があるといえます。
低温下での使用を避ける
5℃以下のような、極端な低温下でスマートフォンを使うと、バッテリーの内部抵抗が大きくなる可能性があります。だからといって、低温下において、暖房器具や使い捨てカイロなどでスマートフォンを温めることは絶対にやめましょう。バッテリーの寿命を縮めるに留まらず、発火する恐れもあります。
ちょっとした工夫で、スマホの充電スピードを上げることができるんですね。充電するさいは、ぜひ実践したいものです。