小学生の性教育はゆるやかな2段階で考えよう
小学生の性教育は大きく2つの段階に分けられます。それは、第二次性徴(※1)前か後か。
この記事ではそんな観点から小学生の性教育について見つめてみます。
※1:第二次性徴とは、思春期になってあらわれる性器以外の身体の各部分にみられる男女の特徴のことをいいます。
まだまだ幼い小学校低学年のころは
まずは、我が子がランドセルを背負い、初めてひとりで「いってきます!」をするようになった小学校低学年のころ。
私たち親の頭の中をもっとも占めるのは、我が子の安全に関すること、つまり「防犯」なのではないでしょうか。海外では、子どもが一人で通学することが考えられない状況の国が多い中、日本では当然のように小学生が一人で通学しています。子どもが一人歩きできるほど治安がいいともいえますが、ある意味、日常的に子どもたちは危険にさらされているわけです(不審者目撃情報、よく流れてきますよね……そういうことです)
そして、警察庁の発表した統計データによると、13歳未満の女性が被害者となった犯罪のうち、強制性交等と強制わいせつが約23%を占めています。悲しいかな、防犯と性教育は切っても切れない関係なのです。我が子を守るためにも、防犯の観点からの性教育が非常に重要です。
※参考:法務省 令和4年版犯罪白書 第6編 犯罪被害者 267ページ
同時に、幼児期から続けておこなう「からだについて教えること」も、依然として低学年における重要トピックといえると思います。ここでは幼児期に学んだ「私のからだ」を超えて、「周囲のひとのからだ」についても知り、お互いのこころもからだも尊重しあう基本的な姿勢を身に着ける時期といえるでしょう。
小学校、中学年・高学年の子どもと考えたいのは
一方、中学年、そして高学年になると訪れるのが第二次性徴、すなわち、自分自身や周囲のひとの「からだに明確な変化」が訪れるとき。その変化について学び、考えるべき時期となります。
少し思い出してみるだけで、多感な時期のはじまりに、だれかに体の変化を揶揄され傷ついた経験、揶揄されている姿を見た経験、あるいは早熟な友人を憧れと不安のいりまじった目で見つめた経験、ありませんか。
本来健やかな成長のあかしであるうれしい変化が心の傷になってしまうのはあまりに悲しい。我が子には、被害者はもちろん、傷つける側(言ってしまえば加害者)になってほしくない、その思いは親であればみなさん抱くのではないでしょうか。
また同時に、「性行為や妊娠の仕組み」について改めて伝えることも重要です。望まぬ妊娠は、実際小学生にとっても決して関係のない話ではないのです。我が子を守れる正しい性知識、そしてできれば、性の豊かさについても伝えていけるとよりいいのではないかと思います。
共通点は、「守り・育む」姿勢
小学生、とひとくくりにしても、必要となる性教育は移り変わっていきます。その時々に必要な、我が子を「守り、育む」性教育。これからの育児には欠かせないものです。ぜひみなさんで考えていきましょう。